【校長先生と白髪染め】
ち「あれ、校長先生だ。珍しいですね」
万「本当だ。落ち込んでるみたいですけど、どうかしましたか?」
檜「ああ、小菊くんに小桜さん。どうも……」
万「なにか悩み事ですか? 微力ながら手伝いますよ!!」
ち「そうですよ。いつも色々貰ってるんですから、何でも言ってください!!」
檜「では、正直に答えてもらっていいですか?」
万「……? ハイ?」
檜「私は、おじいちゃんに見えますか?」
ち「えーと、どういう意味ですか……」
檜「私、そんなに老けているように見えるでしょうか? 老人なんですかね!?」
ち「えっと、そ、そんなことないんじゃないですかね?」
万「そうですよ!! まだまだお若く見えるかと……」
檜「2人とも、私の年齢知ってますか?」
万「…………」
ち「…………」
檜「励ましは無用です。率直に答えてください」
ち「…………」(先輩、何とか言ってあげてくださいよ!!)チラッ
万「正直に言いますと、普通のおじいちゃんって感じですね」
檜「そうですよね……」
万「あ、いえ、全然、老けているという意味じゃなくて……!!」
ち「誰かに何か言われたんですか?」
檜「どの生徒なのかは分からなかったのですが、私をおじいちゃん先生と呼んでいるのを耳にしまして……。老人の自覚はあったのですが、はっきり言われるとなかなか応えますね……」
万「い、いやぁ。若さだけがすべてじゃないですし!! 貫禄があって素晴らしいと思い……」
檜「決めました!! 私、白髪染めをします」
万「ハイ!?」
ち「白髪染め……!?」
檜「今度、鏡柳くんにおすすめの美容室を聞いておきましょう。そこで、この白髪を全部黒に染めます。そうすれば、少しは若く見られるでしょう?」
ち(いいにくい……)
万(老人の黒染めは若作りをしているようで痛々しいとは……)
葵「あ、全視校長、やっと見つけました。先日の打ち合わせですが……」
檜「富士見さん、いいところに!! たしか冬休み中に美容室に出かけたんですよね? 私でも入りやすいような美容室を知りませんか?」
葵「校長の場合、理髪店では……? でも、どうして急に?」
檜「この白髪を染めようと考えてたんですよ。少しでもおじいちゃんっぽさを消して、生徒に親しみを持ってもらおうと思いましてね」
万「…………」(頼むぞ富士見!!)
ち「…………」(葵先輩、いい感じに止めてください!!)
葵「理髪店には詳しくないですけど……」(大丈夫だ。任せておけ)
葵「校長が黒染めをすると、若作りしているようで、逆に老人っぽさが出ると思います」
万「…………ッッ!?」
ち「えぇ……」
檜「逆に老人っぽさが出る……!?」
葵「はい」
檜「な、なるほど。ありのままでいた方が良いと……?」
葵「そうですね。あとは、中途半端に残した黒髪を白染めした方がすっきりすると思います」
万「めちゃくちゃ全部言うじゃん……」
ち「葵先輩がこの学校の生徒会長を続けられる理由がわかりました……」
次の日……
楓「でさ、朝からバタバタしちゃって……」
ち「そうやって、いつも岸先輩に探し物手伝ってもらうのやめたら? さすがに怒ると思うよ……」
檜「おはようございます」
楓「あ、校長先生、校門の前で立ってるね」
ち「ああ、挨拶強化月間とか言ってたね」
檜「おはようございます。小桜さん、友田さん」
楓「おはようございまーす」
ち「……おはようございます」
ち(すでに白染めしてる!? 手が早い……)




