ラブレター
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───── 翌朝
「おはよう、 後輩諸君! 昨日はよく寝れたみたいだね」
宮森先輩が朝から元気に扉を開けてやってきた。
ふかふかのベッドでもなく、 普通の椅子に座っていたが、 ぐっすりと眠れた。
けど…… 寝不足だ。
「もう少し寝ててもいいですか?」
「いや、 学校遅れちゃうよ? 学校サボったりしたら、 君たち不良になっちゃうぞ!」
殺し合いしてる俺たちから見れば、 不良なんて可愛く見えて仕方ないけど……
でも、 朝からこんな美人を目にしてるわけだし、 素直に起きる以外に選択肢ないでしょ……
「サボりはしませんけど、 一度家に帰って制服を取りに戻るので、 遅刻すると…… 」
「安心してよ! ここにはちゃんと制服もストックしてあるから!」
「準備周到ですね」
「住みたくなったかい? 今なら私とシェアハウスだしね!」
やかましい! このくそビッチがッ!とは言えない。
なぜなら、 俺はチョロすぎ勘違い男子の1人だからだ。
「ほんと、 住めたら住みたいです」
宮森先輩は予想外の返しに少し戸惑っていた。
正直に返答したが、 よくよく考えたらスゴい恥ずかしくなってきた。
「いや! その…… 皆さん優しいですし、 一階はカフェだし……」
「ほんと、 変態くんはえっちなんだから、 早く身支度すませなよ」
クスクスと苦笑して、 宮森先輩は部屋を後にした。
宮森先輩が部屋を出た事を再度確認して、 俺は恥ずかしさとあまり転げ回った。
「アンタ何してるのよ…… マジで大丈夫?」
部屋に月影がやってきた。
もちろん、 俺が床を転げ回ってる姿をバッチリ見られた。
とどめを刺された気分だ。
「いや、 その…… 昨日、 千凪先輩を釣る最高のアイディアを閃いてさ、 慶に浸ってたんだよ」
「は? きも、 それで、 そのアイディアを聞かせてもらえるかしら?」
うまく話をそらせた!
危っぷねぇ〜 マジでナイスだぞ俺!
『「ズバリ! ラブレターだッ!!」』
────── は?
想像以上に月影は冷え切った目で俺を見ていた。
「やめて! そんな目で見ないでッ!!」
「ドヤ顔で何言い出すかと思ったら、 ラブレターね」
フッと月影はあざ笑う。
「お願いだから、 最後まで話を聞いてください!」
「くだらない話だったら殺すから」
この女、 すぐ殺すとか物騒な事言うからマジで怖え……
言うだけなら可愛いもんだけど、 この女はマジでやりかねない。
「ラブレターなら、直接会う必要もないし、 人の名前を借りればやりたい放題だろ!?」
口に出して改めて思ったが、 小学生のイタズラレベルのしょーもない事を言ったと感じた。
『くだらない話だったら殺す』
月影から告げられた言葉が脳内で何度も再生される。
ヤバイ、 くだらない話ししちゃった。。。
「 ─────!! あんた、 もしかして天才!? 」
なんか聞いたことあるな……この流れ
「釣れる可能性は微妙だけど、 もし釣れたら!」
「そうね、 さっそく実行するわよ!」
「お、おう」
月影と俺は戦凪先輩宛にラブレターを書くことになった。
「で、 ラブレターってどう書くのよ?」
「いや、 実際、 俺も書いたことなくて…… 」
「は? 変態なんだから、 ラブレターくらい書いたことあるでしょ? 100枚書いて100枚とも破かれたでしょ?」
「やめて! そんな過去はないからッ! 」
「使えないわね」
なんかスゲー腹立つな。
ん!? よく考えてみれば、 俺が初めて書くラブレターの相手が男子宛……
それも、 話したこともないムキムキ大男宛に……
どんどん不快な気持ちに沈んでいく。
「ラブレターの中身は月影さんに任せてもいいですかね……? 」
「いやよ、 好きでもない男になんでラブレターを書かなきゃいけないのよ」
だから、 それ俺も一緒!
俺は心の中で叫んだ。
口には出さず、 そっと心に留めるのだ。
「ですよね。なら、 一緒に内容考えの手伝って欲しいんだけど」
「まぁ、 それくらないなら良いけど」
くぅ…… これが限界か。
仕方ないが、 書くしかないな。
俺たちは黙々とラブレターを書き始めた。




