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人出品子は念う

最終話のタイトルは『眠りの後に』

 ゆっくりと自分の方へと倒れこんでくるつぐみを品子はそっと支える。


 ――しばらくこのままでいよう。


 何となしにそう思い、彼女をソファーへと再びそっと座らせる。

 そうして自分も隣に座ると、彼女の頭を自らの肩にそっと乗せた。

 隣から、静かな寝息が聞こえる。

 静かな海の波打ち際にいるような、優しいリズム。

 それは寄せては返し、さらりと品子の心を撫でていく。

 これはたくさんのことを教えてくれた、この子の優しい命のリズム。

 それを聞きながら、品子の口からこぼれてしまう言葉は。


「なんかさぁ、……疲れちゃったな」


 こぼれ落ちていく弱音を品子は止められない。


「ごめんね。君は一人でこんなに頑張ったというのに」


 でも今だけは。

 誰も聞いていない今だけはと品子は願う。

 誰に言うでもなく、再び呟く。


「疲れたよ」


 膝を抱え腕に頭を乗せ、品子はうつむく。

 静かに、穏やかな顔で眠るこの子の傍にもう少しだけ……。

 あと少しだけ、そうしたらきちんと動き出すから。


 ――だからお願い。

 どうかもう少しだけの間、君の隣に居させて。

 代わりに私はこれからずっと。

 君への咎をすべて受け入れるから。

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