VS戦凪
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────── 現在、 時間は17時40分
約束の場所にて、 戦凪と宮森は言葉を交わす。
「宮森、 君が俺に好意を持っているのは知ってたが、 あえて聞こう、 話とはなんだい?」
なんで好意があると思われていたの……
「そ、 その前に、 聞きたい事があるの、 聞いてくれる?」
普通、 この学校では100%罠だと分かる状況だが、 戦凪は例外だった。
「構わない、 聞かせてくれ」
『意思疎通』によって、 クラス全員が私の能力を通じて状況を確認している。
それに比べて、 A組は戦凪以外、 誰もいない
遠くから見ている様子もない。
多分、 戦凪は1人で問題ないと判断したのだろう。
とれと、 他のクラスも何人か様子を見に来ているようだね。
それも複数人
「3年の霧雨霞先輩と付き合っているって本当なの!?」
まさかの質問が飛び出てきた。
「付き合っていないぞ、 パンツも見た事がない」
戦凪は動揺することもなく、 真剣な表情で否定した。
まぁ、 適当な作り話だし、 当然だろう。
「ほんと? 1年の後輩くんから、 戦凪くんと霧雨先輩は付き合っているって聞いたよ!?」
「ん、 誰だい、 そんな嘘を流している生徒は」
「1年A組の雲雀琥太郎くんって子に聞いたけど、 戦凪くんとは昔からの親友とも聞いたけど…」
「琥太郎? そんな友人は俺にはいないぞ」
「じゃあ、 彼が嘘を言いふらしているって事?」
「ああ、 そんな悪さをしている生徒がいたとは、 許せない」
「安心したよ、 後で霧雨先輩には誤解してた事を謝りにいかないとね、 一緒についてきてくれる?」
「もちろん、 宮森は優しい人だな」
「ありがとう、 話はその後でちゃんと伝えたい…… ダメ、 かな?」
あざとく首を傾げ、 潤んだ瞳で戦凪を見つめる。
「もちろん! 構わない!」
戦凪はあっさりと承諾した。
「宮森、 少し待っててくれるかい? その前に、 1 年の雲雀琥太郎を倒して来るよ、 先に噂の元凶を止めないとね」
「分かった、私は弱いから、 力になれないけど、 頑張ってね」
「ああ、 すぐに戻るよ」
そう言い放つと、 戦凪はチラリと辺りを見回す
「1年生か、 コソコソと盗み見とは、 感心できない」
─────── !!
戦凪の足下に銃弾が落ちた
それは、 音もなく、 どこかから放たれた銃弾
だが、 銃弾は戦凪にはとどいていなかった。
数センチ手前で、 地面へと落ちたのだ。
「誰だい、 僕に銃弾なんて放ったのは」
そう言い放つと、 足下に落ちた銃弾を拾い上げ、 まるで、 紙飛行機を投げる様な持ち方で、 放たれた方向へと銃弾を投げる。
投げた銃弾は、 すぐに落下するかと思えたが、 ずっと同じ高度を保ち、 ゆっくりと前に進んでいた。
「 ──── 飛べ」
ゆらゆらと進む弾丸が、 一瞬のうちに速度を上げて放たれ、 遠くに見えるビルのガラスが割れたのが分かった。
「あの辺り、 彼もいそうだな」
戦凪の体がジワジワと宙に浮き始めた。
そして、 歩道を歩く様に、 ガラスの割れたビルの方へと歩き始めたのだ。
(ほんと、 企画外の男だよね、彼)
(想定内だろう、 こっちも始まるぞ)
(そうだね、 私たちも3年生を捕まえないと)
───── その頃、 ビルの中にいた琥太郎は慌てていた。
先ほどまでの宮森と戦凪との会話を盗聴していた琥太郎は当然、 慌てていた。
ふざけんなよ、 あのクソビッチ!
なーーーにが、 雲雀琥太郎くんに聞いたけどだッ!
あれだと、 確実に俺が狙われるやつじゃん!
殺しにくるじゃん! 最強の異能力者が!
クラスメイトの高橋咲による狙撃に失敗して、 着実に戦凪がこちらへと近づいている状態に琥太郎は頭を抱える。
「まんまと、 変態がおとりに使われたわね」
月影が眉を潜めて、 近づいてくる戦凪を見ながら言い放た。
「まずいな、 咲ちゃんの狙撃も通じんとか、 チートやな」
黒崎が隣でクスクスと笑う。
「変態、 早くビルから出て、 学校へ逃げなさい、 私たちまで巻き込まれる」
「え、 ここで迎撃は…… ?」
「は? それじゃ、 宮森先輩たちの思うツボよ! あの人たちも巻き込んで戦うわよ」
月影の言う通り、 ここで戦うより、 学校内にいる先輩たちを巻き込んだ方が今後を考えても都合が良い。
あ…… あんな、くだらいラブレターのせいで、 命狙われるとか最悪だ。
逃げるだけならなんとか……
「ん…… 分かった、 やってます」
「頼もしいな、 学校まで誘導できれば、 道中のサポートも出来る限りさせてもらうで」
黒崎はそう言い放つとすぐに、 数人を連れてビルから撤退していった。
最初からここで助けて欲しいのだが……
「ほら、 気合入れなさい、 『身体強化』100%、 全力で逃げなさい、 最悪、 途中で殺しても構わないわよ!」
「無茶苦茶な…… 」
「応援してるよ! 琥太郎くん!」
霧雨薫(デブ男の姿)に応援された。
もちろん、 こんな同性のデブに応援されても嬉しくなかったが、 一様、 お礼はしておいた。
「さっき黒崎さんも言ってたが、 俺たちも出来る限りのサポートはする、 ビルを出てしばらくは森だ、 姿を隠せるから、 時間も隠せるだろう」
原木直也
黒崎たちと一緒に行動しているクラスメイトだ。
彼は黒崎とは別行動をとるのか、 黒崎や他の生徒もビルを出ていったが、 彼はここに残っていた。
「あ、ありがとう、 心強いよ、じゃぁ」
月影の異能力、 『身体強化』を付与された俺は、 名前の通り、 人の力を超える様な身体能力の強化がされている。
そのおかけで、 階段やエレベーターで下へ降りることもなく、 割れた窓から外へ出ることができた。
普通ならぐちゃぐちゃに潰れるところだが、 身体強化のおかげで、 簡単に降りることができた。
後はこの銃……
名前とかよく分からないけど、 弾数の多い銃を月影から渡されたが……使い方がよく分からん
霧雨が言うには、 乱射できるから、 弾がなくなるまで、 相手に打ち込めばいいって言われたが…
─────── !!?
一瞬、 背中がゾッとする様な冷たい風が吹いた。
その瞬間、 辺りの木々がバッサリと切断された。
危っぶね…… ギリギリで目の前の木を蹴り折ったおかげで、 斬撃を防げた。
場所はバレてるってことか……
舐めやがって、 少しは反撃させてもらうぜッ!
琥太郎は倒れた大木を持ち上げて、 斬撃の放たれた方向へと思いっきり投げた。
まるで、 槍を投げるかの様に、 大木を投げる。
────── !!!
投げて数秒後、 空中に大木が浮き上がると、 粉々に粉砕された。
数キロ先で、 ウッドチップ状態になった木くずが地面に降り注ぐ。
その光景は、 琥太郎の視界にも映っていた。
おいおいおいおいおいおい、 マジでかよ……




