第14話 ☆ツンデレも突き通せばただのドS
「ふっふーん♪」
上機嫌で私は学校の校庭で召喚をしています。
へへ、盗賊を退治したことで私は今回このエモリーシス王国の女王さまに表彰される事になったのです!!
凄いんです! ヤマガタは変態だけど凄いんです!
「色々と納得出来ないけど……仕方ないわね」
召喚している私の隣で溜息をついているのは私のお姉さん、サバサ・フリューミルです。
「じゃあ召喚するね!」
「はいはい……なんで私が引率係なのよ」
ブツブツ愚痴垂れてるお姉さんですが、妹の為なら命でも掛けてくれるシスコンなのを私は知っています!
だから大好き!!
「ふふ、出でよヤマガタ……サモン!」
ついでに気づいた方もいらっしゃるでしょうか?
私がドングリ山で召喚をしていない事に!
そう! あの盗賊事件の解決により私はまだまだ制限はあるものの召喚を許されたのです!
ぐへへ、これで定期的に高い高いを補充出来る。
そんなことを考えていたら召喚陣からお目当の人間が出てきました。
……血を吐きながら。
……。
…………。
予想外デース。
「グハッ! 俺は……もう……駄目だ」
ヤマガタは天に召されました。
ナームー。
……。
……………。
「……ヒール」
復活しました。
「………」
「ヤマガタおはよう」
「……おはようございます」
「調子は?」
「……ちょっと熱があるみた「ヒール」」
「……………」
「どう?」
「………大変よろしゅうございます」
そうですか、良かったです!
さぁ、時間がありません! さっさと王都へ向かわなければ!
「じゃあ、この服に着替えてヤマガタ!」
「え? なにこのゴテゴテな服……」
「ふふーん、私のお父さんの着てる服です! 勝手に拝借しました!」
「おいい!! それ不味いんじゃないの!?」
「大丈夫だよねお姉ちゃん?」
「あのハゲ狸の服なんて全部焼却処分しても良いくらいだわ」
「だと言うことです!!」
「お父さーーん!! 娘さんとちゃんとコミュニケーションとってえええ!!」
本当に時間がないのです! 急がなきゃ!
「ここで立ち止まっている時間もないのです! 馬車に乗りながら着替えましょう!」
「え? え、いや俺まだ行くと決めたわけ……」
「スリープ」
「え! お姉ちゃんなにを!」
お姉ちゃんが催眠魔法「スリープ」を勇者にかけました。
「うっとおしいから、これで問題ないでしょ?」
問題しかないですお姉ちゃん……。
てか、勇者にスリープ効くんですね。
耐性ゼロかよ。
「じゃあ向こうに馬車用意してあるから行くわよ」
「待ってお姉ちゃん!」
「なに?」
「ヤマガタ運んでって」
「はぁ?」
「お姉ちゃんが眠らせたんだからお姉ちゃんが運ぶ!」
「いやよ、なんで私が変態を運ぶのよ」
「じゃあ小学生3年生の妹に運ばせるの?」
「うっ………」
「………」
「……さっさと起きろ変態野郎!!」
サバサお姉ちゃんは、ヤマガタの腹部に向けて正拳突きを放った。
……流石にそれはヤマガタ可哀想です。
「ゔぇ!! なんだ!? 敵襲か!?」
案の定目覚めたヤマガタは混乱してるみたいです
「なに寝てんの? さっさと馬車乗って貰えないかしら」
……お姉ちゃん、意地でも謝らないんですね。
ヤマガタに同情してしまいます。
「え? 分かった」
頭が混乱してるのかあっさり承諾しましたね……。
「ほんと、早くしてよノロマ」
「あっはい、すいません」
悪逆非道な仕打ちをする姉を見て私は思った。
すいません神さま。
………ここに魔王がいます。
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「なあ、俺たちどこに向かってるんだ?」
馬車内でヤマガタから質問されました。
ちなみに服の着方、表と裏間違えてますが敢えて突っ込みません。
注意しようとしたら笑いを我慢している姉に止められました。
お姉ちゃん楽しそう……。
「あのー、聞いてる?」
あ、聞いてませんでした。
「えっと、すいません『なあ』までしか聞き取れませんでした」
「ほぼ聞いてねぇなあ!?」
ありゃ、いけないいけない。
「テヘッ☆」
「イラッ☆」
「キモッ……」
お姉ちゃんだけ、二文字の圧力が強すぎます。
……確かに気持ち悪かったですけど。
「キモクナーイ」
あ、今の発言はキモいです。
まごう事無きキモさです。
キモさ還元100%です。
「……キモクナーイ?」
ちょっと自信なさげに二回目の発言ありがとうございます。
キモさ一等賞です。
この空気どうしてくれるんでしょうか。
責任取って欲しいですね。
顔色伺ってキョロキョロしないでください。
あなたの発言でこの馬車内はエターナルブリザードが吹き荒れていますので。
第一に「キモい」に対して「キモクナーイ」は安直すぎませんか?
それ「死ね!」に対して「生きる!」って発言している、その『ドヤ顔してる顔殴りてえな現象』を引き起こしている事に気付いてます?
はいはい、こうして考えている内にもキョロキョロ度上がりましたね。
例えヤマザキの首振りが速すぎてストロボ現象を起こしたとしてもこの空気変わんないんで。
南極の永久凍土並みの寒冷地到来してるんで。
もう溶かすには太陽磁場を発生させてフレア級の爆笑が必要なの。
因みに永久凍土の英語はエターナルブリザードではなくパーマフロストって言うから、まぁカッコイイから使いますけどね!!
「ねえ………」
あ、お姉ちゃんが何か言うみたいです。
良かったですねヤマガタ、第三者の介入により雪が溶け始めました。
「どうしたのお姉ちゃん?」
「いや、どうもこうも」
なんでしょう?
「馬車動いてないんだけど……」
「…………」
「…………」
また違う意味でみんな凍った。
「御者雇うの忘れてたあああ!!!!」
犯人は私でした。




