【超能力先輩とグラス】
椛「……知らない物の声が聞こえる」
楓「急にどうしました?」
ち「何の話ですか?」
椛「聞いたことない声だ。新しく物が増えてる? 誰だ……?」
霊「めーちゃん先輩がグロスでも持ち込んでるんじゃないんですか?」
楓「そういえば、イ〇スタで話題になってる奴を買ったって話してなかった?」
ち「2日前ぐらいにストーリーにあげてたかも」
椛「いや、愛の私物っぽくは無いんだよな……」
ち「じゃあ、私達ですかね? でも、特別何か持ってきたつもりは無いんですけど……?」
椛「誰かの物って感じじゃない。なんというか、高揚感とか、期待感とか、そういうのが伝わってくるんだ。多分所有者が居ないから物の感情も不安定になってる」
幽「所有者が居ない? それってお店に並んでるものとは違うんですか?」
椛「店売りの物は、他に並べられてるものに触発されて感情を抱くからな。ともかく、そういうのとは根本から違う感じがするんだよ」
ち「私達超能力者じゃないんでその感覚が分んないですけど」
楓「何の話なのかさっぱりって感じ」
幽「そもそも、それって悪いことなんですか?」
椛「いや、良いも悪いも無いけど。なんか、知らん奴が同じ教室にいる感覚」
楓「人に置き換えると不審者ですね」
幽「不審物という意味では同じじゃないですか」
ち「昨日までとは違うところでも探してみます?」
楓「何その間違い探しみたいなの」
霊「なんか面白そう!!」
椛「まぁ、敵意は無いから危険なものではないと思うが……」
幽「あんまりあちこち触らない方が良いですよ~。岸先輩の私物に触れたら怒り出しますから」
椛「人聞きの悪いことを言うな!! 誰だって彼女に障られたら怒るだろ!!」
幽「僕の彼女、触れないので」
霊「どうも、触れない彼女です」
楓「私、生身の彼女なんですけど……」
ち「それにいつもくっついてるんですけど……」
椛「……今のは俺の例えが悪かったな」
万「何? 何の話してんの?」
椛「うお、お前いつの間に」
万「いやぁ、水山先生の手伝いに行ってたけど、ずいぶん遅くなっちゃったから瞬間移動してきちゃった」
ち「先輩、一つ聞きたいんですけど、何か私物持ち込みました?」
万「部長自らそんなことすると思う!? いつも読んでる本もサイコメーカーから貰った電子書籍もちゃんと持ち帰ってるのに」
楓「あれ、まだ使ってたんですね」
椛「とすると、時雨か愛なのか?」
万「何が?」
椛「ああ、いや、大したことじゃないんだが、知らない物の声が聞こえるからさ」
楓「それがおかしいですねって話をしてたんですよ」
万「……あ!! もしかして、このグラスのこと?」
幽「なんですか、その妙にオシャレな3つのグラス。買ってきたんですか?」
万「ほら、君たちずっと紙コップ使ってたでしょ? これから夏で飲み物飲む機会も増えるだろうし、用意しておこうと思って」
幽「僕たちの分ですか!? わざわざ買ってもらっちゃってすみません」
万「いいのいいの。どうせ部費だし、せっかく入ってもらった後輩を邪険にするわけにもいかないしね」
楓「ちよの彼氏めっちゃイケメンじゃん」
ち「でしょ。ウチの彼氏、こういう気遣いが出来る良い男なのよ」
椛「めんどくせぇ女子大生みたいなこと言いだしたな!!」
霊「……グロスじゃなくて、グラスだったってオチね」
万「それで締められるのは解せないなぁ!?」




