表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
43/166

怪物になろう

序盤、お互いオーソドックスな手順で進めていたが、相手を押し込んでいるのは今女。

特別なことをしているわけではないが、全体のプレイヤーの腕前で上回っていた。


対する共創はエースFlowを中心に攻めるという今までの戦法が通じない相手に初めてぶつかり、焦っていた。

センターで対する今女の笑空は、予選から今までまったく使ってこなかったカリスマを出してきたが、その動きに迷いはなかった。


「ゴールド差がついてきたね」里美が愛に言う。

「うん。フィールドライトも相手の陣地に置けてるね」


ウィルダネスは通常だと暗く、見えないようになっている。

だが、フィールドライトというアイテムを置くことにより、その周辺が照らされ、視界が得られるようになる。これが相手の陣地に入り始めた、ということは優勢であるという証である。


視界が広ければ動きやすくなるのはスカウトの兎咲だ。

チャンスと見るやセンター笑空に加勢。2キル目を奪う。


アンダーでは相変わらず華湖が優位を作っている。

そのおかげで、兎咲は中立モンスターを邪魔されることなく、狩ることができた。

そのまま再びセンターに戻り笑空との連携で3キル目。

さらに下は十分と見るやアッパーへ向かい4キル目。


この時点で笑空は相手センターと1500ゴールド差を付けていた。これは強力なアイテム1つ分ほどの差である。

センターが有利と見た兎咲と華湖はタイミングを合わせ、笑空と共に奇襲をかける。相手プレイヤーはスキルを使いなんとか逃げるが、1つ目のフォートレスを破壊することができた。


ここまで有利に進めて来た今女は、中盤に出現する強力な中立モンスターを狩りにいく。

狙うのは火竜。数種いる竜タイプのモンスターのうちの1体。倒せばチームの攻撃力がアップする。

共創はこれを成されればさらに不利になる。竜狩りを察知した共創は防ぎに行くが、すでにレベル差を付けられた今女から返り討ちにされ2キルを奪われることに。さらに竜狩りも成功されてしまう。


予定通りに試合を運ぶ今女は試合を決めるべく動き始めた。

アンダーの華湖と栞子はアッパーまで移動し、楼瑠に加勢。そのままアッパーの1つ目のフォートレスを攻撃する。

共創の救援は間に合わず、キルとフォートレスをあっさり奪われる。


共創0キルに対し今女は9キル。


圧倒的不利になった共創だったが、このままでは終わらない。

笑空、華湖、兎咲で再び竜狩りへと向かったときだ。

竜の強化効果は3つまで重複する。これを奪われるとさらに不利になる共創だったが、この動きを読んでいた彼らは全員で防ぎにいった。

しかも、上と下からの挟撃の形を上手く作り出すことに成功した。


KAKO:《上からも来てます!》

UsagiPaisen:《まずいぴょん!》

Azam:《…私が…行く…2人は…逃げて…》


笑空は上から来た3人に突っ込んだ。華湖と兎咲は下の2人を相手にする。

笑空が上に行ったのは、華湖と兎咲なら同人数であれば問題なく逃げられると読んでいたからだ。だが、いくら笑空とはいえ3対1で勝つことは不可能だった。


《Azam選手、Flow選手をキル!…だがここで力尽きるぅ!》


笑空の選択にはもう一つ理由があった。Flowの存在である。

例え刺し違えても、それがエースであるFlowなら、2キル分の価値はあると踏んだのだ。


「あー!笑空先輩ーキルされちゃったよー!」

「大丈夫だよ、玲流。あの状況なら最善の選択だよ」

「うん。愛の言う通り。瞬時にあの判断ができるのは流石よね」

「おーそうなんだー!さすが先輩だねー」


一矢報いた、と言いたいところだったが、これではお互い1キルで差がつかない。竜狩りを防ぐことには成功したが、この程度では焼け石に水だ。


そうして、彼らはまだ気がついていなかった、こうしている間にも『怪物』が育っているということに。


《これは!?KANKO選手、単独で突っ込んだぞ!?》


ダウナーの相手2人に単独で攻め入った栞子は、激しく抵抗するもキルされてしまう。


「愛!栞子先輩やられちゃったよ!」

「えー!どうしちゃったのー?あんな無理しなくてもー」

「いや、里美も玲流も落ち着いて。あれは…」


KANKO:《ぃよし!スキルは使わせたぞ。あとは任せたぜぇ》

KAKO:《ハイ!ありがとうございます!》


《さぁ共創が1キル返し…おっと!?そこにKAKO選手が飛び込んできた!!》


観客達が飛び込む姿を見たその瞬間、2つのキルが発生した。

すでに栞子に対しすべてのスキルを使い果たしてしまった共創の2人。そこへ強大な攻撃力を持つまでに育った華湖のサリーが襲いかかれば、もはやどうしようもなかった。

半分以上は残っていたはずの体力は瞬時になくなり、2人のカリスマが消滅する。ダブルキル。


開始20分過ぎ。

相手とのレベル、そしてアイテムの差。中立モンスターによる攻撃力の増加。

さらにここまで1度もキルされず…サリーは生き続けるほどに攻撃力が上がるという固有能力を有している。

その攻撃力は、そのまま単独でフォートレスを破壊できるほどであった。


ここまで育った怪物に抵抗する術は、共創にはもはやなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ