サンタの買い物
「なんだ、、飾りつけの話だったんだ」
「最初からそういってるだろ。何とち狂った勘違いしてるんだ」
「う、ごめんってば!」
リィナの誤解を解くのに時間を要してしまい、大幅なロスに少しだけいら立ちを覚えながら、リィナの頭をくしゃくしゃとかき回す。
「まあ、ラストの言い方も悪かったからな。全部がお前のせいってわけじゃないだろう」
「い、いたい!言ってることとやってることが違う!サンタ!」
痛がるリィナをスルーして、手に持った箱を見せる。
「それで、この箱についてだけど」
「無視、、、あ、それって」
「クリスマスのシンボルたるこの木に飾りつけをしないといけないんだけど、準備するの忘れちゃってさ。それでラストが言うにはこれが装飾品になるっていうからさ」
「うん、なるよ!それ、私の自信作なの!」
嬉しそうにこちらを見上げるリィナを見て思う。
やはり自分の作ったものには愛がこもるのだろうか。
そんな職人に僕ができる最大の敬意の示し方はただ一つ。
「それじゃあ説明の前に。これ、買います」
「え?」
「いくら?」
「えと、2万ユインだったかな、、」
「ほら、2万ユイン。釣りはいらねえ。なぜならちょうど払ってるから!」
リィナは眉をしかめて僕を見てくる。
「なんだよ。そんなに今のつまらなかったか?」
「そうじゃないよ。お金なんて、要らないよ。どうせ売れ残りだったんだし」
「売れ残りってのは、金をとらないことの理由にはならないだろ」
「そうだけど、、」
お金をリィナの手に握らせて、頭に手をのせる。
「作った人に敬意を払うのは、買い手の礼儀だ。それに今日が初めてのファミリアでの買い物なんだ。それがリィナの自信作なんて、これ以上の思い出はないよ」
「まあ、サンタが良いなら、、」
手に乗せられた金貨を握ると、いつもの笑顔で、僕に一言。
「お買い上げ、ありがとうございます!」
「おう」
雪が囲むこの冷えた雰囲気は、このやり取りだけで何故か暖まったように感じた。
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