田中 マリ
田中 マリ
「何だか良く分からねぇけど、上手くやってるよ」
真二君がクラスメイト達の質問に答えた。
「そんな説明じゃあ、分かんねぇよ!」
女の子達に突っ込まれている。
「ええ?!」
面倒なんだよ!と言いながら真二君は去った。
私も本当は色々知りたいのだけど、真二君は国王から義明君の動向は全て喋らないようにと命令されていた。
無理に聞けば真二君を困らせるだけなので出来なかった。
義明君が居なくなってからなんだかこのクラスはギスギスしていた。
つまらない事で喧嘩になったり。
召喚されたときに得たスキルで人を傷付けたり。
私は出来るだけ仲の良い人以外とは目を合わせないように下を向いて過ごしていた。
そして今もイスに座って下を向いてい。
その時広間の扉が『ガラ』っと音を立てて開く。
のそり、のそりと。
三人の男が部屋に入ってきた。
いつも義明君にひどい言葉浴びさせていた三人組だ。
三人は異世界に来ても素行が悪く異世界に来たときに貰ったスキルで教官を傷付けたりしていた。
三人の素行の悪さはどんどん悪化していったのだが。
それは一昨日までだった。
急に大人しくなったのだ。まるで性格を弄られたかのように。
いつもは、こうやって部屋に入ってきたら。
この世界に対する不平不満を言い。
机や椅子を足で蹴ったり。
他の人に絡んだり。
ろくなことをしなかった。
それが、今は無言で部屋に入ってくると、焦点の定まらないまま何をするわけでもなく椅子に座っている。
不気味だった。
今までの三人とは全然違う。
そして、不気味な点はまだある。
皆、妙に喧嘩腰なのだ。
ただクラスメイト同士がギスギスしていると言うより。何かに急かされるかのように喧嘩をするのだ。
そして、それは私もだった。
異世界に来て心に余裕が無い。
そう言われてしまえばその通りなのだけど、それだけではけして、証明出来ない何かが自分の中にあった。
『義明君!』
心の中で義明君を呼ぶ。
もう無理!
自分が自分で無くなるような感覚に襲われる。
私がこのままここに居たら絶対に頭が狂っちゃう!
行動に移したほうが良いのかもしれない。
私のスキル
『某装少女』
でここを抜け出す!




