えぴろーぐ
世界は平和を取り戻し、何事もないように毎日が過ぎていった。
暗黒の時代は防いだのだが、またいつどこで何がおこるかわからない状況下にあった。……
「剣…次はどこに行く?」
エルシフはさらに10年の刻を重ね、立派な大人になっていた。
「次か?次は英雄ガロウスだ。」
あてもなく、ただ悪者退治をしているエルシフと皆殺しの剣。
あの決戦の後家を出ていき、今はとある国の森の中だ。
「しかしクソ暑いなぁ…むっ!」
森の中に十数人の影。
「魔王拳!!広破壊!!」
地が崩れ落ち、影は消え去った。
「お前相変わらず豪快だなぁ…ちゃんと敵の姿ぐらいみてやれよ。」
「別に見たくもない。」エルシフも魔王デミウルゴスから教わった魔王拳をマスターし、もはや伝説の使い手とまで称されている。
「おい!あれじゃないか?英雄ガロウス!」
そこには30年代後半の髭男が座り、水を飲んでいた。
「英雄ガロウス!俺と勝負だ!」
エルシフの言葉にガロウスは
「あんたもしかしてエルシフって奴か?」
「そうだが。なんだ?」
ガロウスは歓喜に満ちた表情でこう言った。
「ついこの間お前の親父を名乗る男に会ってな、エルシフに会ったらすまないと伝えてくれと言われたんだ。よかったなぁ!」
え?親父?エルシフの首は90°傾げた。死んだはずの親父が生きてる?そんなバカな。……その時!はっと目が覚めた。
どうやら悪い夢にうなされていたらしい。頭がクラクラする。
「夢か…何だったんだ…」
ホッペをつねるが痛いのだ。今までの事は夢ではなくなるはずだ。エルシフがベットの横の静かな妖気を放つ皆殺しの剣を見たならば…