S4-05 支援物資。
観測者
[7月31日応募〆切のためにまとめています。]
[先行公開。]
[失礼しまーす。]
公民館前。
手を繋いだ、
少年少女が立っていた。
灯
「ここ?」
直樹
「そう」
灯
「ここで何するの?」
直樹
「さぁ…」
灯
「教えてもらってないの?」
直樹
「うん…最後まで教えてくれなかったんだよね」
灯
「中…入ろ?」
直樹
「確かに…」
2人は、
公民館の中へ入って行った。
自衛隊
「応援か?」
直樹
「はい!」
腕章を、
見て頷く。
自衛隊
「中に入れ」
体育館へ、
足を踏み入れる。
自衛隊
「TSI交代だ!」
「「はい!」」
フェル
「ダック?」
「お前、何でここに?」
直樹
「あれ?要らなかった?」
見つめ合う。
沈黙。
直樹
「……ああ。お邪魔だったのか」
「そうか……帰ろっか…」
フェルに、
背を向けて歩き出した。
灯
「えっ」
フェル
「助かります。助かります」
「おーい、戻ってこーい」
クルッ、
と振り返った。
直樹
「で、何やってんの?」
フェル
「支援物資の仕分け」
「てかさ…その子…」
「背中に隠してた子だろ」
灯に、
会釈した。
灯は、
小さくお辞儀した。
フェル
「何でここにいるの?」
直樹
「いちゃ駄目だった?」
フェル
「駄目じゃないけど…」
『見せつけか?』
直樹
『ちげーよ』
「朱雀隊長からの命令」
フェル
「ふーん」
直樹
「何すればいいの?」
フェル
「教えるからこっち来て」
直樹
「はーい」
「行こ」
灯
「うん」
フェルの後を付いて行く。
フェル
「これ」
段ボールを叩く。
「全国から集まった。救援・支援物資」
山積みの段ボールを見渡す。
「俺らは」
段ボールを、
開封している隊員へ視線を向ける。
「こうやって開封して」
仕分けしている隊員へ歩み寄る。
「分類ごとに分ける」
屈む。
「こういうの」
千羽鶴と穴の開いた服を手に取った。
「仕分けないとならないんだよ」
「送られてきても…そのまま配れるとは限らない…」
立ち上がり、
2人に視線を送る。
奥へ進む。
「ここで避難所ごとに箱詰めするんだよ」
再び、
振り向く。
「どう?わかった?」
直樹
「いや〜イマイチ…」
フェル
「わざとらしいんだよ、お前…」
「わかった?」
灯
「はい。ある程度は」
フェル
「素直で良い子じゃん」
「お前と違って…」
直樹を、
じっと見つめる。
直樹
「何?」
フェル
「別に〜」
持ち場に戻る。
フェル
「じゃ…」
「ここ頼んだぞ」
「俺ら休憩してくる」
直樹
「俺も混ぜろ」
フェル
「ふざけるのも程々にしろよ〜」
直樹は、頬を掻いた。
直樹
『場を和ませたかっただけだよ』
フェル
『お前が来た時点で和んでるから大丈夫』
『それに…女神が眩しい』
灯へ微笑む。
直樹
「キモいからやめろ」
真顔で言った。
フェル
「ひっでぇ」
隊員
「怪我するなよ」
灯
「はい。気をつけます」
直樹
「重いのは俺がやる」
「灯は、仕分けの方頼める?」
灯
「わかった」
交代を終え。
2人は自然と馴染んでいた。
-
灯
「…お手紙多いですね」
1枚の封筒を手に取った。
「集めてどうするのですか?」
隊員
「受け取るだけですよ」
灯
「避難所に届けないのですか?」
隊員
「今必要なのは…」
額の汗を拭った。
隊員
「わかるだろ?」
「猛暑だぞ」
「ここは」
「電気も水道も生きてたからな…」
「……」
「水。とにかく水」
強調するかのように、
セミの音が大きく聞こえた。
暑い。
酷暑が被災者を蝕んだ。
隊員は、
続けて言った。
「あと、衣類」
「おむつ。…衛生用品だ」
「すぐ必要な食べ物は避難所に直接届く」
灯
「手伝います」
隊員
「ありがとう。そっち頼んだよ」
「わからないことあったら遠慮なく聞いて」
灯
「はい。ありがとうございます」
賞味期限切れの食品が混ざっていた。
そっと、
廃棄場へ置いた。
少女は、
小さく息を吐いた。
-
Guiar
【ねぇねぇ。】
直樹
《どうしたの》
Guiar
【バフをあげましょうか?】
直樹
《……》
Guiar
【無視!】
直樹
《……》
Guiar
【酷い!】
直樹
《歌わせろ!だろ?》
Guiar
【そうだ!歌わせてくれ!】
直樹
《暇なんだな。羨ましい…》
Guiar
【失礼な!】
【暇ですけど。】
直樹
《歌ってどうするのさ》
Guiar
【活気つけようかと。】
直樹
「いらん」
ぽつりと、
声が漏れた。
視線が集まる。
咳払い。
直樹
《黙ってろよ》
Guiar
【楽させてあげようかと…。】
ため息。
直樹
《結構です。》
フェル
「戻ったぞ」
段ボールを、
抱えたまま、
声の方へ振り返った。
直樹
「助かる」
一旦、
作業を止めた。
直樹
「ねえ」
「ギアルがうるさいんだけど」
フェル
「楽しそうじゃないか」
「Dimilちゃんは無口だからな…」
「変わるよ」
直樹
「あざっす!」
段ボールから、
取り出す作業へ移った。
Guiar
【Dimil】
【Shall we dance?】
Dimil
【…ャッ……】
フェル
「ぶぅ!」
1人、
吹き出す。
直樹は、
フェルへ、
冷ややかな視線を向けた。
直樹
『勘弁してくれ…』
フェル
『こっちの台詞』
仕分け担当の方から、視線を感じた。
灯と視線が重なる。
フェルは、仕分け担当の灯へ手を振った。
返事をするように、
小さな手がひらひらと揺れた。
Next time
――追加補給。
観測者
[起→Season1家族を作る ]
[承→Season2家族を護る ]
[転→Season3家族で立ち向かう]
[結→Season4家族で未来へ歩く]
Season4はまだ続きます。
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