みんなで雪合戦
「私たちも混ぜて―」
「お、来たか。お前がいないと始まらねえよ。さっさと雪、出してくれよ」
「みんなで雪合戦、しましょうっ♪」
「はいはい、っと」
昨日と同じように中庭を雪で埋める。
子どもたちはきゃっきゃとはしゃぎ、季節外れに近い雪を喜んでいる。
子どものころは僕も雪にはしゃいだなあ。
学校行くときとか自転車こげないって高校時代は思ったけどな。
「んじゃあ、早速チームを決めようか」
「それは決まってる。俺ら孤児院組と、お前ら赤組」
「え、サンタと二人だけ!?」
初心者であるリィナは本当に驚いているようだ。
確かに、相手は子どもといえど、15対2じゃ、リンチ確定だもんな。
「いやいや、忘れんなよ。僕たちにはこいつらがいるんだからさ」
手慣れた動作で呼び出すと雪から出てきた子どもより小さい雪だるまたち。
いつものように僕に飛びつく。
「寒い!おら、雪合戦だ。準備しろ!」
「ノー!」
雪合戦のプロである彼らは猛スピードで戦いの場を作り始める。
数分後、すぐに雪の壁ができた。
「よし、できたぞ。じゃあ、2分後に開始だからな」
「おう、よっしゃ、お前ら、勝つぞ!」
「「おー!」」
「ラスト―。子どもと雪だるまはリーダー禁止だからなー」
お互いが戦闘配置につく。
リィナが不安そうに僕に尋ねる。
「ねえ、サンタ。大丈夫なの?この子たちいつもより小さいけど」
「当たり前だろ。本気で作ったら、子どもたち殺しかねないんだぞ」
「なにそれ、雪合戦って、遊びであってるよね、、?」
「あってるぞ。さて、とりあえずリーダーを先に倒した方が勝つというルールだ。リーダーどうする?やりたい?」
「やってもいいけど、リーダーって、何するの?」
「特に決まってないけど、まあ負けたら覚醒させるためにあの薬を飲まされるくらいかな」
「サンタ、リーダーお願い」
「はいはい」
ものすごい速さでリーダーを任されたので、リーダーは僕になった。
「それじゃあ、作戦は特にないから、この壁から出ない程度になら、好きにやっていいぞ」
「うん、わかった」
ちょうど、2分後を告げるタイマーがなり響く。
「よーし、行くぞー!」
「「おおー!」」
「こっちも行くぞー。お前ら、作戦通りに、頼むぞ!」
「ノー!」
「え、作戦!?ないんじゃないの!?」
はったりに決まってんだろ。
―――――――
「雪だるまは頭を飛ばせば動けなくなる!さっさとやっつけちまえ!」
戦況はまだ互角、強いて言うなら顔面に雪を浴びて泣いている子と頭の飛んだ雪だるまが一人ずつといったところか。
さて、ここで誰にというわけではないが、僕の戦い方について説明しよう。
以前は雪だるまが敵だったこともあり、戦法を変えたが、今回は違うので、普段の戦い方をしようと思う。
やり方はいたって簡単。
「ノー!」
「うわあ、やられる~!・・・え?」
「お、おい、まさかこれは、、俺を狙って、、」
周りを無視して、リーダーと思われるやつを一人ずつつぶすだけだ。
「12体全員の猛攻、食らえ、ラスト!」
活発な子どもたちはほとんどが似たようにこちらに攻め込んでおり、お互いが12人に攻められているという構図が出来上がる。
「やれ」
「ノ―――――!!」
「ぐあああああああ!」
雪を全身に浴びて、冬将軍たるラストはあっさりと倒れた。
しかしまだ子どもたちが止まらないことから、リーダーではないことが分かる。
「リーダーはマイか」
「みんなー、やっつけちゃってくださいっ!」
「くらええ!」
「サンタ!」
いつの間にか壁の中に全員がきていて、13人に囲まれる。
リィナが僕の名を呼ぶが、狙われているのは彼女の方だ。
彼女と子どもたちの間に入り、盾になる形で立ちはだかる。
「っ!」
冷たい雪が全身に降り注ぐ。
「まずは一人ですね!後はリーダーっ、あ、、、」
力なく倒れるマイ。
「ノー!」
うしろからやってきた雪だるまが、マイに不意打ちを仕掛けたらしく、マイも気絶する。
「はい、リーダー気絶で終わり。僕たちの勝ちだな」
「ああー、また負けちゃったあ!」
「お兄ちゃん強すぎるよお~!」
「へ、そんなゆるい玉じゃ、まだまだだな。せめて鉛玉でも仕込まねえとやられねーぞ」
「・・・」
こうして一回戦は、あまり時間をかけることなく、幕を閉じた。
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