【幽霊後輩と霊視】
ち「あれ、鍵が開いてる? 一番乗りか……」
楓「お待たせ~。聞いてよ、さっき椛先輩がさ~」
椛「いや、だから、悪いとは思ってるよ」
ち「何? 何の話?」
楓「土曜日に映画見に行く予定だったんだけどさ、ゲームのイベントがあるからいけないとか言い出したんだよ? 酷くない?」
ち「うわぁ、女の子的にポイント低いですよ」
楓「そうだよね!! 埋め合わせに、私のイベントも手伝ってくださいよ」
ち「あ、楓も同じゲームやってるんだ!?」
椛「おお、お疲れ」
ち 楓「「……?」」
椛「ああ、いや、今のは梅白にあいさつしたんだよ」
ち「梅白……。あ、幽霊の人ですよね!!」
楓「幽霊!? 本当に幽霊が部員になったの!? 昨日は悪ふざけをしてるのかと思ってた!!」
椛「愛ならともかく、俺たちはそんな悪趣味なことしねぇよ」
楓「たまにしますけどね」
椛「ああ、そうか……。お前たちは梅白の姿が見えないんだな……」
ち「楓はともかく、私と霊音ちゃんがコミュニケーション取れないのは不便ですよね」
椛「お前が来たときに挨拶したらしいぞ」
ち「え、そうなの!? ごめんね、気づけなくて!!」
バン!!
ガッシャンガッシャン!!
楓「え、何!? 何の音ですか……!!」
ち「せ、先輩!?」
椛「いちおうこうやって音を出すことで返事ぐらいは出来るらしいが……」
ち「一刻も早く他の方法を考えましょう!!」
楓「これは返事じゃなくてホラー現象ですよね!!」
椛「おい、梅白が落ち込んじゃったじゃないか!!」
ち「あ、ごめんね!! 全然怖くないよ」
楓「う、うん!! だ、大丈夫だから気にしないで!!」
椛「ああ、ああ。確かにな。ハハハ」
楓「霊音ちゃん、なんて言ってます?」
椛「昨日の万と言い、リアクションが面白いから、この方法がいいって」
ち「霊音ちゃん、マジでやめて!! 夜中トイレに行けなくなっちゃう」
椛「それは梅白のせいじゃないだろ……」
幽「すみません!! 檜校長に呼ばれていて遅くなりました」
椛「おお、ちょうどよかった。この2人、梅白のことが見えないんだが、空木の力で何とかならないか?」
ち「あくまで霊を見る能力ですよね? 見せる能力ではないような……」
幽「小桜先輩の言う通りです。僕自身が霊に働きかけることは出来ますが、先輩方と霊を繋ぐことは出来ないんです。……分かってる。霊音は幽霊とは違うよね、うん、ちょっと静かにしてて」
楓「じゃあ……」
幽「ただ、霊音は特別だから、誰に自分の姿を見せるか自由自在だよね?」
霊「ええ、そうよ。超能力者には絶対姿を見られてしまうみたいだけど、普通の人が私を見えるかどうかは私の気分で変えられるわ」
椛「……じゃあ、なんで2人から隠れたんだ?」
ち「嫌われるようなことしたかな……?」
幽「違いますよ~。ただ、なんとなくそっちの方が面白いかなと思って」
楓「わぁ、どこかで聞いたようなセリフ……」
椛「今日はサボってるナルシストそっくりの性格してるな」
ち「なんていうか、鏡柳先輩が増えたみたいな……」
幽「霊音がご迷惑おかけしてすみません!!」




