wW-3 Blinking Red
耳の奥。
頭の中。
語りかけてくる。
うるさい。
けど、息子が可愛かった。
走る。
裸足、病院服、手首のバンド
明らかに異様。
視線が痛い…
異常だ、
すべてが…
器用に人を避ける。
何日で何時…。
【20xx年5月25日午後3時12分です。】
………。
くそっ…。
あの子に、鍵持たせててよかった。
【直樹さんは現在、リビングでソーラン節を踊っています。】
………。
足を止めた。
声を殺して笑う。
【通信あり】
………。
意味わかんない。
頭がうるさい。
「ちっ…」
険しい表情。
……帰る。
ぜってー帰る!
待ってろ直樹!
まるで近未来か
目の前の地図
導く
ルート案内
――赤い点滅
…なんだ?
一つ、
ちいさな赤い点。
こっちに来る。
近い!
…後ろ?
もう一つ
…前から!?
身構える。
姿は視えない。
…くっ……。
『新入り…』
脳に響く。
振り向かない。
『歓迎す……るっ!』
瞬発的に、
脚を受け止める。
前方、
拳がとんでくる。
ギリ避けた。
脚を前方に投げ飛ばす。
見事にヒット。
二人ダウン。
『無視とはいい度胸だな』
あいつか…。
『帰すとは言っていない』
邪魔するな…。
私は帰る。
『そうか…』
それ以上、
何も言ってこない。
【直樹さん抹消対象リストに入りました。】
…っ……。
卑怯だ。
[ SYSTEM LOG ] 解説
主人公∶大越 真彩 PTA帰りに拉致される。
配偶者∶大越 大地
長男 ∶大越 直樹 小学5年生。運動会の練習中。
謎の男∶組織のBOSSぽい。たぶん。
捕らえた理由を教えていない。
説明する前に逃げられた。
いや、逃がしてみた。
戻るように指示したが、抵抗したので脅した。
容赦ない。
赤い点の人物∶組織の一員。
逃走中に歓迎。
好奇心で寄ってきた。
ただの挨拶。
攻撃は本気ではない。
▼▼▼
邪魔するな。
帰りたいんだよ!
『ダメだ…落ち着け』
黙れ。
『話を聞け…』
かなり不器用な謎の男だった。




