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S3-21 新しい家族。

観測者

[灯ちゃん。明るくていい子ですよね。]

[Season1・2の直樹視点が灯ちゃんになった感じです。]

Guiar

【あの…。】

【30秒で施錠されるんですが。】


大地

[灯さん。]

[こんな息子だけどよろしく頼むよ。]


直樹

「離さない…」


揺れる瞳、

見つめ合う。


大地

[お前…さっさと俺の部屋から出ろ。]


Guiar

【また、施錠はもう勘弁してくれません?】


直樹

《いい雰囲気なのにぶち壊すなよ》


Guiar

【それどころじゃないでしょう!】


大地

[カルディに報告しといたから。]

[舌噛むなよ。]


Guiar

【少将逃げないでくだ……切れた。】


――シュゥー


カルディ

「もう、逃さない!」

「………」

「……」


大きなため息。


カルディ

「若いっていいわね…」


Guiar

【我々には羨ましい光景です。】


カルディ

「Guiar。肉体欲しい?」


Guiar

【私は欲しいに1票。】

【あの…こいつら長くない?】


カルディ

「直樹くーん」

「やめて頂戴ね…そこで…」


大地

[直樹!!いい加減にしろ!!]


カルディ

「あーもう!」


鉄パイプが掌に現れた。


パイプを、

扉に突っ張らせる。

施錠されないことを確認。


カルディは、

拳を鳴らした。


足音響かせ、

直樹へ近づいた。


カルディ

「いい加減にしろよ!!」


ドスの利いた、

おっさんボイス。


直樹の、

首根っこ掴んだ。


カルディ

「離れろ!この変態!!」


脇腹へ、

蹴りをお見舞い。


直樹

「いっあ゙あ゙っ!!」


灯を、

直樹から引き剥がした。


咳払い。


カルディ

「行きますわよ」


灯へ、

微笑む。


「あっはい!」


ゆっくり、

立ち上がった。

カルディに支えられた。


カルディ

「悶絶してないで、さっさと来い!!」


Guiar

【自業自得。】


無言で、

立ち上がる直樹。


大地

[カルディ。負担かけて申し訳ない。頼んだぞ。]


カルディ

「任せられました!」


雰囲気が一変。


カルディ

「てことで…」

「容赦しねーからな?」


相変わらず、

ズ太い声。


直樹は、

視線を合わせられない。


直樹

「はい…」


カルディを、

怒らせると、

恐ろしいと思い知った。



-



通路。

歩く3人。


おネエさんを、

挟んで反対側に直樹。


何故か、

半場引きずられてる。


「あの。どこ行くんですか?」


首を傾げる。


カルディ

「仕事場よ」


「この先に…」


仕事って何してるんだろう。

魔法使えるんだもんね。

きっと…。


ワクワクした。


灯は、

カルディを見つめる。


「おネエさん」


カルディ

「なあに?」


機嫌が良さそうだ。


「直樹さんと、どういう関係ですか?」


カルディ

「仕事の上司よ」


「おネエさん、すごく強いですね」

「ビックリしちゃいました」


カルディは、

立ち止まる。


灯に、

振り向いた。


カルディ

「忘れて頂戴」


小さく微笑み、

首を傾げてきた。


灯は不思議そうに、

小首を傾げた。


小さく頷いた。


カルディ

「いい子ね」


直樹

「騙されるな」

「……」

「イテテテ!!」


握り捻られたのか叫んでる。


……へへっ。

おネエさんを怒らせないようにしよう。


小さく、

ぎこちなく微笑んだ。


カルディ

「行きましょう」


スキャナーへ手をかざした。


扉が開く。


――シュゥー


「やっと捕らえたか」

「カルディ。ご苦労」


「誰だね、その()は」


カルディは、

握っていた腕を前へ振り上げる。


直樹は床に投げ出された。


カルディ

副将(こいつ)のガールフレンドです」


「侵入を許したのか」


まるで、

調停にかけられた様な風景。


灯は、

息を呑んだ。


周囲を見渡す。


漫画やアニメで見たことあるような…。

本当にあるんだ…すごい…。


ワクワクが止まらず。

目が輝く。


一人の紳士が、

ゆっくり近づいてきた。


似てる。

若い頃のお祖父ちゃんに。


見惚れてしまった。


「ん?」

「あれ?おーい」


紳士は、

灯の視界に、

掌をちらつかせた。


「あ!」

「ごっごめんなさい!」


紳士

「気がついた?」


「あの。何でしょうか」


南戸

「私は南戸と申します。キミは?」


「南戸さん……。私は!藤田 灯と申します!」


頬が熱くなった。


天国のお祖父ちゃん。

ヤバい格好いいです。


おじーちゃーん!!


心の中で、

思わず、

天に向けて叫んでしまった。


南戸

「どこから来たの?」


「東山小学校の避難所です!」


南戸

「そうか」

頷く。

「ご両親は?」


「いません!」


南戸

「え?ご親戚は?」


「いないですね!」


南戸

「兄妹は?」


「い…いないですよ…」


雫が落ちた。


直樹は、

咄嗟に動こうとした。

だが、

押さえ付けられ動けない。


次々と、

周囲から言葉が漏れる。


「孤児?」

「今どき孤児ねぇ」


「被災者だろ」


直樹

「心無いこと言うな!!」


静かになった。


灯の小さな、

泣き声だけが響いた。


直樹

「灯。ごめんな」


「直樹くん関係ないもん…」


膝を抱えて、

座り込んでしまった。


おばあちゃん…。

独り怖いよ…。


私…。

これから…。

どうやって生きていけばいいの?


家もない。

お金もない。

服も、家族も、誰も…。


おばあちゃんの葬儀どうしよう。


ふわっと包まれた。

温もりを感じる。


「大丈夫」

「僕がここにいるから」


「…直樹くん?」


顔を上げた。


目の前に、

優しい表情。


直樹

「僕が灯の家族になる。だから泣くな」


…え。

息が止まった。


え?…ええ!?


瞳が、

見開かれる。


全身から変な汗が…。

熱い!

顔が、体が、熱い。


言葉が詰まる。

音が遠ざかる。


小さく声が漏れる。


「…はい」


強く、

抱き寄せられた。


ピュ〜ゥ


「そこお熱いぞ!」

「仕事しろー!」

「そうだ、仕事できない奴が女持つな!」


野次が飛んでくる。


直樹

「仕事に戻るね…」


耳元で囁いた。


頷いた。


胸の奥が、

熱く締め付けられた。


おじいちゃん。おばあちゃん。

お父さん。お母さん。


いま、私に…。

素敵な…“家族”ができました。



-



あれから、どれくらいの時間が経ったのだろう。

私は、ふわふわのパンケーキの上にいました。

違う。違う。

ずっと、直樹くんの傍にいました。


ああ…パンケーキ食べたい…。


司令室って、

思っていたのと違うの。


アニメで見たあの活気ある感じじゃなくて。

黙々と、どこか遠くを見つめてるの。


でもね、

みんな真剣な眼差しで、ため息ばかりなんだよ。


面白いね。


おネエさんの名前、カルディって言うんだって。

コーヒーの香りがしてきそうな響き、ふふっ。


カルディ、すごく優しいんだ。

頼れるおネエさんって感じ。

あーあ、お姉ちゃん欲しかったなぁ。


何してるんだろう。

お仕事としか教えてくれないんだよね。


私に手伝えることがあればなぁ。

聞いてみようかな?


「カルディさん」


振り向いてくれた。


カルディ

「ん?どうしたの?」


「私にお手伝いできることありますか?」

「やっぱ邪魔ですか?」


カルディは、

きょとんとしている。


カルディ

「邪魔なんて思っていないわよ」

「直樹くんを見張ることが灯ちゃんのお仕事よ」


「えー。何それ!」


笑って誤魔化した。


やだもー!

恥ずかしいよ…。


「他にないですか?」


カルディ

「ごめんなさいね。ここではないわ」


「お茶とか」


カルディ

「それも、要らないのよ」


「でも、あるだけ違うんじゃ」


ため息された。


カルディ

「あのね。この部屋には水や食料はないの」


「じゃあ、どうやって補給してるんですか?」


カルディは、

黙り込んでしまった。


カルディ

「手貸して」


「え?」


右手を、

差し出した。


紅茶の、

ペットボトルが現れた。

手に触れる。


触れるの?

!!


「もしかして、ずっと私に渡してくれていた飲み物や食べ物って…」


頷かれた。


「魔法だったのですか!!」


憧れの瞳。


カルディが拍子抜けした。

周囲が吹き出す。


咳払いが聞こえてきた。


「お嬢ちゃん、頼むよ。笑わせないでくれないか?」


注意されてしまった。


「ごめんなさい」


頭を下げた。


カルディ

「灯ちゃん。私たちの癒し担当ってことで。ここにいて」


「はい!」


緊張感のある司令室。

灯の元気な返事が張り詰めた空気を和ませた。


Next time

――休憩時間。

観測者

[サブタイトル回収しちゃいました。]

[次回、Season4に入ります。]

S3-21は7月26日時点の作品です。


[追伸:この物語は、フィクションです。(記入 令和8年7月28日)]

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