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 「ッい・・・!?」


 「シャノンさ、もう少しマシな嘘ついたら?」


 一瞬何が起こったのかわからなかった。

 背中に強い衝撃、押え付けられた肩、すぐ近くにある魔王の顔。

 気がついたら、壁に押し付けられていた。

 薄い冷笑、目が笑ってないよ魔王。

 「何の、事かな・・・?」

 衝撃の余韻があって、じゃっかん言葉を発しにくい。

 「いい加減にしてね?今、凄く機嫌悪いから。」

 魔王が首を小さく傾げると、サラリと銀の髪が揺れた。

 クソ、サラサラキューティクルが羨ましい・・・!

 なんて場違いな事を考えていても、頭の中では本格的に警鐘が鳴っている。

 嫌な汗が背を伝って気持ちが悪い。

 「・・・・キミはもう、分っているのだろう?」

 じゃなきゃ、何の根拠もなしにこんな暴挙には出ないと思う。

 「気付いてたの?」

 「なんお根拠もなしに、今みたいな状況にはなりえないと思うよ?」

 微笑んだつもりだけど、今絶対笑顔引き攣ってる。

 それよりも離してほしい、痛いです。

 「そうだね。でも、それわかってて嘘ついたんだよね?」

 今ギシッて肩が鳴った!痛い、物凄く痛い、冗談抜きで砕ける!!

 「ッ・・・」

 その痛みに思わず顔を歪めると、魔王の目に恍惚とした光が宿る。

 性格が歪んでいるのは知っていたが、ここまでだとは思ってなかった。

 人の苦痛に歪む顔見て、恍惚とするだなんて趣味が悪いにも程があるだろう。

 いつもなら『あぁ、コイツやっぱり魔王なんだなぁ・・・』とかしみじみ思うのだろうけど!今はそんな余裕一切ない。

 「このゲームに勝つ条件に関わっているんだよ。」

 「?どうゆう・・・」

 『異世界からの訪問者』が?

 微笑も、恍惚とした光も消え失せ、すっと目が細められた。

 (紅い色って暖色のはずだよね・・・?)

 そう疑問に思うくらい、魔王の深紅の瞳は冷めている。

 「本当に何も知らないんだね、『異世界からの訪問者』さん?」

 改めて言われると、何か・・・・認めがたいな。

 そういう思いと、今の魔王の瞳を見たくないという思いから、顔を伏せた。

 「とりあえず、嘘つきにはお仕置きしてあげないとね?」


 は?


とりあえずでお仕置きなんですね・・・

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