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少女の思い5
病院で治療を受け、警察に話を聞かれた後にプロデューサーやグループの皆が駆けつけてくれた。
あれだけ迷惑をかけたのに、気にせず一緒にがんばろうと励ましてくれた。
だけど、やっぱり誰かが責任を取らなくてはならない。
批判的だったメディアは今回の件で態度を一変させた、絶望からの再起を望んでいるのかもしれないが私は悲劇のヒロインを演じるつもりはない。
ふと彼の顔が浮かぶ。
危険を顧みず私を助けに来てくれた――何だか胸がどきどきする。
――そうか、そうなんだね。
ごめん氷ちゃん。氷ちゃんの笑顔も大切だけど私は――
私は事務所の皆に今の気持ちを話した。