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伯爵令嬢アンマリアのダイエット大作戦  作者: 未羊
第七章 3年目前半

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第371話 目的地は北部

 夏休みに入り、早速作戦決行のために、私とエスカが一足先にベジタリウス王国へと跳ぶ。ただ、この長距離転移はものすごく疲れるのよね。

「瞬間移動魔法って疲れるんですね」

 部屋で待機していたメチルがぐってりとしている私たちに声を掛けていた。

「普通ならここまで疲れることはないんですけれどね」

「やっぱり魔族との決戦があるとなると、緊張感が違うわ」

 私とエスカは、こっそりと作っておいたレモネに蜂蜜を混ぜた飲み物を飲んでいる。蜂蜜レモンは定番よね。

「お疲れ様です、アンマリア様」

「エスカ王女殿下、ありがとうございます」

 私たちと一緒にやって来たのはサキとサクラの二人だった。

 少数精鋭である。

 サキは聖女であり、サクラは魔石剣を使いこなしている。まだ15歳の私たちだけど、戦力的には十分でしょう。エスカは14歳だけど問題ないわね。

「私もいますし、みなさんを死なせはしませんよ。これでも聖女まがいなんですからね」

 メチルも気合いが入っているようだ。

 私たちは十分な休憩を取ると、ベジタリウス国王と王妃と謁見をする事となった。


 謁見とはいっても、対魔族の作戦会議を行うために会議室に集まる。

 部屋にやって来た私たちの周りには、いかにもないかつい騎士たちが数名立ち会っている。そんな面々が揃うために、会議室内はなんともいえない物々しい雰囲気に包まれている。

 ひとまず、会議に参加する面々が全員揃ったところで、国王からの声が発せられる。

「諸君、忙しい中よく集まってくれた。これから、対魔族の作戦会議を始める」

 この宣言で、会議室内の空気がピンと張りつめた。

 室内に居るのはベジタリウス国王、王妃、ベジタリウス王国騎士団の隊長と部隊長数名。それとサーロイン王国から駆けつけた私とサキ、サクラ、それと私と同じ転生者であるエスカとメチルだった。

 本来、私たち子どもは場違いではあるのだけど、国王や王妃からいろいろ聞かされているらしく、騎士団の人たちは私たちの存在に何も言わなかった。

 ごちゃごちゃ難癖つけられないで済むのは楽で助かるわ。

 そんなわけで、会議が始まる。

 作戦の内容としては、私たちと精鋭だけが集まって、少数でテリアの潜む場所へと向かうというものだ。大規模な人数では早めに気付かれて対策を立てられてしまうからだ。

 向かうのは私たち四人とメチル、それと騎士団の実力者数名。

 テリアとその魔力に操られている人たちは、柑橘魔石でどうにか沈黙をさせる。

 問題は操られていない人たち。柑橘魔石による弱体化が狙えないので、実に厄介な相手なのだ。

 メチルの話では、男性は虜にして操り、女性は家畜のように扱う。それが誘惑の魔族テリアの性格なのだそうだ。性格の悪いサキュバスみたいなやつという事ね。

 そんな状況ゆえに、精神的に追い詰められた女性を無力化できるかというのが、ひとつ鍵になりそうなのである。

「ミズーナたちは今馬車に乗ってこっちに向かってはいますけれど、おそらくは今回の作戦においてはあてになりません。つまり、私たちだけでどうにかしなければならないという事ですね」

「ううむ……」

 エスカがそう告げると、国王はどうしたものかと唸っているようだった。

 そんな中、私はメチルへと視線を向ける。それに対して、メチルは思ったよりも驚いてしまったようだった。

「とりあえず、地図上でテリアの潜伏場所の確認をさせてもらってもよろしいでしょうか」

「うん? ああ、そうだな。騎士団長、いいかな?」

「はっ、承知致しました」

 国王の呼び掛けに、騎士団長が反応する。そして、部下が持っていた地図を受け取ると、机の上にベジタリウス王国の地図を広げる。

「ここが現在地であるイサヤ。魔族テリアが潜んでいるのはこの辺り、北部地域のオニーンだ」

「オニーン?」

 騎士団長が説明していると、メチルが強く反応を示す。

 それもそうだろう。精霊王に示された場所こそ、今回の作戦決行の地であるオニーンなのである。

 ただ、このオニーンは、魔王が封印されている地域からもほど近い場所だ。下手に時間を掛けようものなら最強の魔族であるサンカリーを呼び寄せかねない。

 できる限り短時間で決着させる必要があるのである。

 そんなこんなで、いろいろと作戦の打ち合わせが行われる。

 作戦の肝は、いかに素早く気付かれずにテリアを討伐するかという事だ。そこを重点的に詰めていった。

 そして、作戦が決定すると、早速翌日から決行される事となった。

 ただ、作戦というには内容は乏しいのだけど、そもそも少数精鋭であるので面倒な作戦は要らないものね。

 その日はゆっくりと休んだ私たちは、翌日、王家の用意した質素な馬車でオニーンへと向かう事になった。飾り気がないが、これでも王族の乗る馬車と同じ構造の、とても乗り心地のいい馬車なのである。

 本来なら馬を駆って一気に進みたいところなんだろうけど、なにせ乗馬経験のないものがこんなに居ては同乗させても厳しいだろうという判断が下ったのよ。

 しょっぱなから問題点が出てしまったものの、テリア討伐作戦は無事に開始となったのだった。

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