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黒隻の簒奪者  作者: ちよろ/ChiYoRo
第3章
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第44話 いつかを見据えて

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 あの悪夢のような日から二日が経過していた。だが、依然としてほとんど進んでいない。元々ラミー達が慣れていないこともあるが、何より俺の精神的に前へと足が進まないのだ。


 ただ、俺は“無限倉庫”にある程度の食料を常に保存しているし、さらにテントや魔法風呂などで寝泊まりもできるため、道中は移動が遅い以外は特に困ることはなかった。


「ごめんな、俺のせいでこんな目に合わせてしまって...」

「なんであなたが謝るの!あいつらがおかしいんでしょ?!」

「でも俺は何も言えなかった。あの人たちが言ったことが間違ってるわけでもない。俺が来たから平和だったあの町に問題が起きた」

「そんなの結果論じゃない!何事も起きない町なんてないわ!あなたのせいじゃない!」

「ありがとう、ラミー。君は本当にいい女の子だよ」

「こ、こんな時に何言ってんのよ...」

「このまま行けば次の町には明後日ごろに着く。そうしたらそこで馬車を買って帝国に戻るといい。君たちだけなら何かを言われることもないし、ライドさんもいるから大丈夫だ」

「あなたたちはどうするのよ?」

「俺たちはラミーたちを送り届けたら、予定通り魔族領を目指すよ」

「あたしも...」

「ダメ。皇様から連絡が来たんでしょ?」

「うっ...」


 そう、ラミーは俺たちに隠そうとしていたようだが、結構前からラミーの魔法具に皇様から急ぎ戻るよう連絡があったようだ。


 なんと帝国周辺の小国が連合を組んでおり、さらには武器や食料などを大量に買い込んでいるという情報が入ったそうなのだ。


 これは最悪の事態である、戦争の兆しを考慮して動かなければならず、こちらもそれ相応の準備をしなければならない。


 そんな状態で溺愛している1人娘の皇女を外に出しておくわけには行かず、戻ってくるよう言われていた。


「あたしはまたあなたの力になれない...」

「そんなことないよ。君がそばにいてくれるだけでとても心強かった。何度救われたかわからないくらい。だから胸を張って!俺が好きなラミーはもっと元気だよ」

「...うん、わかった」


 少し、涙ぐみながらラミーは俺にもたれかかってくる。


 サニアも空気を読んでなのかあまり近寄って来ず、自然と2人だけの世界が出来ていた。



 その夜、俺は久し振りにラミーと2人だけの夜を過ごした。



 あれから四日かけてラミーや御者の足を気遣いつつ都度、回復させながらゆっくり進んでいるとついに町が見えてきた。


 その町の名は『レドック』。


 俺たちが2番目に訪れ、サニアを貶され、裏組織を潰した町。


 今はどうなっているか分からないが、それでもあの時の俺が対処できたのだ。ライドに出来ないはずがない。


 今でこそ俺の方がレベルは高くなったもののいかんせん戦闘経験の差だけは埋まらない。俺はいつか必ず追いつき追い抜くことを約束した。


「それじゃあそろそろお別れの時間だ。この辺りはもう巡回兵のエリアっぽいし」

「...もうなのね。また会えるよね?」

「うん、きっと。君が俺の名前を呼んでくれたら、すぐに駆けつけるよ」

「絶対よ?待ってるからね?」

「うん、だから心配しないで」

「わかった...。そしたらあたしも今よりもっと強くなる!カイトの横に立てるぐらい。ううん、あたしもカイトを守ってあげられるくらいに!」

「それは楽しみだな。きっとまた会おう」

「うん、きっと。それにサニアも元気でいてね?また会いましょう」

「うん...。またね...」


 俺は最後にラミーにキスをし、サニアはラミーとハグをする。そして皇様に向けての伝言やライド、御者にも今までのお礼とお詫びを告げて見送る。


 あまり振り返っては俺たちがバレてしまうのでやめろと言ったのだが、ラミーはずっとこっちを向いたままだった。


 そうして木の陰から俺たちは町に入っていくラミーたちを見届けて、キュケの森の方へ足を向けた。


「主さま...」

「また2人になっちゃったね...。いったい俺はどこで道を間違えたんだろう?ミアやサテュラの人たちを不幸にしてしまった。もしかしたらーー」

「やめてっ!!主さまは悪くないわ、それに私はどこにも行かない...。ずっと主さまといるから...。もうそんなこと言わないで...」

「うん、ありがとう。ごめんな」


 そのまま俺たちの姿は日が昇っているにもかかわらず、暗い森の中に消えていった。

これにて第3章終了です!


ようやく書きたかったとこまでかけた!


最近よく見る小説とは少し違って展開までが遅いので読んでくれてる方もムズムズされた方がいるかもしれません。


ただ、その分読み応えのあるものを作れるように努力しようと思いますので是非応援のほどよろしくお願いいたします!


あと、基本的に更新ペースは変わりません!依然として水曜、土曜の0時に上がります!

まだまだストックはあるので...w


ただそのストックが無くなると一時中断してしまうかもしれませんが、その時はまた更新報告しようと思います!


よろしくお願いします!

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