クエスト制覇
PM1:00。
腹の調子が良くなってきた僕とリィナは、金を稼ぐためにクエストを受けに来ていた。
早速クエスト募集板を前に、スマホを構える。
「何してるの?」
「今から受けるクエストの内容を記録しようと思って」
カシャッっと、一度だけクエスト全体を見れるように写真をとって、受付に向かう。
「こんにちは、クエストの申請ですか?」
「はい、あそこにあるやつ全部で」
「・・・え?」
少しの沈黙の後、目の前の営業スマイルが一瞬で崩れる。
横にいるリィナも、こいつ何言ってんだといわんばかりに眉をゆがめて僕を見ている。
「今日のうちに全部受けます。ほら、リィナカード出せよ」
持っていたカードをひったくって、受付に渡す。
「わ、わかりました。それでは、健闘を祈ります、、」
「ほら、いくぞ」
「ちょ、ちょっと!」
腕を引っ張って、外へ出る。
外で待っていたルドルフが引くそりに二人で乗り込むと、ルドルフが急上昇する。
「んじゃあまずは、一番近いところからやっていこうか」
「サンタ、自分がしたことわかってるの?」
「え?ああ、わかってるよ。クエスト受けたんだろ?」
「そうだけど、、あれ全部今日で終わらせるなんて無理だよ!なんで勝手にきめちゃうかなあ!」
子どもみたいにぽかぽかと殴ってくる赤髪の少女。
クエストの数はざっと見積もって20ほど。
そのすべてが討伐関連だ。
「ま、なんとかなるだろ。ルドルフ、まずは外の草原まで、頼むぜ」
「♪」
鳴り響く鈴の音は、クエストの始まりを応援しているようだった。
―――――
PM3:00。
「ようし、終わり。帰るぞ」
「本当に、わけわかんないよ、、まさか全部終わらせるなんて、、」
「いやー、冒険者っていいな。もしマイに会わなかったら、独身貴族っていう二つ名の冒険者になってた自信がある」
「それはなんかいやだな、、、」
僕たちはすべてのクエストを終わらせて、ギルドへと戻る。
敵は多かったが、空からの攻撃と、雪だるまたちのリンチによって効率よく敵を倒すことができた。
―――――
「いやー、受付の人のあの顔、面白かったな」
「誰だって、あれだけの時間でクエスト全部終わらせて来たら、そりゃ驚くでしょ」
そして帰り道。
報酬の入った袋をこさえて、店へ戻る。
孤児院で何をやるか決まっただろうか。
「ただいまー」
「あ、おかえりなさい!」
「よう、サンタ。戻ったか」
いつものように明るい笑顔で迎えられる。
その顔を見るに、どうやら何をやるかは決まったようだ。
「んで、何するか決まったのか?」
「おう、すげえいいのを思いついたぜ?」
「ほう、それはそれは。それじゃあ、ぜひ教えてもらおうか」
4人全員が椅子に座って、話を聞く空気になる。
マイが自信満々な顔で僕を見る。
「何をするか、、それはずばり―――」
二人で声をそろえて、叫ぶ。
「「クリスマスパーティです(だ)!」」
「は?」
季節外れの演目に、僕はあほみたいな声しか出なかった。
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