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爆弾に吹っ飛ばされた私の着地の仕方  作者: サトウアラレ
番外編

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番外編 高木君の誕生日プレゼント1

この番外編は3話物です。

高木君の誕生日があと一週間という所で、私は、高木君の誕生日プレゼントを用意していない事に気付いた。



しまった。



高木君って何が好きなんだろう。



高木君の誕生日は一緒に家でのんびりする予定だ。ご飯を食べて、一緒に選んだコーヒー豆でコーヒを飲み、私が焼いたクッキーを食べ、そして近所で評判のケーキを買ってお祝いをする。



ケーキも作って欲しそうだったけど、失敗したら嫌なのでクッキーを二種類焼くから、ダメかな?と言うと、



「二種類嬉しい、なんか得した気分だな」と喜んで貰えた。



アイスボックスのモザイククッキーを前日までに作る準備をして、当日、オーブンで焼く。

もう一種類はホロホロした食感にするか、ザクザクのナッツにするか、しっとりのブラウニーにするか悩み所だ。


アイスボックスもモザイクだけじゃないくて、スマイルみたいなのとか、ハートにしたら喜ぶかな。

お菓子の事は思い浮かぶのに、プレゼントはすっかり忘れていた。


あー。どうしよう。


私は会社のいつものメンバーに昼休みに相談する事にした。



「高木君の誕生日プレゼントを忘れてました、何が欲しいか聞いていいですかね?」


と、聞くと、苦笑いされ、津田さんからは、


「もうはるちゃん先輩がリボン着けて、「プレゼントはわ・た・し☆」ってやったらいいんじゃないですかあ」と言われた。



新しいネイルを見せてくれながら鈴木さんがジロリと津田さんを見た。



「アホ。財布がいいんじゃない?普段使える物、とか身に着ける物欲しがるんじゃない?相手はアクセサリーやっても着けれるか分からないでしょう?」



安永さんもお弁当を食べながら考えてくれた。



「そうねえ。私も夫に財布あげた事あるわ。あとは、ゲーム欲しいって言われた事もある。あと、水槽。うち、熱帯魚飼ってるのよ。それで大きな水槽を買いたいって言ってね。思ったより高かったわ。まあ言ってくれるのは楽よねえ。あとは靴。靴はサイズが分からないといけないわね。」



成程、と私は頷く。


鈴木さんも、そうねー、と言いながらサンドイッチを食べていた。



「私はおそろいのブレスレットあげた事あるわ。あと、帽子。お父さんにはネクタイ、ベルトをあげたわね」



「うーん。もう少し前なら本人に聞いていいと思うけど、今から聞くと忘れてたのバレバレね。聞かない方がいいわね」


安永さんの言葉に私は頷く。バレバレはやばい。


津田さんはおにぎりを食べながら聞いてきた。



「はるちゃん先輩、彼さんの趣味はなんですか?趣味の物あげたらどうですか?」



「珍しく良い意見。そうよ、なんかないの、趣味。スポーツとか好きな歌手とか。ネットとか、読書とか、映画とか、ゲームとか、キャンプとか。なんかあるでしょ」



私は首を傾げる。



「甘い物食べてコーヒー飲んで、のんびりしてますね。食べ歩き好きみたいですけど。マニキュアに興味ありそうでしたね。普段、何してるんでしょうね。この間、津田さんがくれた手芸キットで指輪作って貰いました」



「なんか老後の二人って感じね。若々しさがないわ。マニキュアや手芸キットはまた今度あげたら?んー、読書とかもしないの?じゃあ、もう、エプロンとかあげて、一緒にお菓子作ろう、とかでもいいんじゃない?」



「あらー。エプロンいいわね。エプロンも良い物はまあまあ値段するのよ。せっかくだからプレゼントで良い物あげたら?今から仕込めばきっといい旦那になるわ。洗い物から教えたらいいんじゃない?で、お皿直す所までが仕事って教えてね。二人のおそろいエプロンとかもいいかもよ?武蔵ちゃんにラブラブな感じの彼だからおそろいなんて喜ぶかもね」



「うん、新婚みたい。いいんじゃない?部屋の中ならバカップルと思われないし。料理を趣味にするのもいいかもね」



私はふむふむと頷いた。



「いいですね、ちょっといいエプロン買おうかな。普段買いませんもんね。絶対持ってないだろうし。財布や、靴は好みもありますし、コーヒーも一緒に飲むのを買って貰ったんで、二人でエプロンにします。色違いとかにしようかな?どこかおすすめのブランドとかあります?」



携帯を操作していた津田さんがおお!と声を上げて携帯を見せてくれる



「良いの見つけました!!コレ可愛いですよ!!レースのフリフリ!スケスケレース!ハートとか色々ありますよ!いろんなバージョンがあるらしいです!いいんじゃないですか?」



「無しで」



「えー。はるちゃん先輩、絶対似合うのにー。絶対喜ぶと思いますよ?頭に着ける大きなリボンも売ってますよー。メイド仕様もありますよー?」



携帯を見ながら津田さんは唇を尖らす。

可愛い顔しても、無しは無し。



「そうねえ、喜ぶだろうけど、今回は無しにしましょ、だっておそろい買うんでしょう?彼君もレースのフリフリになっちゃうわよ?リボンもいらないでしょう?」



「あー。でもそれは有りじゃないですかあ?彼さんとかがしても、きっと可愛いですよう?ギャップ萌えですね」



「いや、なんのギャップよ。無しでしょ」



私も頷き、鈴木さんと安永さんの意見に賛成した。



「カフェの店員さんとかの感じのエプロンがいいですね。私は上まできっちりあるタイプが汚れなくていいですけど。高木君は下だけのタイプがいいかな」



「うん、いいんじゃない。黒とか、紺とか、シックな色が男の人も着けやすいんじゃない?デニム生地もいいけど、武蔵ちゃんとおそろいならデニムより、黒か紺がいいかもね。武蔵ちゃんも可愛いと思うわよ」



「今日の帰りにエプロン見にお店、回ってみます。決まって良かったです。もう、急いで買わなくちゃいけなかったですね。あー良かった」



私がほっとしていると皆が笑った。



「まあ、なんか武蔵ちゃんらしいわね。でも、喜んでくれるといいわね」


「はるちゃん先輩、ミニスカエプロンにしましょ。それか・・・、ムフフですよ。ムフフ」


「もう、あんたは黙ってなさい。とにかく相手の大きさはどんなんだっけ?ジャーマンシェパードなんでしょ?」



私は高木君を思い出した。



「うーん、私より30cm位大きいと思います」


「でか。え、そんなデカいの。ジャーマンシェパードって大型犬?あ、でも武蔵ちゃんが小さいか。じゃあ、それ、店の人に言った方がいいわ。エプロンのタイプでは窮屈なんじゃない?



安永さんも頷く。



「そうねえ、体が大きいとやっぱり下だけの巻くタイプがいいかもね。上までは一緒に選んだ方が無難ね」


「成程、では、色は黒か紺で巻くタイプのエプロンを探します」



昼休みは無事に誕生日プレゼントも決まり私はホッとしていた。






あと2話高木君の誕生日の話が続きます。



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