不死身の俺がハニートラップを仕掛けようと思います。
是非読んでみてください!
良ければブックマーク等もお願いします!
宮森先輩が去ってから、しばらく時間が経った頃、 1人の男が部屋を訪ねてきた。
「門田さんの指示でお邪魔しました、 下へすぐに来てくれと、 外に車が止めてあります」
「分かりました」
俺と霧雨は慌てて下の階へ降りようとしたが、 月影はピクリとも動かなかった。
「 ───── 月影!? 」
俺は慌てて駆け寄った。
目を閉じて、 ソファーに倒れ込んでいる。
そんな…… 相手の異能力『不眠』のせいで俺たちは眠れないはずだ。
現に俺も眠りにつきたくても目が開いてしまっていたし。
「おい! なんで目を閉じてんだよ! こんなとこで死ぬとか許さねーぞ!! 」
俺は必死に月影を揺さぶる。
しかし、 月影は目を閉じたままだった。
「おい! なんとか言えよ! たかが1日徹夜しただけだろッ! 死ぬなんて…… 起きろよ、月影!」
自然と涙が溢れてきた。
1日徹夜しただけ、 確かにそうだけど、 その1日はとても重い。
ただの徹夜なんかじゃない、 精神的な不安や緊張感はかなり大きいはずなんだ。
そんな状況で睡眠を奪われたら……
「頼むよ、 月影、 起きてくれよ! 」
必死に呼びかけを続ける俺に、 トントンっと霧雨が肩を叩く。
「月影ちゃん、 息してるから」
─────── !?
「えっ……? 」
「寝てるだけ、 ぐっすりと」
俺は冷静に月影をジッと見つめる。
スッーっと吐息が聞こえてくる。
その瞬間、 かぁぁっと俺の顔は真っ赤に染まっていく。
うわ、恥っず! ヤバ、 俺すげー心配しちゃったじゃん、 勘違いあるあるかもしれないけど、 実際にするとスゲー恥ずかしいんだけど!!!
俺はそれ以上何も言わず、 一階へ走り出し、 その後ろをクスクスと笑いながら霧雨柄跡を追う。
一階に降りると、 スーツ姿の男が数人立っていた。
そして、 その中に門田の姿も見えた。
「先生、 無事だったんですね」
「当たり前だ、 約束通り連れてきたぞ、 星宮キラリ」
「先生すごいです!」
霧雨も嬉しそうにはしゃぐ、 しかし、 先生は少し暗い顔をしていた。
「コイツはもう死んでる、 任務失敗だな」
────── !!
「成功ですよ! 少し予定が変わっただけで、 目的は達成したんだし!」
霧雨は先生にそう告げるが、 表情は晴れない。
「俺が殺しちまったなら別にそれで良かった、 問題は、 コイツは突然死んだ」
───────!
「自害したって事ですか?」
「違うな、 突然、 背中を切られて死んだ、 怖えーのは、 斬った相手が見えなかったことだ」
「異能力者…… ですか?」
「おそらくな、 多分、 そいつも不眠の影響を受けてたんだろ」
「そんな相手と遭遇してるのに、 アジトに戻ってきたんですか!?」
霧雨はムっとした表情で先生を責める。
「そんなヘマはしねーよ、目には見えなかったが、 しっかりとサーモグラフィーには反応があった」
────── !!
「分かったなら殺してくれれば良いのに…… 」
「無茶を言うな、 相手の異能力が未知数なのに無能力者の俺が命かけて戦う訳ねーだろ」
見た目通りのめんどくさがりだな。
けど、 そういう性格のやつは鬱陶しいほど強いと思う。
「ま、 透明人間になれる能力だとすると、 恐ろしい能力だな」
「そうですね… でも今は、 正体を探るのは置いといて、 優先するのは3年C組との戦いです」
俺はそう断言した。
「スゲーやる気だなお前」
「いえ…… まずは戦う相手を一つにしないとダメだと思って」
「確かに、 戦う相手がコロコロ変わってたら世話ねーからな」
「はい、 宮森先輩達2年B組と協力して、 まずは確実に3年C組を倒します」
「ん…… 分かってはいると思うが、 宮森たちも今は味方でも、 いずれは敵になる、 あまり情を持たない方がいいぞ」
─────
頭では理解している、 いずれは先輩達も殺さなきゃいけない。
でも、 俺はそれを望んでいない。
ほんとクソゲーだよ。
「分かってるつもりです、 ところで、 先生は、戦凪凰覇先輩の事を知ってますか?」
「あ? 戦凪か…… やめておけ、 相手は1つに絞るってさっき話したばかりだろ」
「いえ、 戦うつもりはないんですが…… 」
俺は先程まで宮森先輩たちと話していた事を伝えた。
「なるほどな、 確かに彼がいれば負ける事はないだろう、だが、 お前がハニートラップを仕掛けるのは無茶があるぞ… 」
「だから! 無理やり押し付けられただけで! 他に誰かッ!!」
「仕掛けたそいつは、 確実に死ぬことになるぞ」
────── !!!
「アイツが騙されたことに気づいたら、 確実に相手を殺す、 かなり短調な男だしな」
ん…… 待てよ、 別にバレないようにしなくてもいいんじゃないのか?
そうだ……!!
「俺! ハニートラップ仕掛けます! 戦凪先輩を誘き寄せる方法があります!」




