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Artificial Magi  作者: 津賀
第3章 第一学園編 前編
22/34

始業式

誤字脱字等ありましたら連絡していただけると喜びます

ええ、無事編入試験には合格してましたよ。

合格通知来るまでは多分大丈夫だろうなと思っててもそわそわしてしまっていた。

あのサトシさんと戦った編入試験から1週間、怒涛の勢いで制服やらなにやらを取り揃えてようやく学園に通える装備を整えることができた。

その間僕は手続きやらで忙しかったが、アリアンとユウナは休みを利用して冒険者ギルドのクエストを受けまくっていたらしい。充実してそうで何より。


一応、僕も【個人空間】が今までのままだと不便だったからいろいろ改良を重ねた。

まず、数日間『門』を開けっ放しにしてマナを取り入れた。あとは使用者登録機能を追加して、登録した人がいつでも出入りできるようにしておいた。ロックは僕しか出来ないけどね。今はアリアンだけしか使用者登録をしていないため、アリアン専用空間になりつつある。後は倉庫と居住スペースを作った。これはアリアンのためでもあり、長期クエストで野営しないといけない時に役立てようと思ってのことだ。今では僕の【個人空間】は快適スペースとなっている。ここまで来たらもう【個人空間】じゃないな。ということで単に【空間】と名づけ直したりもした。僕専用でいろいろしまっておくための【個人空間】は別途で作ったし。


そんなこんなで今日は始業式ですよ!

わくわくして昨日ちょっと寝付くまでに時間がかかっちゃったじゃないか。

目もいつもより早く覚めてしまった。

「おはようございます、主」

目を開けるとそこにはアリアンがいた。

「お、おはよう。なんでこんな時間にそんなところで待機してるんだ?」

「主の寝顔を見ておりました」

なんて正直な子。

「え、もしかして今までもやってた?」

この問にアリアンは無言でコクン、と頷く。

「気づかなかった・・・」

「そんなことよりも主、今日でヤマトさんとの訓練も最後ですよ。気を引き締めて行きましょう」

「ま、まぁそれもそうだな」

なんかごまかされた気がすごいするけど、アリアンの言うことも尤もだ。

アリアンとじゃれていたら割と時間が立っていたため、庭に急ぐ。


庭に到着すると、すでにヤマトさんが瞑想をしていた。

僕が来たのに気づいたヤマトさんと挨拶を交わす。

「おはよう」

「おはようございます」

1時間ほど掛けて、いつもはやらないところまで念入りに確認し終わると、ヤマトさんが切り出した。

「今日は最後の訓練だね」

「はい」

「じゃあ、今日の訓練内容だけど、僕の攻撃を当てて欲しい。もちろん、魔術は無しで」

「えっ、ヤマトさんに攻撃を、ですか?」

「そう。僕も回避するから、今まで習ったものを総動員して僕に攻撃を当てようとしてね。服にかすらせるだけでもいいよ」

有効打、じゃなくて攻撃をかすらせるだけでもいいのか・・・やってやろうじゃないか

「わかりました、やってみます」

「じゃあアリアン、合図お願い。制限時間は5分で」

「わかりました」

お互いが微妙に間合いの外に立って構えを取り、アリアンの合図を待つ。

「始めっ!」

最後の訓練が始まった。


カムイは相手の出方を探るため、一歩間合いを詰めて蹴りを繰り出す。

その蹴りは見事に間合いを読んでいたヤマトに躱され、空振りとなってしまう。

即座にカムイは空振った足を地につけ、後ろ回し蹴りを放つ。しかし今度もヤマトに躱されて、空振ってしまう。この後、カムイは間合いを詰めながら数発の蹴りを繰り出すも、ことごとく躱されてしまった。

蹴りで前につきだした足を地につけ、カムイは前を向いて構えを取り直す。

ヤマトとの距離は開始直後と同じだった。

「そんな蹴りじゃどんなのが来るか一発でわかっちゃうよ」

「まだまだ、これからです」

そう言った僕は強く踏み込んで即座に間合いを詰める。

そして、左手で突きを繰り出そうとし・・・ヤマトが半身横にずれた瞬間に己の全力をもって本命の右手を繰り出す。

「甘い!」

ヤマトはなんとか右手の突きをバックステップで躱す。しかし次の瞬間、カムイは無我夢中で右足で追撃の蹴りを放つ。蹴りが来ると瞬時に気づいたヤマトは再度バックステップで回避をしようとする、が足先に服がかすってしまった。

ヤマトが構えを解き、それを見たカムイは?を頭の上に浮かべる。

「うーん、服に一撃当てられちゃったね」

「服に、当たりましたか?」

蹴りはとっさのことだったので当たったかどうかまでは見れていなかった。

「あぁ、うっかり間合いを見誤っちゃったよ」

「当てれたのか・・・」

これまでの訓練でヤマトの強さを見てきたカムイにとっては、かすらせただけでも達成感でいっぱいだった。

「これまでの動きでカムイは十分体術の基礎が出来ていることがわかったからね。これで体術の基礎訓練は終わりだ」

カムイはこれまで付き合ってくれたヤマトに礼を言う。

「ありがとうございました!」

「今までお疲れ様」

「おつかれさまでした」

アリアンも含めた3人はご飯を食べに居間へと向かう。


--------------------------------------------


朝食を食べ終わり、学園へ行く準備をする。

「そうだ、アリアン。お前はどうするんだ?」

「そうですね、基本的には【空間】でのんびりと待機しています。御用があるときはお呼びください」

「それでいいのか?」

もっと色々やればいいのに

「それで十分です」

アリアンがそう言うならいいかな・・・まぁ、出入りは自由だからなんかやりたくなったら勝手に出かけるだろ。

アリアンと共に下へ降りる。どうやら見送ってくれるらしい。

階下にはすでにユウナが居た。

「制服、お似合いですよ」

「ありがとう、ユウナも似合ってる」

などというお決まりのやり取りをした後、アリアンに見送られながら学園へと向かう。


学園までの道をのんびりと行く。

「そうだ、ユウナ」

「なんでしょうか?」

「学園にはどんな行事があるんだ?」

「武闘大会、文化祭が主な行事ですね。後は3年生ですと卒業遠征がありますわ」

「武闘大会?卒業遠征?」

ユウナによると武闘大会は初夏に行われて、第一学園の有志が参加してトーナメント形式で戦う大会だそうだ。卒業遠征は一部のバックアップメンバーを除いて遠方の地へ行き数日間キャンプをするというものらしい。バックアップメンバーも物資輸送の手続きとかを行う3年生総出の行事とのこと。これをクリアしないと卒業できないらしい。

「文化祭は各クラスが出し物をするお祭りですわ」

「そこは僕の時代と同じだな。楽しみだ」

なんやかんやしているうちに学園に到着した。


ユウナと別れて、まずはクラス配属が貼りだされている掲示板を探す・・・必要はなかった。すごい人だかりだ。

さてどうしたものかと思っていると前方から知った顔が抜けだしてきた。

「あ!カムイくん!」

「お、イヨじゃないか」

「カムイくんはもうクラス配属見た?」

「いや、人だかりを前にして足踏みしてた」

「それだったら教えて上げようっ。カムイくんはわたしと同じクラスだったよ!」

お、これは見に行かなくても良くなったな。

「どのクラスなんだ?」

「3-1だったよ」

「教えてくれてありがとな、一緒に教室まで行くか?」

「うん、早速行こうっ」

イヨと共に教室へ向かう。


教室に入り、とりあえずカバンをおくために席を探す。机の上に名前が書かれた紙があったため割とすぐに自分の席を見つけることができた。

「お隣さんだねー」

「おう、よろしくな」

すぐ横を見るとイヨがニコニコしていた。なんだ?これが腐れ縁ってやつか?

イヨとそのままちょっと喋っていると先生らしき人が来た。始業式が始まるから体育館まで移動、とのこと。

体育館で校長のありがたい話などを聞いて、この時代でも校長の話はながいんだなと思いつつ無難に始業式は終わった。


教室に帰ってくると前の席のやつが喋りかけてきた。

「よお。俺の名前はヒロシ=サカガミってんだ、よろしくな」

名乗られたからには名乗らないとな。

「僕はカムイ=カミシロっていうんだ、よろしく」

「俺は編入生でぶっちゃけ知り合いがいねぇ、これからつるんでくれるとありがたい」

なんと、彼も編入生だったのか。

「僕も編入生で、知ってるのは横にいるイヨ1人だけなんだ。だから、こちらこそよろしく」

お互いのことを名前で呼ぼうという話をしていたら横からイヨが入ってくる。

「わたしはイヨ=ヤマガミっていうんだー。よろしくねっ」

「ヒロシ=サカガミだ」

ヒロシとイヨも名前で呼び合うようだ。どうやら今の時代では皆名前で呼び合うのが普通っぽい。ちなみに、ヒロシは獣人で頭には犬耳が生えている。ちょっと触ってみたいけど我慢。


「そういえば、ヒロシは冒険者やってるの?」

「あぁ、Cランクだ。それを聞いてくるってことはお前も冒険者なのか?」

「うん。Bランクの冒険者やってる」

「はぁ!?おまえ、それマジか?」

大きめの声を出したのに気づいたヒロシは途中から小声に切り替えている。幸い、あまり注目は浴びてないようだ。

「うん、マジだよ」

「Bランクったら普通5~6年はかかんぞ。お前、一体いつ冒険者になったんだよ・・・」

「えーと・・・1ヶ月前?」

「んなアホな」

ヒロシがポカーンとしてしまった。

ヒロシがこっちに戻ってきたのを見計らってイヨも参加する。

「わたしも冒険者やってるよ!この前Cランクになったんだよー。カムイくんは非常識だから気にしないで」

いつの間にか1ランク上げてるな。もともと魔力も高かったから当然っちゃ当然なのかな?

「俺と同じランクか、お互いがんばってこうぜ。しかしカムイ、お前一体何やったらそんな短期間でランク上げれるんだよ」

「オーガを単独で5匹倒したらマスターがランク上げてくれたよ」

「・・・は?」

ヒロシが絶句してしまった。

「だから言ったでしょー、カムイくんは非常識だって」

「非常識すぎるだろ・・・」

そうこうしていると、先生が入ってきたため皆席に戻り前を向く。

「それではこれからHRを始めます。私がこのクラスの担任となりましたミルヤ=オハラです。これから1年よろしくお願いします。」

先生が連絡事項を伝えて、クラス全員が名前や趣味程度の軽い自己紹介を済ますと今日は終わりと言うことになった。


「じゃあ、これからちと用事があるんですぐに帰るわ。また明日な」

と言い、ヒロシは颯爽と教室を出ていった。

イヨと二人で「止まり木」でご飯を食べた後、図書館へ行って前から気になってたアリアンの固有魔術について調べることにした。

今日は暇だというイヨも連れて図書館へと向かう。人気のないところに一度行き、【空間】に居るアリアンを呼んでくる。

無事誰にも見つからなかったことに安堵しつつ3人で図書館へと向かう。

ちなみに、すでにイヨとアリアンは結構仲良くなっている。一緒にクエストに行ったりしてるみたいだし。


図書館に着くと固有魔術について書かれた書物を持ってきて、アリアンに見てもらう。

何冊か本をパラパラとめくったところでアリアンが手を止める。

「これです、この魔術が一番近いと思われます」

「どれどれ・・・」

そこには【極光】という魔術が書かれていた。

この【極光】は莫大なエネルギーを持った魔力の光を放射状に照射することで対象にダメージを与える魔術らしい。そのため、光属性と言うよりは無属性に近い魔術とのことだ。

【極光】ではさらに魔力光をある程度操ることが可能なため単体を狙うことも広範囲を殲滅することもできる、とのこと。威力はデフォルトの魔力光の照射でも【エクスプロージョン:コンプレス】を超えるらしい。


「見事に攻撃系の魔術だな」

「私は得意魔術が無属性しかないため助かります」

「でもそれなりにほとんどの魔術をそつなく使えるじゃないー」

そう、得意属性でなくても魔術を使うことはできるのだ。ただし、得意属性と比べると消費魔力が上がったり威力が下がったりするというデメリットがある。

「あまり大量の魔力を使うことは出来ないので、このような魔術があると助かります」

そう、僕たちは身体の維持のためにも魔力をある程度残しておかないといけないのだ。

「いいなー、固有魔術。わたしも欲しいなー」

「駄々こねてないで、調べ物も終わったから帰ろう」

ちなみに、ここまでのやり取りは全部小声でしている。


外に出ると夕方になっていたため、今日はサクッと家に帰ることにした。

別れ際

「明日、わたし、カムイくん、ユウナちゃん、アリアンちゃんの4人でクエスト受けない?」

とイヨが提案してくれたので、ユウナにはもうOKをもらっているということで、僕としても全然問題ないため二つ返事でOKを返す。


家に帰ると辺りはもう暗くなっており、ユウナが出迎えてくれた。

「おかえりなさい」

「ただいま」「ただいま戻りました」

「もうすぐご飯ができますので居間に行きましょう」

居間に着くとちょうどご飯ができたようで、食卓には美味しそうな料理が並んでいた。


今日調べたアリアンの固有魔術について説明しながら夕ご飯を食べる。

そしていつも通り風呂に入り、【空間】でアリアンと魔術の鍛錬(いかに早く魔術を発動できるか競う感じの鍛錬)をしてあとは寝るだけという状態になる。

明日から授業かー、どんな感じなんだろうなーとワクワクしながらも眠りについた。


ヒロシくんの実力は次話ででるかも?

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