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着地
少女が地上へ着地する。
その瞬間。
世界が静止した。
誰も音を理解できなかった。
気付けば大地は一直線に裂け、地平線の彼方まで続く巨大な亀裂が走っていた。
違う。
裂けたのは大地ではない。
惑星そのものだった。
世界が二つに割れていた。
海が落ちる。
山脈が崩れる。
空が歪む。
重力が狂う。
誰もが死を悟った。
少女はその光景を見て、
「やばっ」
と言った。
次の瞬間。
全てが元に戻った。
割れた大地も。
崩れた山も。
落ちた海も。
狂った空も。
死んだはずの生物も。
巻き戻しなどではない。
何事も起きなかったことになっていた。
静寂。
少女は周囲の視線に気付く。
何千人もの兵士。
何百人もの術師。
全員が口を開けていた。
少女の顔から血の気が引く。
「あっ」
一歩下がる。
さらに一歩。
どう見ても不審者だった。
「ご、ごきげんよろ、よろしゅう……皆さん」 涙目だった。
沈黙。
「いい天気ですね」
空はまだ真っ赤だった。




