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ブサメン転生  作者: ユタユタ
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犯人は誰?

犯人は誰?



ピノがオーガの攻撃を盾で受ける。

その瞬間に、私がナイフを投げてそのオーガの体勢を崩し、ミュスが止めを刺す。

「まだ来るぞ!」

私の声にメンバーは周りへと意識を向ける。

現れた4体のオーガに向けて私の後ろから『ファイヤーアロー』が飛ぶ、ヴィオニエだ。

火の矢が突き刺さったオーガに短剣を持って斬りかかる。

オーガは手で火の矢を払うと剣を振りかぶった。

降り下ろされる剣を踏み込んで回避して喉元に短剣を突き刺した。

ミュスがオーガを1体を引き受けている。

盾役のピノは2体のオーガに押されているようだ、ピノの方へと体を向けたその時、

「アンジュ!」

後ろから声を掛けられ振り替えると、ヴィオニエがこっちに向かって走ってくる。

その後ろには3体のオーガが。

多い!

「スリープ使って!」

精神魔法を使うようにヴィオニエに指示して、3体のオーガとヴィオニエの間に走り込む。

短剣を構え、じりじりと下がりながら、

「ミュス!早くして!」

と声を出した。

私では3体のオーガ相手に盾役なんて出来ない。

『スリープ!』

ヴィオニエの精神魔法が発動して3体のオーガに向かって白いモヤが飛んで行く。

3体のオーガ達がふらふらとしながらも、頭を振ってレジストしようとしている。

一番左の一体に近付き喉元に短剣を突き刺して。

短剣を引き抜くその時に、返事の無いミュスの方を振り替えると、ミュスが血まみれで倒れていた。

ミュスの回りにも3体のオーガがいた。

「ミュス!」

私が短剣を突き刺したオーガは倒れたが、残りの2体のオーガが、

『オオォヴ!!』

と咆哮を発し、剣を振り回す!

『ガ!!』

近くのオーガの剣の腹が私の右腕を捉え、私は吹き飛ばされる!

「キャ!」

吹き飛ばされる私を見てヴィオニエが悲鳴を上げる、ヴィオニエが震えながら魔法を唱えようとしているその後ろで、盾役のピノが倒れた。

終わった。

全滅、そんな言葉が頭に浮かぶ、

『ファイヤーアロー!』

ヴィオニエが私の近くのオーガ2体に魔法を放つが、オーガは片手でそれを弾いた。

ヴィオニエの目に涙が溜まっている。

折れた右腕から短剣を取って左手で構えると、ヴィオニエの方へと歩きかけていたオーガの背中に飛びかかる!

短剣を背中に突き立てようとするが、

『ゴ!』

私の存在に気付いたオーガの肘が私の顎にヒットする!

ヴィオニエを逃がすことすら出来そうにない、、

倒れた私を見下ろすオーガは、剣を振り上げると私目掛けて降り下ろす!

死!

その時、

『ギャン!!』

金属と金属がぶつかる音がして、

降り下ろされようとした剣が目の前から消える。

私のすぐ横に一人の男が立っていた。

その男は左手で短剣を抜き、そのままオーガの首をはね。

右手は腰のナイフを投げる。

そのナイフはミュスに止めを刺そうとしていたオーガの喉深く突き刺さった。

男が目の前から『フッ』と消えた瞬間に、その横に立っていたオーガの体は上下二つに別れて、『ドゥ!』と音を立てて倒れる。

そして男はいつの間にか、ミュスの隣に立って剣を振るい、残り2体のオーガの体を切り裂いた。

その時、血を流して倒れるミュスの体が淡く光った。

神聖魔法?

驚いて体を起こそうとすると、

「伏せて!」

と、男が叫んだ。私は慌てて体を横たえると、

それから男の体に魔力が充満して、、

『ファイヤーアロー!』

と叫んだ。

その瞬間、100本以上の火の矢が宙に『ふわり』と浮かぶ。

そして、

『バシュン!』

と音を立てて火の矢が四方八方へと飛んで行く!

森の中に潜伏していたオーガ達に当たると火の矢はオーガを火だるまにする。

「ありえない、、、」

思わず口からこぼれた。

一度に出現させられる火の矢の数はせいぜい多くても10本程度、こんなに沢山の火の矢を一度に一度に出現させて、しかも、

その男は涼しい顔をしながらピノに近付くと神聖魔法らしきものを唱ええている。

ピノと、ミュスがゆっくりと立ち上がった。

神聖魔法を使える冒険者は稀少だ。

神聖魔法は神殿に遣える人間のみが習得可能で、当然神聖魔法を使えるという事は神殿に属している。

神殿に遣えている人間は通常。冒険者に成ることを許されない。

しかも、神殿に居れば収入も安定するのでわざわざ冒険者になりたがる奴はいなかった。

その男はヴィオニエにも神聖魔法をかけて、私の方へと歩いてくる。

その男の装備は黒で統一され、顔をスカーフで隠している。

黒のハットとスカーフの間から見える目は優しくも力強い目をしていた。

何処かで見たことがあるような、、、。

あっ!

と、思い出して喋ろうとして顎をオーガに砕かれて喋られなく成っていたのに気付く。

その男は慌てて近付いて私に神聖魔法をかけてくれた。

『ヒール!』

その声と共に体から痛みが引いていく。

「助かったよ。この恩は忘れない」

私はそう言って手を差し出した。

「気にしないでください、困った時はお互い様ですよ」

そう言って私の手を取って、握手してくれた。

澄んだよく通る声をしている。

「あんた、義明かい?」

「あっ、覚えててくれたんですか?そうです、義明です」

義明とはギルドで合った。

ギルドのまとめ役をしているトッドさんが義明の事を凄腕だと言うので、ギルドで手合わせしてもらった。

「まったく、投げナイフの技術を自慢するんじゃあ無かったよ!私よりよっぽど凄いじゃないか」

「いえ!そんな事無いです!ただ力が強いだけで、、、。技術的にはアンジュさんと一緒というか、同じというか、、、。パ、パク、、、」

「何言ってんだい!普通投げナイフはあんなに深くは刺さらないよ!対したもんだ。投げ方も理想的だ。それに、短剣だって!」

「いや!いや!そんな!その、その!本当にごめんなさい!」

「何を謝ってるんだい?」

その時パーティーメンバーが私達の近くに近寄ってきた。

「ありがとうございます」

ヴィオニエが言った。義明の手を取るとその手を自分の胸元へと寄せる。

「い、いえ!」

義明は狼狽した様子でヴィオニエと距離を取ろうとする。

「本当にありがとな!」

逃げようとした反対側にはピノが居た。

二人に挟まれる格好になっている。

「とってもお強いんですね。感心しましたわ」

ミュスがさらに義明を挟むように近寄った。

「しかも、神聖魔法を使えるのか?」

「あっはい、一応」

私の質問に義明が答えた。

「凄いですわね。一応自己紹介をさせてくださいませ。私このパーティーで剣士をしております。ミュス・カデルと申します」

「俺はピノ。俺は戦士、盾役だ」

ピノはそう言って盾を持ち上げた。

「わたしはヴィオニエ。魔術師です」ヴィオニエはペコリと頭を下げた。「アンジュの事はご存じな様なので、貴方様のお名前を教えて頂けますか?」

「義明、鈴木義明です」

義明は視線をフワフワと泳がしながら言った。

「義明?前にアンジュが『フェイスガードマジック』って言ってた?!」

『ゴスッ!』

ピノの向こう脛を思いっきり蹴った!

ニコニコしながらピノの方を見て、

「俺、そんな事を言ったか?ん?!」

と言うと。

「す、すまん!気のせいだ。悪かった!」

と謝った。この!脳筋が!

『フェイスガード』とは、装備の1つで、顔の回りを守ってくれる装備なのだが。

人は目以外を隠すと、どんな人間でも以外とカッコ良く見えるもので、

フェイスガードを付けていると、どんなブサイクでもイケメンに見えるのだ。

逆もしかりで、女も目だけ出して外は隠したような装備をしていると以外とキレイな女に見えるのだ。

戦場でフェイスガードを着けた男と女が出会って、恋に落ちて。

戦闘が終わってから町で会うと、思っていた見た目と違って見えガッカリするのだ。

そんな出会いの事を『フェイスガードマジック』と呼んでいた。

義明は常にフェイスガードでは無いが、スカーフを顔に常に巻いているので、目以外の容姿がよっぽど悪いのだろうと勘繰っていたのだ。

しかし、見れば見るほど整った顔をしている。

スカーフで目から下は見えないが、鼻筋はキレイに通っているのが分かる。

こうなるとどんな顔をしているのか気になるのが乙女心で、、、。

ヴィオニエに目配せすると小さく頷いた。

「本当にありがとうございます!」

ヴィオニエはそう言って握った手をさらに強く抱いた。

「本当に関心しましたわ。貴方様の様な強い男性が、、」

ミュスも私達が何をしようとしたのか察したのだろう。さらに義明へと近づいて体を密着させる。

「本当だ、何てお礼を言ったら良いか」

俺もそう言いながら義明に近付いて、狼狽している義明のスカーフを引っ張った!!

「あっ!!!」

義明が慌てて顔を隠そうとするが、、、。

「あっ」

俺の口から熱い吐息が漏れる。

そこに居たのは絶世のイケメンだった、、、、。

自分の下腹部が熱くなるのが分かる。

通った鼻筋は低くも、高過ぎでもない丁度良いサイズで、意思の固そうな口元と、吸い込まれるような目。

気づいたら、

「俺達の、いや、私達のパーティーに、は、は、入りませんか?」

と誘っていた。

「そ、それは良い案ですわ。義明様は神聖魔法を使えますし、、、」

「い!良いね!あの魔法凄かったよ!私にぜひ魔法の手解きして欲しいなぁ?って!」

「そ!それ良いな!ぜ!ぜひ仲間になってくれよ!な!」

皆口々に義明に話し掛け、ズリ、ズリ、と義明にすり寄っていく。

皆が義明に体を密着させて上目遣いに懇願するその時、

『プゥ』

と音がした。

そして漂う香り、、、。

「おい!ピノ!お前だな!空気を読め!この、脳筋が、屁ぇこきやがって!」

「ち!違う!俺じゃねえ!ミュスじゃないのか!お前昨日、ニクイモ散々食ってたじゃねぇか!」

「わ!わたくし、ニクイモなんて、た、食べませんわ!!」ミュスはあからさまにキョドっている。「それより、ヴィオニエじゃあないですの?この臭い、確かにニクイモの臭い、貴方、昨日パクパク食べていましたわね!」

「ちょっと待ってよ!確かに食べたけど、ニクイモなんて皆好きじゃん!でも、はっきり言って私はしてないよ!」

ヴィオニエがそう言うと三人の目が私に向く!

「ちょっと!俺だってしてないぜ!命をかけてもいい!」

皆を目で牽制する。

空気が張りつめている。

「その、ごめん、俺なんだ」

義明が言った。

「大丈夫だよ」義明は優しいな。「良いんだよ、屁をしたのはピノに決まってる、こいつはいつも空気を読めないんだ」

「いや、本当に俺なんだけど、、、」

「大丈夫だよ」ピノが言う「義明。だって義明からおならなんて出る筈が無いぜ?どうせ、昨日散々ニクイモを食ってたミュスがしたんだ」

「いや、おならをしたのは俺なんだ、俺も朝ニクイモを食って、、、」

「いいんですの。義明様がニクイモなんて下賎な食べ物、お食べる筈がありませんわ。私の事を庇ってくださって、、、。お優しいんですね。でも、大丈夫です、おならをしたのはこのヴィオニエですから」

「だから違うって!私はしてない!一番ニクイモを食べてたのはアンジュじゃないか!」

「ちょっと待て!一番食べてたのはピノだろ!パクパク食べてたじゃないか!」

「違うね!私じゃあ無い!ミュスだ!こいつ、皆に隠れていつもコソコソ食べてるんだよ!」

「ちょっ!違います!わたくしニクイモなんて食べませんもの!それより、ヴィオニエが怪しいんじゃあ無いですの?!だって、ニクイモがあれば外に食べ物は要らないって言ってましたわ!」

「違う!私じゃあ無い!義明!義明は誰がしたと思う!」

「そうだ!義明!」義明を探す。「あれ?義明はどこ?」

気付いたら義明は居なくなっていた。

ゲレンデマジックって知ってますか?

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