wW-71 Debris
……。
皆さんのご想像に、おまかせします。
にしても、
アツイですね…。
ズレ落ちる。
真彩
「ん…」
《…》
ゆっくり
視界が開かれる。
温い。
前髪を撫でる。
息。
肩に手。
腰を支えられ。
護る様に、
包まれていた。
静かに、
覗き見る。
真彩
《…》
《そんな顔するんだ》
いま、
ここで、
動いたら…。
きっと。
Dovira【旦那様を越えるものはないと思いますっ!】
真彩
《…》
Naparnik【…バカ。】
真彩
《ドヴィラのバカ…》
Dovira【え…。】
頬が、
熱くなった。
体までもが、
熱くなる。
詰まる。
呼吸は浅い。
真彩
《…んぅぅ…》
俯く。
《起こすのもな…》
視線を、
ラファルサへ。
真彩
《近い》
《近いんだって…》
そっと、
彼の頬へ、
手を添えた。
真彩
《温かいな》
顔を、
埋めた。
髪が、
鼻先をくすぐる。
ラファルサ
《…ぁ》
視線を落とす。
胸元に、
埋まる真彩。
そっと、
抱き寄せた。
視線が、
重なった。
言葉が、
でてこなかった。
心拍が、
秒針より、
速い。
…熱い。
真彩
「おはよう」
視線を外した。
ラファルサ
「…っ…!」
視線を、
横目で返した。
ラファルサ
《…》
「…おはよう」
Dovira【先輩…。】
Naparnik【…。】
Dovira【先輩ってば。】
Naparnik【黙れ。】
肩を、
すくめる。
ゆっくり、
抱き寄せた。
真彩
「離せよ」
頬が赤い。
---
---
――Stop.
That was…
Do I really have the right to look ahead?
I want to know what happened.
【Would you like to skip the log?】
Oh, please.
――Play.
---
---
そこは、
夕方の、
表参道だった。
ビルの屋上。
真彩
『…あれが大使館?』
ラファルサ
『大使館だ』
見下ろす二人。
真彩
『いや…陥没してるの道路じゃん』
『大使館じゃないじゃん』
ラファルサ
『…』
確かに、
道路に落下している。
――壊れた人工衛星が。
Dovira【マヤ!分析終わったよ。】
【先輩の方は?】
Naparnik【黙っててもらえます?】
ラファルサ
『Dovira、落下物は』
Dovira【デブリでした。】
真彩
『デブリ?え?宇宙ゴミだっけ?』
『…ゴミが同時に落ちてきたの??』
それは、
誰もが、
その反応をするだろう。
真彩は、
空を、
見上げる。
そんな、
不可解な、
地球の現象。
それを、
月が、
見下ろしていた。
――接触は。
まだか…。
AIが、
騒ぎ出す。
Dovira【マヤッ!!!渋谷!渋谷!】
Naparnik【相棒。出た!!】
【行こう!こんなチャンスないって!】
Dovira【待って、罠だったらどうするの!?】
Naparnik【お前だって気になるくせに!!】
真彩
『喧嘩すんな』
肩をすくめる。
ラファルサ
『渋谷の映像を撮せ』
真彩
『なるほど、ライブ中継ね』
映像を、
共有する。
ラファルサ
『ここは、大使館が密集している』
『ここにいるべきだ』
UIに映る、
映像を、
睨みつける。
真彩
『ねえ。先輩がここにいるなら…』
『私が向こう行けばいいのでは??』
ご尤も、
それは、
冷静だった。
ため息。
『…罠だったら、どうする気だ』
真彩
『シンクロして、やっつけます!』
呆れた。
ラファルサ
『大人しく、ここにいろ』
Dovira【私なら倒せます!!】
Naparnik【それはないですね。】
Dovira【ぎゃう!!ホラーです!!】
Naparnik【うるさいな。】
交差点で、
立ち止まる男。
空を、
見上げている。
真彩も、
空を、
見上げた。
男が、
指を、
天高く差した。
空が発光。
今回は、
4回だった。
落雷に似た。
――破裂音。
Dovira【人工衛星落下してきます。】
Naparnik【軌道分析中。】
真彩
「嫌な予感しかしない」
ラファルサ
『…』
Naparnik【こっち来る。】
真彩
「ですよね…」
緊張が走る。
ラファルサ
『…破壊する』
真彩
《…》
『……は?』
ラファルサ
『時間がない。相棒!!』
真彩
『そうだった。ドヴィラ!!』
【【同期率上昇。突破します。】】
包む、
ベールは淡く。
夕日に、
照らされる。
Dovira【軌道を追います。】
【マヤ!!!】
真彩
『わかってるって』
『行くよ!!』
Naparnik【相棒!落とすなよ!!】
ラファルサ
『ああ。わかってる』
---
---
――Stop.
My peers
spend money at a rapid rate.
My output,
and even my concentration…
If your breathing
becomes shallow,
your synchronisation rate drops.
Passing the baton on to tomorrow.
さあ、
伝説の始まりですよ。




