第一話 二度目の人生へ
ピー、ピー、と規則正しい音だけがこの部屋で鳴っている。
これが死期を悟るといことなのか、もう自分がながくないとなんとなくわかる。
自分の人生を振り返ってみると、決して良いものとは言えなかった。
親は毒親だった。
ほとんど世話をされた記憶はなく、高校進学と同時に家を出た。
アルバイトをいくつか掛け持ち、学業も頑張る。部活は少々厳しかったがなんとか大学入学はできた。
そうして大学も無事に卒業し、社会人にもなれた。
しかし、二年たった頃に体調を崩し、そこからは病室での生活だった。
病気については医師も知らないものだった、この地点で俺は直らないと悟っていたよ。どんどん衰弱していくのだから。
そうしてついに迎えが来た。
だんだん音が遠くなり、意識が朦朧としていく。
もし次があるなら、今度はもっと良い人生を送れれば...
しかし意識が途切れることはなく、代わりに身に覚えのない映像が脳裏に流れ込んできた。
・二本の剣をひたすら振っている
・見たことない生き物を、大きな刃の剣で一刀両断している
・遠くにいる生き物が一瞬消え、振り返るとそれには首がない
・手の先からとてつもない大きさの火?を放出している
こんな記憶は見たこともない。いったい何時の記憶なのか。
そう考えていると、目を開けるように視界が広がった。
朦朧とする視界が徐々にはっきりしてくると、そこは病室の天井ではなかった。
見たことのない天井、そして見覚えのない人物が二人、顔を覗き込んできた。
ここは一体何処で、二人は誰なんだという疑問は、前世でラノベが好きだった俺は何となく察した。
おそらくここは異世界で、俺は転生したのだろうと。




