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第9話 10周目。新たな女神登場

10周目と言いつつ、今回はケンタローは飛びません。

そして、新キャラ登場です。


令和2年1月10日

サブタイトル付け忘れていたので付けました。

-不遇な親友リカ視点-


せっかくメルが受け止めてくれたと思ったら跳ね返されるなんて。


メルったら胸にかける強化(バフ)を間違えたんじゃないかしら?


今はケンタローさんに伝えたくない独り言だから、上半身を密着させないように手だけでケンタローさんに捕まっているのよ。


でも、そろそろヘルプさんも加えて相談しないといけないわね。


け、決してケンタローさんに抱きつきたいとかじゃないんだから。


ううん、もう素直になるわ。


ケンタローさんに抱きつきたいのよ。


だって、そうでもしてないと不安だもの。


ぎゅ…ぼよんっ!


「きゃあああああっ!」


どうして?

どうして、私が抱きつきかけたとたんに、ケンタローさんから吹き飛ばされるの!



「いや!助けて!」


薄暗い空間の中、独りで飛んでいく私。


「いや!いや!私を独りにしないで!ケンタローさん!助けて!」


ひゅん


私の右手に糸が飛んできて巻き付く。


これはっケンタローさんの釣糸!


私はぐいっとひっぱられて、ケンタローさんの方へ引っ張られる。


「ケンタローさん!」


私はケンタローさんに抱きつこうとしたけど、糸を操つられて向きを変えられ、後ろ向きに受け止められる。


「大丈夫か?」

「はい」

『今のは恐らくさっきメルが使ったのと同じスキルやな』




あの時メルに受け止められるはずなのに跳ね返されたのは、『反射胸(バルタン)』というスキルのせいみたい。


そして、結魂(ソウルコネクト)によって、私にもそのスキルが身に付いたのね。


それでケンタローさんに抱きつこうとしたら胸で反射して私が撥ね飛ばされたと。


『いや、飛ばされたのはケンタローのほうや。この何もあらへん空間では分かりにくいやろうが、そのスキルは相手を跳ね返すチートスキルやからな』

「どっちでも同じじゃないのか?」

『大違いや。何しろこれでケンタローがこの空間の中で動く手段を手に入れたんやからな』



-勇者メル視点-


ドラゴンはその強靭な尾を私に叩きつけてきた。


その攻撃を私は無防備なまま体で受け止める。


ぼよよーん!


ドラゴンの尾は私の胸に跳ね返され、さらに勢い余ってドラゴンは吹き飛んでいく。


何倍もの威力で跳ね返すスキル『反射胸(バルタン)』。


こんな強力なスキルがいきなり身に付くはずがない。


これは明らかに転生時や転移時に女神からもらうチートスキル。


つまり女神が私の邪魔をしたのね。


恐らくここにケンタロー王子様を送り込んでくれる女神の仕業。


最初は私を助けるためだと思ったけど、ケンタロー王子様をいたぶっているようにしか思えない。


その女神は敵だわ。


『それであってるわ。ケンタローさんは、無理やりやらされているの』


リカ!


やっぱりそうなのね!

女神が悪いのね!

私の助けがいるのね!

ケンタロー王子様は私の事を愛しているのね!


『さ…以外は合ってるけど』


さ?

3番目以外は合ってる?

(※最後以外です)


じゃあ、自力で何とかしたいってこと?!


私のために?!


ああ、ケンタロー王子様!


でも、私はもう待ちません。


にっくき女神を打ち倒し、あなたを救ってみせます!


それに、この呪い(チートスキル)を解いてもらわないと、ケンタロー王子様に胸を触ってもらうこともできないもの。


じゃなくて、抱き合うこともできないってことよ。


だから私は望んだ神に会えると言われている『天導山』に登るわ!


リカ!ケンタロー王子様をいじめている女神の名前を教えて!


『めが…じゅら…』


よく聞こえないわ!


『女神の名前はじゅらい()


わかったわ!


女神『ジュライネ』ね!


高位の戦いの女神だわ!


でも高位の神でも、私の敵じゃない。


だって私は勇者だもの!



-主人公ケンタロー視点-


結魂(ソウルコネクト)でメルから聞かれています。こんなことをしている女神は誰って」

「女神の名前までは知らないな」


俺は『反射胸(バルタン)』でリカから離れないように、釣りスキルで作ったロープで二人の腰を固定しながら考える。


『名前ならわかるぞ』

「さすがヘルプさん!」

「頼れる女の子です!」

『お、女の子って言うな!大人の女やで!』


でも、ヘルプさんの声って女性の声どころか、小さな女の子の声に聞こえるんだよな。


最初は男性の声で、次に女性の声になって、今は幼い感じの女の子の声になってる。


どういう事だろう?


とりあえずこれからは『ヘルプちゃん(・・・)』って呼ぼう。


『ともかくや、女神の名前を知りたかったらリカの胸を見てみい』

「わ、わ、わかりました!ケンタローさんのためなら脱ぎます!」

「待て!やめろ!ヘルプちゃん!どういうことなんだ?」

『何でわたしにちゃん付けなんや!』

「ぬ、脱ぎました!ケンタローさん、み、み、見てください。私はメルみたいに大きくないし綺麗じゃないですけど」

「い、いや、リカは十分綺麗だよ」

「そう?嬉しいです」

『ラブコメすんな!話をきちんと聞け!見るのはその体操服や。胸の所に名前が付いとるやろ!』


本当だ。


『じゅらいね』


「『じゅらいね』ね!さっそくメルに伝えるわ!」

「服も早く着てくれよ」


背中しか見えなくても十分刺激的なんだから。



-女神ジュライヌ視点-


トゥルル、トゥルル


あら?

誰かから通信が入っているわ。

もしかして、私の動画のファンかしら?


『あなたがジュライヌね!』

「なによいきなり!もしかして、今人気の動画のうp主である私と話せて興奮してる?」

『興奮したくもなるわよ!』


こんな熱烈なファンが居るなんて!


でも、どうやって私の連絡先を知ったのかしら?


もしかして、高位の神?!

私ってそんなすごいファンがいるの?!


『私の名前はジュライネ。この名前に覚えはない?』


ジュライネ?

私と似ているわね。


あっ!


戦の女神の中でもトップクラスの強さを誇る高位女神ジュライネ!


何よそれ、私みたいな女神とは格が違うじゃないの。


「知ってますわ!そんなすごい女神が私のファンなんて思わなかったわ!」

「ファン?何寝ぼけているの?じゃあ、これを見なさい」


ピピッ


送られてきたのは動画ファイル。


こ、これは私が体操服を脱がされた時の!


これを見て興奮してたって、まさかこの女神は女性好き?


そ、そ、それは困るわ。

私、そんな趣味はないもの。

ノーマルですからっ!


「いくら高位の女神でも、私を自由にする権限は無いはずよ!」

『そんな挑発をしておいて、よくも言えたわね』


挑発をしたんじゃなくて、脱がされたのよ!


駄目だわ。

このままストーキングされて、私は純潔を奪われてしまうのね。


「で、でも他の神のエリアには高位の女神でも入れないはずよ!」

『今のところはそうね。でも、絶対諦めないわ!待っていなさい!』


通信が切られたわ。


こ、こ、怖いわ。


どうやっても私をモノにする気ね!


人気神チューバーの宿命なのね!


早く動画の順位を上げて、私も高位の神にならないと!



-戦の女神ジュライネ視点-


初め聞いたときは驚いたわ。


「ジュライネ!あなた、神Tubeで裸になったでしょう?」


友神(ゆうじん)からそう言って送られてきた動画には、私と似ても似つかない女神が映っていた。


女神らしからぬ卑猥な服の胸の部分には『じゅらいね』と書いてある。


どうして私の名前が?


そう思った次の瞬間、その女神は全裸になった。


何よこれ!


つまり、私を全裸にして辱しめたいと言うことなのね!


すぐに削除依頼を出そうと思ったけど、神Tubeなんて低俗なもの見ないもの。


あんなの低位の神々が楽しむものだわ。


それなのにその動画のトップになると私と同じ高位女神になれるとか。


命を懸けて戦い続けて高位の女神になった私と、神チューバーとかを同列にしないでほしいわ!


とりあえず高位女神の立場をこんな形で使いたくなかったけど、動画を上げた相手の連絡先は調べられたわ。


それなのに、何が『私のファンなんて思わなかったわ』ですって!


ファンなわけないわよ!


絶対に許さないわ!


とりあえず動画の削除方法を友神に聞いて、あとはどうすれば痛い目を見せられるか調べないと。


ああ、調べるのとかあんまり性に合わないのよね。


会うことができれば一撃でカタがつくのに。


ピンポーン


え?

来客?


これ、下界にある天導山を登ってきた人間からの呼び出しだわ。


何の用件かしら?

魔王を倒す力を貸してほしいとかかしら?


とりあえず、天導山の頂上の神殿に私の分身を顕現させて話を聞きましょう。


今はそういう気分じゃないけど、神々のルールだから仕方ないわ。



「良く来た。お前の望みは何か?」

「あんたをぶちのめして、ケンタロー王子様を解放してもらうことよ!」


は?

何の事?


ケンタロー王子様って誰?


それ以前に私をぶちのめす?


この高位の戦の女神ジュライネを?


ふふっ。


面白いわ。


こういうストレートな挑戦は嫌いじゃないわ。


「いいわ、かかっていらっしゃい。分身とはいえ、人間ごときに負けないわよ!」


でも油断はしない!


私にはわかる。

相手は勇者。

それもかなりの実力者。


何かの勘違いで来ていると思うけど、戦って倒してからゆっくり話を聞かせてもらうわ!



-勇者メル視点-


こいつが女神ジュライネね。


神なのに女戦士的な服装だわ。


戦乙女(ヴァルキュリア)みたいなのを想像していたのに。


でも、やっぱり神様って美人なのね。


あっ、でも胸の大きさは勝っているかも。


胸囲は同じくらいでもカップ数は圧勝のはずよね。

筋肉質っぽいもの。


そんなのケンタロー王子様にふさわしくなんか無いんだから!


「さあ、かかってこい」

「行くわよ!」


ケンタロー王子様のことをどれだけ好きか知らないけど、戦って倒してからゆっくり話を聞かせてもらうわ!

お読みいただきありがとうございました。

ブックマークとか感想とかいただけるととっても嬉しいです(^ー^)♪

次回は1月11日土曜日18時更新です。

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