姉妹坂 vol.025 お昼休みが終わりの頃の職員室。
お昼休みが終わりの頃の職員室。
「あら、あなたたち…???」
そして、弓道部1年部員のレミの顔を見て栞奈。
「ふん。小波渡さん…。どうしたの…???」
レミの隣の可羊子を見てにっこりと栞奈、
「こんにちは。もしかして…、昨日…転校してきた…。矢島可南子さんの…妹…さん…???」
レミ、
「ねね、先生…???」
「ん~~???」
栞奈。
可羊子、
「竹脇…先生…。こんにちは。矢島可羊子と申します。」
ペコリと栞奈にお辞儀をして…。
「はい。竹脇栞奈と申します。こんにちは。」
栞奈も可羊子にお辞儀をして。
「ねね、先生。矢島可羊子、弓道部、良いですか…???」
ダイレクトにレミ。
栞奈、そんなレミの声を聞いていきなり、
「え…???ええええええ…???」
可羊子、栞奈の前で、口を一文字にして…。
レミが続ける。
「可羊子さん。岡山の倉敷で、中学時代から弓道部だったんだって。」
「へぇ~~。」
「ねね、いいでしょ、先生…。可羊子さんが弓道部に入ると、私も嬉しい~~。」
そんなレミの声に栞奈、
「そうねぇ~~。」
そして、
「矢島さんは…、どうなの…???弓道部で…???」
栞奈の前で可羊子、少しドキドキしながら…。
「お…願い…出来ますか…???弓道…以外…、他の部活の経験…ない…ので…。」
栞奈、少しキョロキョロさせて、そして2年担当職員の配列の夏妃の顔を見て、
夏妃、にっこりと。
更に、栞奈の斜め向かい席の田所要次の顔を見て。
要次、両手を組んで、そこに顎を付けて、こちらもニッコリと。
「栞奈先生。よろしいのでは…。中学で3年間も弓道とは…、実に逞しい限り。逆に私の剣道部に欲しいくらいですよ。…とは言え…、男性ばかりですけど…。」
笑顔で…。
栞奈、
「田所先生まで…。…ありがとうございます。」
あらためて可羊子に向き直って栞奈。
「じゃあ~~。矢島さん。弓道部、歓迎します。よろしくお願いします。」
その一言で可羊子、笑顔の表情になり、
「ありがとうございます。頑張ります。」
「じゃあ、詳しい事は…小波渡さん。お願い。出来るかしら…???」
引き出しから入部届けの用紙を取り出して可羊子に渡す。
レミ、
「はい。分かりました。ありがとうございます。」
4人共に、職員室のドアに向かう。
用紙に指を当てて説明するレミ。
「そうですか~~。あの子が、例の…岡山、倉敷の優等生。」
要次。
栞奈、
「えぇ。お姉さんが、私のクラスで…。」
「そうですか~~。頼もしい限りですなぁ~。弓道部。今や我が校の人気部ですから。はははは。美人顧問のお蔭です。栞奈先生~~。かかかか。」
そんな要次に栞奈、
「田所先生~~。」
「いやいや…。これはうっかり。けれども、これだけは…。…応援させて戴きますよ。うん。」
栞奈、
「はい。ありがとうございます。」