サイドストーリー・バレンタイン
2人用台本
信人 :♂
幸恵 :♀
舞台:朝 教室にて、信人が鞄から教材を出していると幸恵が近づいて来て徐に声をかける
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幸恵「はい、これチョコ、あげる」
信人「唐突だな
ありがと、お昼にでも食べるよ」
幸恵「もう、分かってない!」
信人「…あ?何が?」
幸恵「今日はなんの日でしょーか?」
信人「記念日をいちいち作る系女子はちょっとなぁ…」
幸恵「そういうのじゃなくて!」
信人「どういうのだよ」
幸恵「カレンダー!」
信人「カレンダー…?」
幸恵「カレンダーに書いてある!」
信人「手元にカレンダーがないと落ち着かない系男子じゃないしなぁ」
幸恵「そこはスマホ使って!」
信人「あいあい」
幸恵「…ていうかなに、手元にカレンダーがないと落ち着かない系って」
信人「たまに居るじゃんか、そういう人」
幸恵「いやいや、居ないから」
信人「おっ、あった
えーっと質問は確かなんの日でしょーか…だっけか」
幸恵「そうそう」
信人「今日は…2月14日ってことは…でもなんの日かって聞いて14日と答えるのは…そうか!」
幸恵「おっ、やっと分かった?」
信人「あぁ、分かったぞ!金曜日だ!」
幸恵「ちっがーうっ!そうじゃない!」
信人「えぇっ⁉︎違うのか⁉︎」
幸恵「ちゃんとカレンダー見ろ!その目は飾りか!」
信人「ちゃんと見ろ…つまり小さい文字で書かれてるんだな?」
幸恵「そうそう」
信人「んー……あ、あった!
今日は先負だ!」
幸恵「先負……?
なにそれ、よく分かんないけど違う!」
信人「あー…その上にさ」
幸恵「うん」
信人「バレンタインってあるんだけど…それか?」
幸恵「やっと気付いたか!
どんだけ曜日感覚無いの信人は!」
信人「ごめんごめん」
幸恵「折角、彼女がチョコを作って……」
信人「作って……?」
幸恵「……は、無いけど…」
信人「作ってないんかーい」
幸恵「あ、そのツッコミはデリカシー無い!」
信人「俺のために用意してくれたんだろ?
それだけで嬉しいって」
幸恵「…もう、調子の良いこと言っちゃって」
信人「俺は鈍感系じゃないからな」
幸恵「…バレンタイン忘れてたじゃん」
信人「やっぱり今食べちゃおうかな」
幸恵「あ、待って!
やっぱりそれ返して!」
信人「は?」
幸恵「いいからっ!」
信人「あー…俺のチョコがぁ…」
幸恵「やっぱり帰って作る!
渡すの夜になっちゃうけどいいよね?」
信人「いや、そんな急がなくてもいいって」
幸恵「なんで!手作りは折角なんだからバレンタインデーのうちがいいじゃん!」
信人「気持ちは充分に伝わったし
それにさ」
幸恵「…それに?」
信人「こんなに嬉しいことはやっぱり明後日にした方がいいって」
幸恵「なんで明後日?」
信人「明後日は大安どんな万事も上手くいく日
俺たちの今後も上手くいくようにな」
幸恵「信人!」
信人「俺、六曜を信じる系男子だから」
幸恵「なにそれ」(笑いながら)
信人「よーし、幸恵のためにも勉強頑張るぞー!」
幸恵「単純なんだから
(間)
すっごいの作るから期待して待ってなさい!」
信人「おう!
すんげぇ旨いの、期待してるぜ!」