記録10
遅くなってしまってすみません。
一段落ついたので不定期になりますが更新していきます。
それにしても更新待ってる人いるのかなぁ?
「知らない天井だ。」
などと言ってみる。
おそらくここは勇者(笑)と決闘するまで泊まっていた宿だろう。
あの決闘のことをはっきりと覚えてはいないが、ぼんやりとは覚えている。
おそらく俺は伊藤に負けたのだろう。いや、負けた。
なぜなら俺の魔法は発動しなかった。
もともと、成功確率の低い魔法の発動に賭けなければいけないような状況に追い込まれた時点でほとんど俺の負けだった。
あんな状況で成功するなんてもう主人公以外の何者でもないしな。
俺の敗因は完全に伊藤のことを舐めていたことだ。
違うな。伊藤を舐めていただけではなく自分の力を過信しすぎていた。
多少強くなって一人でクエストもこなし、ミーコと一緒だったとはいえドラゴンをも倒した。
だが、それだけだ。それなのに何でもできる気になっていた。
ここで気づくことができたのは不幸中の幸いだっただろう。
この世界でなら俺は殺されていても文句は言えない。
本気の戦闘で負けるということはそういうことだ。
だからその点を考えると伊藤に負けたのはかなり癪だが、あの野郎に少しだけ感謝しよう。本当に少しだけな?1cmいや、1mmくらい。
そう、これで俺はまだまだ上を目指せる。強くなることに貪欲になれる。
多少強くなったことで満足していられない。
そうだ!満足なんかしてられる訳がない!
なぜならあのムカつく野郎に負けたのだから・・・・。いつか仕返しをしなければ俺の精神が持たない。絶対馬鹿にしてくるよな?アイツ・・・。
胃が痛いよ。
まぁ、反省はここまでだ。
早速だが修行しなければならないな。それも今まで以上に。
でも伊藤について行きながらできるか?
できるか?じゃないな。やるんだ。
よし、とりあえず飯食おう。腹減った。
てか、俺はいったいどれくらい寝ていたのだろう?
しばらくベットの上でこれからのことを考えているとミーコがやってきた。
ミーコの話を聞く限りどうやら俺は10日間ほど眠ったままだったらしい。
傷はかなりひどくしばらくは動けないらしい。というよりも動けないだろう。
動こうとしたら激痛が走る。
どうもかなりの怪我だったらしい。それも下手をうてば死んでいたぐらいのものだったそうだ。
ということはだ。伊藤は殺す気だったのだろう。
だってそうだろう?俺は死にかけたのだから。
あの野郎は本当に死ねばいいと思う。後ろから女にさされて死ねばいいと思う。
いや、殺す。俺が殺す。そうじゃないと気が治まらねぇよ。
「ん?ちょっと待て。勇者様ご一行は?あいつらが俺のために待っていてくれる訳がないと思うが・・・・。まさか!?待っていてくれているのか!?」
「そんな訳ないじゃない。先に行ったよ?私も連れて行かれそうになって大変だったんだからね。」
ですよねー。
「うん。そうだよな。うん?わかっていたよ。もちろん。ただ・・・。そういった可能性もあるかな?ってね?いや、別に期待はしてなかったよ?ほんとだよ?」
「天井なんか見て一体誰に話しかけてるのよ。でもよかったじゃない?自由になれて。」
「そう、だよな?うん、そうだな。」
まぁ、これでみっちりと修行ができる訳だ。
うん。問題なし問題なし。
「なぁ、ミーコ。これからさ、ちょっと本気で修行しようと思うんだ。」
「なんで?セイメイは今のままでもまあまあ強いよ?」
「それだけじゃだめだ。やつに勝たなければならない。主に俺の精神衛生上のために。」
「そう。ならがんばって?」
「なんで聞くんだよ!?そこはもっと私も手伝うよ!とか応援するよ!とかいろいろあるじゃあないか!」
「だってやるのは私じゃないもん。」
「そうだけどさぁ。もっと何かあっていいんじゃない?」
「セイメイ。心配しなくても私はあなたについていくからね?あなたが私のこといらないって言うまで。」
なん・・・だと・・・?
か、かわいいじゃねぇか。
やめろ!やめてくれ!そんなに輝いた笑顔を俺に向けないでくれ!
いやぁぁぁ、ときめきが止まらないぃぃぃぃ!!
「ふ、ふんっ。そこらへんはミーコの好きにすればいいんじゃないか?」
俺キメェwwww
もっと何かあっただろうよ、俺。
どこまでもヘタレな俺、プライスレス。
「あーい。じゃ、どこまでもセイメイについて行くね。」
この流れを変えなければ。早急に。
そうだ!ご飯を要求しよう!
ちょうどおなかも減っていたことだしね。
別に俺が気まずいとかじゃないよ?ほら、ミーコが気まずいと思ってね?
「そ、それひょりも」
なんか変に声が裏返った・・・・orz
これ。絶対にミーコ笑ってるよね。絶対に笑ってるよね!?
恥ずかしすぎてミーコの顔を見ることができない。
いや、大丈夫だ。
ここで何事もなかったかのようにご飯を要求しよう。
「そ、それよりも、ご飯ください。」
なんか焦りすぎて敬語になったけど大丈夫だ。
「・・・っぷ。わ、わかった。もって、くるね。」
大丈夫だよね?ほんとに大丈夫だよねあれ?
ほとんど笑ってるけど大丈夫だよね?
完全には笑ってないから大丈夫だよねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。
ガチャ。
「ぷっ、ぶふっ。あは、あははははははは。そ、それひょりも。だってwwwあはははははははは。しかも何故か敬語www焦りすぎwwwwひっひっ。や、やばいよ。笑い死んじゃうぅ。らめぇぇぇぇぇぇwwwwwwあはははははははははは」
全然大丈夫じゃないじゃん。あれ。
笑い死んじゃうとか言ってるよ。
全然誤魔化しきれてないじゃん。あれ。
こんなところでかの有名ならめぇが聞けるとは思いもしなかったよ。
もういいよ。なんだよこれ?
どう考えてもおかしいだろ?だってさっきまでラブコメな雰囲気が流れていたのに一瞬でこれだぜ?ほんと、やってられないね。
「ご飯持ってきたよ?」
「あ、あぁ。ありがとうな。」
あれ?落ち着いたのかな?
まぁ、いいや。きっと俺を気遣って、さっきのことはなかったことにしてくれているのだろう。
そんなことよりも目の前にあるお粥に集中しよう。
きっと病み上がりだからおなかに優しいものをわざわざ頼んでくれたのだろうな。
か、かわいいやつじゃないか。
「いただきます。」
俺がスプーンでお粥を掬い口に運ぼうとした瞬間、ミーコの一言が突き刺さる。
「そ、それひょりも!」
「ぶっ、ぶほっ!ぐはっ!あ、熱っ!!ごほっ、ごほごほっ!痛い、痛い!のどがぁぁぁぁぁ」
「ご、ごめ!?お、おちついて!?ここまで大惨事になるとは思ってなかったの!」
急いでミーコが背中をさすってくれる。
だが喉が痛い、死ぬほどいたい。
「水。水を。」
「はいっ!これのんで!」
ミーコが水の入ったコップを手渡してくれるが弱り、焦った俺がそれを受け取れるがはずがなくコップを落としてしまう。
バチャッ。
「あっ。み、水が。」
そういってミーコが服の袖でこぼれた場所を拭いてくれる。
が、そこは俺の息子が・・・。
っていや!ちょっ。ちょっとまってぇぇぇぇ。
やばい、やばい。そんなことされたらたたない訳がない!
もう、痛みよりも。そっちの方が気になる!
「ん?これって、もしかして・・・・。」
そう、そうなの!だから一刻も早くやめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
それだけはぁぁぁぁぁぁ!
「セイメイって、ここだけはいつも元気なんだね?」
ミーコがこっちを向いて満面の笑みを浮かべて言う。
笑顔でそんなこと言わないでぇぇぇぇぇぇ!
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