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『異世界で「ツボ」を突いたら神と呼ばれた件 〜指一本で魔王も聖女も救い出す、世界唯一の最強聖鍼術〜  作者: 鍼灸師いのぴー
【第七章:東方寒冷大陸と絶命の寒邪(かんじゃ)】

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第588話「甘い罠の地下四層!ドカ食いの熱と太白のツボ」

地下三層の腐敗毒水をクリアし、黄金の滑り台で地下四層へと突入した往診チーム!

そこに広がっていたのは、美味しそうな甘い香りと脂の匂いが漂う「ドカ食いと甘い誘惑の迷宮」でした! 暴飲暴食の罠にかかり、体が重くなって動けなくなる仲間たち……。


「東洋医学って言葉が難しい……」と感じていた読者の皆様にもスッと頭に入るよう、今回は誰でも分かる易しい言葉で、お腹の熱と油分をスッキリ洗い流す「究極のお腹リセット術」をお届けします! 怒涛のドタバタ展開をお楽しみください!

 黄金の滑り台を滑り降りた往診チームがたどり着いたのは、これまでの薄暗い地下迷宮とはまるで違う、キラキラと輝く豪華絢爛な空間だった。


 「うわあぁぁぁ……! なにこれ、すごいよ枢先生! お肉やお菓子がいっぱい並んでるっ!」

ネネが目を丸くして声を上げる。


 空間の中央には、山のように盛られたローストビーフ、トロトロのチーズ、甘いケーキやジュースが果てしなく広がる巨大なバイキングテーブルが鎮座していた。

そして、周囲の空気には香ばしい肉の脂と、とろけるような砂糖の甘い匂いが充満している。


 「おいおい……! 地下迷宮の深くに、なんでこんなご馳走があるんだよ! 解凍された古代の秘宝か何かか!?」

ガストンがゴクリと生唾を呑み込む。


 「……待て、ガストン! 罠だ! こんな場所に都合よく温かい料理があるわけが――」

哭が警戒して制止しようとした、その瞬間だった!


シュワァァァァ……ッ!


テーブルの中央から、甘い脂の煙がモクモクと立ち上り、不気味な肉とケーキの形をした怪物――「ドカ食い病魔・ギガニク」が姿を現した!


「ヒハハハハ! いらっしゃい、お腹を空かせた人間たちよ! 遠慮はいらない、好きなだけ肉を食い、甘いジュースを飲んで、胃袋を満たすが良いッ!」


ギガニクが手をかざすと、強烈な「食べたい欲求を引き起こす不気味な気」が空間全体に解き放たれる!


「うおぉぉぉッ! 我慢できねぇ! 肉だ! ケーキだぁぁぁッ!」

真っ先に罠にかかったのは、お腹を空かせていたガストンだった!

彼は我忘れてテーブルに飛びつき、両手に肉とケーキを抱えて大口で詰め込み始めた!


「ガストンさん、ダメです! それを食べたら――」

ネネが止めようとするが、ガストンだけでなく、周囲の警護隊員たちまでが次々とバイキングへ群がり、猛烈な勢いでドカ食いを始めてしまう!


「うぐっ……むぐっ……! 美味い……美味いけど……ぐ、苦しい……ッ!」

わずか数分の間に山盛りの料理を完食したガストンが、どさりとその場に倒れ込んだ!


「ガストンさんッ!?」


ガストンの顔は真っ赤に熟し、お腹は風船のようにパンパンに膨れ上がっている。

「うぅぅ……お腹が重い……身体が鉛みたいに重くて指一本動かせねぇ……! 口の中が甘くてベタベタして、胸の奥が熱くて吐きそうだ……!」


「……哭さん、ネネさん、近寄ってはいけません!」

枢が静かだが力強い声で警戒を呼びかける。


「これは、肉の脂と甘いものの食べ過ぎで、身体の中に**『悪い熱』と『余分なアブラ・湿気』が異常に溜まってしまった状態です!」


「悪い熱と、余分なアブラ……!?」

ネネが息を呑む。


そう、これまでの冷えの病気とは違い、今回は「脂っこいものや甘いものを食べ過ぎて、お腹の中にドロドロした熱がこもり、身体が重だるくて動かなくなる」**という、胃腸のキャパオーバー状態(ドカ食いによる熱と湿気の溜まり)なのだ!


「ヒハハハッ! 一度食いついたら止まらない! お腹の中に熱とアブラが溜まれば、人間は重たくて動けなくなり、やがて胃腸が完全に壊れて腐り落ちるのだぁぁッ!」

病魔ギガニクが油の滴る巨体を揺らし、動けなくなったガストンへ向かって押し潰そうと迫り寄る!


「 clinical に見て……おい相棒、あんな重たい身体になられたら、抱えて逃げることもできねぇぞ!」

哭が短剣を構えるが、空気中に漂う脂の熱気で、息をするだけで胸がムカムカしてくる。


「大丈夫です! 身体に溜まりすぎたアブラと熱は、お腹の働きを助ける『元気のツボ』と『水はけのツボ』を正しく刺激すれば、一瞬でスッキリ消し去ることができます!」


枢は往診鞄から、黄金の鍼と、爽やかなミントの香りがする特製の茶葉を取り出した!


「ハク、リナ! お腹の消化を助け、余分なアブラと油分をキレイに洗い流す『山査子さんざし』と『烏龍茶うーろんちゃ』を混ぜた、超すっきり清涼茶を全員の口へ注ぎなさい!」


「了解です枢先生! お腹スッキリ茶、注入ッ!!」

ハクとリナが、動けなくなっているガストンたちの口へ、温かく爽やかなお茶をすっと流し込む!


「そして……お腹のエネルギーを整え、溜まったアブラを外へ追い出す一番のツボへ……!」


シュパッ――!!


枢の手から放たれた白銀の鍼が、ガストンの「足の親指の付け根にある一番大きな骨の下」へ正確に刺さった!

打ち込まれたのは、お腹の消化吸収を助け、身体の重だるさを解消する最高峰のツボ――『太白たいはく』!

さらに、お腹の真ん中にある消化のスイッチ――『中脘ちゅうかん』へ、温かいお灸の気を優しく送り込む!


ジュワワワワッ……!


「――は……ハッ!?!? お腹の中から、スーッとする涼しい風が吹き抜けていく……ッ!?」

ガストンが目を見開いた!

パンパンに膨らんでいたお腹の張りが一気に収まり、胸のムカムカと激しい熱っぽさが嘘のように消えていく!


「身体が……軽いッ! さっきまでの鉛みたいな重さが消えて、全身に力が湧いてきたぞぉぉぉッ!」

ガストンが勢いよく立ち上がる!


「『太白』は、食べ過ぎでお腹が弱った時に、消化の力を助けて余分な水分やアブラを外へ流してくれる素晴らしいツボです! お腹の熱が取れれば、身体の重さはすぐに消えます!」

枢が爽やかに微笑む!


「 clinical に見て……最高の復活劇だぜ、相棒ッ!」

哭が不敵に笑い、跳躍!

動きを取り戻したガストンと哭が、完璧な連携で病魔ギガニクへ襲いかかる!


「食べ物を粗末にするバケモノめ! 豪力・お腹スッキリ一撃ッ!」

ガストンの力強い戦斧がギガニクの油のコアを打ち砕いた!


ドガァァァァァンッ!!


ギガニクは「お腹が……スッキリ軽いぃぃ〜!」と悲鳴を上げながら、綺麗なお茶の湯気となって消え去っていった。



バイキングの罠が消え、地下四層の奥に次の扉が現れる。


「ふぅ、食べ過ぎや暴飲暴食は、お腹の中に熱とアブラを溜めて身体を重くしてしまいますからね。皆さんも気をつけましょう」

枢が優しくみんなに呼びかける。


「おう! 腹八分目が一番だな!」

ガストンがお腹を叩いて笑うのだった。


言葉も展開も新しく生まれ変わった往診チームの冒険は、地下迷宮の更なる深部へ向かって進んでいく!

第588話をお読みいただき、ありがとうございました!


今回は甘いものや肉の脂の食べ過ぎでお腹に「熱と余分なアブラ(湿気)」が溜まり、身体が重だるくなったガストンさんを、枢先生が『太白たいはく』のツボでスッキリ解消する爽快なバトルをお届けいたしました!


 さて、今回は作中でガストンさんのパンパンなお腹と身体の重だるさを劇的に解消したツボ『太白たいはく』をご紹介します。


 「甘いものや脂っこいものを食べ過ぎてお腹が重い」「身体がだるくて動くのが面倒くさい」「お腹が張ってガスが溜まる」という時に、とっても役に立つのが足の親指にある『太白たいはく』です。

 場所はすごく簡単です!


足の親指の側面にあり、爪から足首に向かってなぞっていくと、一番大きく出っ張っている骨(親指の付け根の関節)があります。その骨を乗り越えたすぐ後ろにある凹みにあります。


ここは、お腹の働き(消化吸収の力)を元気にし、身体の中に溜まった不要なアブラや水分をキレイにお掃除してくれる最高のツボです。

食べ過ぎてお腹が苦しい時や、身体がだるい時にここを押すと、ズーンと心地よい響きを感じます。


ケアするときは、親指の腹を『太白』の凹みに当て、足の骨に向かって痛気持ちいい強さで5秒間ギューッと押すのを、左右5回ずつ試してみてください!

お腹の張りがスッと楽になり、身体が軽くなっていきますよ!


次回の第589話は8月1日(土)12:00更新となります。地下迷宮の最深部に眠る真のボスとは!? ぜひご期待ください!

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