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天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します  作者: バナナ男さん
第二十二章

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(サイモン)875 男なんて

(サイモン)


「実力もないくせに女というだけで無意識に下に見て、無駄なプライドをかざしてはあの手この手で上に立とうとする。

何かあれば直ぐに逃げようとするし、中には力にモノを言わせて暴力まで振るうやつもいるわ。

そんな生き物と恋愛?結婚??それが女の幸せ??そんなもの私には地獄だわ。」


普段は殆ど無駄な事を話さないリリア。

心の中ではこんな事を思っていたのか……。

それに驚き言葉を失くしていると、リリアはそんな僕の方を見てニコッと笑った。


「だから私は一人で生きていく力が欲しい。

そんなクソみたいな『男』と人生を共にするなんて真っ平。

勿論そんな男だけじゃないって知ってるわ。

お母さんや兄さんの事は、最高にカッコいいと思ってるから……。」


「そっか……。うん、ありがとう、リリア。」


とりあえず全ての男が憎い!というわけではない様子だったのでホッとしたが、またリリアの顔は暗くなる。


「兄さん達みたいな男の人だと好きになるかもね。

でもきっと選ぶためには『力』がいる。

人を見る目も養わなければいけないわ。それには努力が必要でしょ?

だから私は判断するのに必要な知識を、沢山吸収するの。

女は力が劣る分賢く立ち回らないと、悪い男の都合のいい道具にされてしまうから。」


リリアの決意は固く、目は真剣そのものであった。


リリアは母と僕とはまた系統が違った美人で、更に身体の発達が人より早くスタイルも抜群であったため、道を歩けばイヤラシイ視線を向けられる事がよくあった。

その無遠慮な視線はリリアにとって耐え難いモノで、そういう時リリアは決まって下を向く。

それに加えて大好きな母の泣く姿を見てしまったリリアは、僕とはまた違った『絶望』を抱いてしまったのだと思う。


大好きな母に手を出しながら、側にいない無責任な父の存在。

性的な目を無遠慮に向けてくる不快な男達。

そしてそんなリリアの気持ちを理解していない人々の、ヒソヒソと囁かれる悪口の数々。

心の居場所がなくなってしまったリリアの選んだ道は『自立』だった。


どこにも居場所がないなら、自分が自分の居場所になればいい

そう考えたのだと思う。

そんな僕たちの成長を見守っていた母は時々困った様にため息をつき「大丈夫かな……。」と呟いていたが、僕たちの考えが変わる事はなかった。


そんなある日、リリアの開花していく知力と外見の美しさに目をつけたある有名な権力者<ダダン>が我が家にやって来る。


40を越えるいい年したおじさんなのに、若者の様にダラッと服を着崩し、ピカピカ光る装飾品をこれでもかと体中に装着している、まさに『金を着ている』という表現がピッタリの下品極まりない男。


ニヤついた顔にジロジロと人を査定する様な目は絶えず周囲を見回し、時々舌なめずりをするのが最高に気持ち悪い。

そんな気持ち悪い男でも金と権力は有り余るほど持っていて、逆らえるヤツは国の中ではほんの一握りと言われていた。


そいつは家にズカズカと入ってくると、勝手にソファーにドカッと座り込み、嫌そうに眉を潜める母に向かって不遜な態度でこう言い放つ。


「喜べ。お前の娘を俺の正妻にしてやろう。愛人は多くいるが、正妻にはそれなりの知能が必要だからな。

仕事を手伝い、もっともっと儲けを出せるようこれからは俺のために死ぬ気で努力しろ。分かったな?」


隣に立つ仲間に葉巻の火をつけてもらうと、それをスパーと吸って青ざめて立っているリリアに向かってその煙を吐き出した。

そんなリリアの前に母と僕が立つと、ダダンは母と僕の事もジロジロと上から下までイヤラシイ目つきで睨みつけて大きく口元を歪めて笑う。


「へぇ〜。女だったら極上品だったのになぁ?まぁ、でも物珍しい置物と思えば悪くねぇ。

心配しなくても三人纏めて面倒見てやるよ。欲しいものはな〜んでも買ってやる。

ほ〜ら、嬉しいだろ〜?惨めなひとり親家庭から一気に大出世だな。

女なら誰もが羨む幸せをお前たちは手にすることができるんだ。選んでやった俺に感謝しろ。」


その瞬間、母はブチギレ全員に幻影魔法を掛けて乱暴に追い返したが、<ダダン>は非常に狡猾でずる賢く、絶対に諦めようとしなかった。

権力をフルに使い、四方八方からありとあらゆる手を使ってくる上、高価な魔道具で魔法耐性までつけジリジリとにじり寄ってくる。

リリアはこの頃、気丈に振る舞い続けていたが、ある夜こうポツリと呟いた。


「やっぱり女の人生なんてクソだわ。ああいう男に目をつけられると逃げられない。

一人で生きて行きたくて必死に勉強しても、それに目をつけられてしまうなら……私はどうしたらいいの?」


それを聞いた僕は心の底から怒りが込み上げた。


『男』という生き物は自分勝手で無責任で横暴で、周りがどう思っているかなど微塵も思わない最低最悪な人種だ。

僕に対してだって『可愛い』『可愛い』と下心満載で近づいてくる癖に、必ず逃げ道は残し、実際に結婚相手に選ぶのは自分の利益になる人を選ぶ。

そうして安全な場所で常に外へ視線を向け、自身の欲を発散させてくれる相手を探すんだ。


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