檸檬
11「メッセンジャー」
さよ:「じゃあ、英子は私が」
さよ:「結婚できないっていうのね」
A子:「そんなこといってない」
さよ:「そういったもどうぜんよ」
さよ:「これからやっていけるのかなんて」
A子:「ちょっと心配になっただけよ」
さよ:「あたしたちの心配ならけっこうよ」
さよ:「仲良くやってるし」
さよ:「けっkんするぐらいの」
さよ:「お金だってあるんだから‼︎」
えみえみ:「どう?先日言ったこと」
えみえみ:「感じてる?」
A子:「なんでしたっけ?それ」
えみえみ:「パソコンより仕事がってことよ」
A子:「感じてるっていうか」
A子:「私は今まで」
A子:「ずっと仕事人間よ」
えみえみ:「ふふふん」
えみえみ:「そんなこと言ってられるのも」
えみえみ:「今のうちよ」
さよ:「あれでしょ、英子、恋愛ドラマの見過ぎ」
えみえみ:「恋愛ドラマのようにはいかないわよ」
もう、うるさーい。なんでこの二人とLIMEで会話することになってしまったのか。スマホで連絡帳に電話番号を入れてしまったばっかりに、知らぬ間に面倒な連中と「友達」になってしまったのだ。一方は適齢期がもはや終わりになりそうな女、もう一方は、明らかに頭のネジが何本か飛んだような女。
特に、さよりは三十路の自分の身が心配なのか、事あることにメッセージを送ってくるのだが、生返事を繰り返しているとたまに地雷を踏んでしまい、そうなると嵐のようにメッセージを送ってくる。その合間に絵美の気味の悪い当たらない予言者のような発言が入ってくる。
怖い。なんだかいろんな意味で怖い。
サブロ:「英子さん」
A子:「あ、サブローさん?」
サブロ:「お友達登録ありがとうございます」
サブロ:「最近、さよりんが、よく携帯を弄ってるので」
サブロ:「英子さんとメッセージを交換してるのかなと思いまして」
A子:「そうなの、大変なのよ。あと変な女のも」
サブロ:「変な女?」
A子:「いずれもあなたの関係者よ」
サブロ:「はて、一体どなたのことか」
A子:「学生時代のお知り合いみたいよ」
サブロ:「もしかして、絵美さんですか」
サブロ:「いっしょにお仕事させていただいていました」
サブロ:「懐かしいなぁ」
仕事なんてしてないじゃない!パソコンの面倒ばかりみてたくせに!
A子:「仕事なんてしてないじゃない」
A子:「ぱそこんのめんどうばかりみてたkせに」
サブロ:「いやはや、これは」
サブロ:「手厳しいなぁ」
サブロ:「しばらく見ないうちに、私への理解が、ずいぶん」
サブロ:「進んだみたいですね」
A子:「知りたくもなかったわよ、こんなこと」
サブロ:「英子さんが迷惑してるみたいなので」
サブロ:「さよりんには」
サブロ:「少し控えるように言っておきます」
A子:「ありがたいわ」
サブロ:「絵美さんには、こちらからは」
サブロ:「なかなか難しいのですが」
A子:「あの女はまぁいいわ」
A子:「今度理論武装して」
A子:「撃退してやる」
サブロ:「とことん、おやりになるわけですか」
A子:「やってやるわ」
サブロ:「今度絵美さんとお会いしましょうか?」
A子:「え?いいの?」
サブロ:「何やら、英子さんに迷惑が」
サブロ:「かかっているようなので」
A子:「ありがたいわ」
A子:「こっちから調整していいかしら」
サブロ:「お願いしてよろしいでしょうか?」
これで連日のメッセージ地獄から解放される。サブローさんマジ天使。
A子:「サブローさん、ありがとう‼︎」
サブロ:「いえいえ、私」
サブロ:「パソコンの問題を解決することぐらいしか」
サブロ:「脳がないものですから」




