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黒隻の簒奪者  作者: ちよろ/ChiYoRo
第5章

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第77話 イラムVSキノ『前編』

2020/1/15/7:45 改稿


イラムに『感知する目』を書き忘れておりました。


また、“自動回復”系は体力、魔力を回復させるだけで傷を回復させるものではないです。


間違った書き方をしてしまい申し訳ありません。


また、第4話にこれらの回復系スキルの説明を少し追加いたしましたのでよろしくお願いします。

「ここで貴様の首を刈ってやる!」


 そう猛りながら鎌を振り上げ迫ってくるイラム。キノは拳を握りしめボクシングのように両腕を顔の前で構える。


 ステータスにモノを言わせたスピードで迫ってくるがそこはステータスがパーティの中でもぶっちぎっているキノらしく、大上段から振り下ろされた鎌を危なげなくひらりと躱し、イラムの腹下へと潜り込む。


「ふっ!」


 そしてキノは握りしめた右の拳にさらに力を込め、一息に“崩撃”を突き込んだ。


「グッ!」


 だが、そこはイラムも超越者の端くれであろう。鎌の柄の部分を少し引き寄せ、イラムとキノとの間に挟み込み、キノの拳を防ぐ。


 それでも、先にも言ったようにキノとイラムではステータスに大きく差がある。イラムはキノの“崩撃”を防ぎはしたものの、衝撃までは殺せず大きく吹き飛ばされた。




 名前:イラム・スフィンクス

 種族:淫女族

 Lv:738

 スキル:司仙鎌術Lv.- 第三の目Lv.- 剣聖術Lv.10 魅了魔法Lv.10 極氷魔法Lv.6 飛裂Lv.10 重斬Lv.7 反撃Lv.3 閃断Lv.10 瞬動Lv.8 天眼Lv.6

 称号:鎌仙者 剣の寵愛 魅の寵愛




「ちっ!能力だけの木偶の坊がっ!」

「うるさいなぁ、そこで蹲ってるだけなら通してくれない?」

「はっ!馬鹿なこと言ってんじゃねぇよ!んなことさせるかっ!」


 イラムは腕を振り上げる動きを利用して拳大の氷の礫を十数発飛ばす。そして続け様に剣技“飛裂”にて飛ぶ斬撃を放ち、追い討ちをかける。


「はぁっ!....っ!」


 対してキノは礫を拳で叩き潰したせいで続けて飛んできた斬撃を完全に躱すことが出来ず、かろうじて直撃は避けたものの腕に掠ってしまった。


「まだまだぁ!」


 そして腕に掠った衝撃でバランスを崩したキノに畳み掛けるようにイラムは剣技“重斬”を放つ構えをしながらキノへと走る。


 キノは咄嗟に後ろに下がろうとするが、それもイラムの手中だった。


「痛っ!?」


 振り返るとそこには何百本にも及ぶであろう氷のトゲが生い茂っていたのだ。下がったことで発生した運動ベクトルにより自分から氷のトゲに刺さったが、反射的に引き抜こうとする。


 そんな隙を見逃すほどイラムは甘くない。


「オラァァァァァ!!」


 雄叫びをあげながら突進してくるイラムを避ける時間は残されていない。だが、このままだと剣技“重斬”により真っ二つにされてしまう。苦肉の策としてキノは背に氷のトゲがある状態でイラムの鎌の柄を掴んで、キノの肌に刃が触れるギリギリで止めた。


「いい加減諦めろよっ!いくら自分があの頃の貴様にもまだ届いていなかろうともそんな状態じゃ押し返すのも無理だろうがっ!」


 キノはその言葉に返す余裕すら無い。しゃがみ込んでいるわけではないとは言え、膝立ちのキノと上から鎌で押し切ろうとするイラム。力関係はどちらが上か言うまでもない。


 その証拠に上から力を加えるイラムによって徐々に背中へ氷のトゲが深く突き刺さっていく。


 それはイラムの言う通り、いくらステータスに倍近く差があるとはいえ、言ってしまえばキノの力は鍛錬することで得た力ではないからだ。


 生まれた時からある憎きスキルによって世界を妬むことになり、それにより“嫉妬”のスキルに目覚め、魔王へと覚醒したキノ。


 かたや、物心がついた頃から目標を定め訓練をし、それを達成するため一心不乱に力を鍛え続けて今に至るイラム。


 自身の力の使い方を十全に知っているイラムとスキルによる後押しのみでスチータスを成長させたキノとでは単純な力では劣るとは言え、状況によってははるか格上の者さえも打倒することすら可能となるのだ。


 現に今、その状況が起こり得ていた。

 だが、それで諦めるキノではない。


「もうっ!カイトをっ!1人にさせるもんかぁぁ!!」

「な、なにっ?!」


 キノは全身に力を入れることで背中に刺さっているトゲをこれ以上刺さらないようにしつつ、火事場の馬鹿力とでも言うかのようにイラムの鎌を押し退けていく。


 それはあの夜、カイトが過去を語り眠った後、彼女たちみんなで誓ったことを曲げないため。

 それはもうカイトを悲しませないこと。キノを含む皆は他の彼女たちも大事とは言え、一番大切なのはカイトだ。


 だが、カイトはそうではない。誰か1人でも欠けてはならないのだ。

 キノは亡くなった2人のことは知らない。けれどサニアの話や何よりカイトのあの辛そうな顔を見ればどれだけ大事にしていたかは伝わる。


 今この時もキノと同じような状況であれば、1人になっているかもしれない。ならば彼は何よりもキノたちの身を案じてくれるだろう。


 けれど、それはすなわちカイトの重荷になってしまうということ。

 彼1人であればそんな心配をする必要はない。だが、キノたちという仲間がカイトを支えるのではなく、重荷になって仕舞えば。


 ーーそれでは意味がない。


 ーーそれではあの夜、みんなでカイトを支えることを誓った意味がないのだ。


「はぁぁぁぁぁ!!!」


 もう誰1人欠けてはならない。


 もうカイトを悲しませない。


 その意思だけを握りしめて痛む背中を無視してイラムを押し飛ばす。そして、先ほどイラムがキノにやったように、今度はキノが“大地魔法”で岩の礫を作りイラムに向けて発射する。


 だが、その大きさは先ほどの倍もあり、その上数も桁違い。まるで弾幕のように撃つが、一斉掃射ではなく断続的に放つ。


「くっ!舐めるなぁぁ!!!」


 しかし、イラムも大人しくやられるものか、とひっきりなしに飛んでくる岩の礫を鎌で弾き、躱し、打ち落とす。それでもあまりにも数が多いからか被弾するものも時折あった。


 キノは普段から武技以外ではあまり魔力を使って戦うタイプでは無い。そのため、魔力の扱い方に長けてはいないのだが、それでも礫を発射するくらいならほぼ永遠に放てる。


 そうしてイラムを足止めしつつ、“軀力特自動回復”で軀力を出来るだけ回復させる。


「いい加減に....しろぉぉぉあああ!!!」


 ドパンッ!という音とともに弾幕射撃をしていた礫が全方位に弾け飛んだ。そしてそこには全身から血を流しながら肩で息をするイラムがいた。だが、一見悲惨に見えるその姿もおそらく皮膚しか切れていないため、見た目ほどのダメージは無さそうである。


 それでも、視界が埋まるほどの岩礫を弾き飛ばすほどの魔力を鎌に蓄え、“重斬”を放ったことで一気に魔力を消耗したようだ。


「くそがっ!いつまでもいつまでも鬱陶しいんだよ!」 


 今度は自分のターンとばかりにイラムはキノに向けて鎌を投げつけた。それは超高速で回転しながらキノへと迫る。


 それをチャンスと見たキノは迫ってくる鎌を屈んで避け、イラムへと突進する。


(でも、自分から武器を手放すなんて...一体何を?)


 そしてイラムの懐近くまで潜ったところでニヤついているイラムの顔に気づいた。


(何を...?!)


 嫌な予感に襲われたキノは咄嗟に後ろを振り向く。


 そこには躱したはずの鎌が追ってきていた。


「ちっ!」


 キノは躱すことは難しいと考えて迎え撃つ態勢を取る。しかし、それはすなわちイラムへと背を向けるということ。それでも今は武器を持っていないイラムより確実に凌がねばならない鎌を優先した。


 それはキノにとってはいつもと変わらぬ対処法。目の前に来る攻撃をまず対処するのがキノの戦い方であり、その戦い方しか知らなかった。


 それはキノの経歴を考えれば当然かもしれないが、闘う者としては致命的な欠点だ。


 何しろ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()今まではキノに気付く者がほとんど居なかったし、いたとしても仲良くなれなければ、視界から消えるか逃げることで、出来るだけ避けて通ってきた。そのため、まともな対人戦はおろか、一度に色々な可能性を考えて戦う癖が無かったのだ。


「終わりだ!!」

「きゃあああ!」


 その致命的な隙を見逃すほどイラムは馬鹿ではない。

 イラムは腕に作った氷の剣でキノの傷だらけの背中を切り裂いた。

読んでいただきありがとうございます!


この先も時々矛盾があったり間違ってたりするかもしれないですが、見つけたら教えて頂けるとありがたいです。


教えてくださった方本当にありがとうございます。

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