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キマグレ⑩!


 シャランッ


 軽い金属の音がしたと思ったら、ワタシの首にかけられた銀の首飾り。

 って、ええええぇ!?何コレ!何コレ!!?

 突然の事に焦るワタシを他所に、魔王は笑顔だ。

 顎を掴まれ目を合わせられる。

 今のもけっこう痛かった、さっきから乱暴だなオイ。

 「その首飾り、僕のお手製ね。魔力を一時的に封じるんだよ?凄いでしょ。」

 血の気が失せる音が、聞こえた気がする・・・勿論自分の。

 「そ、そうか・・・で?いい加減離してくれると嬉しいのだけど?」

 本当に本当に本当に、離してほしい。

 このままだとヤバイ、何がどうヤバイかと問われるとよくわからないけれどとりあえずは魔王の瞳がヤバイ。笑ってるけど瞳が笑ってないって!

 え、何この人(人じゃないけど!!)何考えているの本当謎。

 「シャノン?」

 何故急に名前呼び!?

 アレ?確か前にも一回呼ばれたよね、なんだっけその時も少しどころではなく嫌なめにあったと思うのだけど?ワタシの気のせいかな?

 あぁ、そういえばあの日色々あったな・・・ちょっと遠い目をしてみる。

 軽く現実逃避をはじめたワタシに気が付いたのか、魔王が更に顔を近付けて甘く囁くように言った。

 「ねぇ?シャノン?僕がこんなに近くにいるのに、違うこと考えてない?」

 「うっ・・・」

 思わず苦悶の声が出てしまって、ハッとした。

 ワ タ シ の 馬 鹿 !!

 何『うっ・・・』って!何なんだ?何なんだ!ワタシの馬鹿、肯定するようなものじゃないかあぁ!!!


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