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爆弾に吹っ飛ばされた私の着地の仕方  作者: サトウアラレ
番外編

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番外編 武蔵ちゃんの誕生日4

次の日、昼休みに携帯を見るとメッセージが届いていた。



「武蔵が都合のいい時会いたい。おれ明後日連休だから、武蔵の都合が良ければ仕事終わりに会えないか?」



と入っていた。


今日は迎えに来ないのかな?



「いいよ」とだけ送った。



私は高木君に聞くことを考えながら昼休みをすごし、その日は高木君から連絡がなかったので、まっすぐに家に帰った。



次の日も連絡はなく、私は「おはよー。いい天気だね」とメッセージを送った。



会社帰りにメッセージが届いていて、「ごめん。仕事で見れなかった。明日迎えに行く」とだけ、入っていた。



高木君はまめだなあ。と思いながら、買い物をし、部屋に帰った。



次の日、仕事が終わると、会社のビルの前に高木君が待っていた。



「ごめんね。待った?」と聞くと、


「ん。大丈夫。武蔵、今日時間大丈夫?」と聞かれ、


「うん。大丈夫だよ。ご飯行く?」と聞いた。


「うん」と答えた高木君はやっぱりちょっと元気なくて、なんだかそわそわしていた。


私はご飯何処行こうかなあと思いながら、「じゃあ、来々軒久しぶりに行く?」と聞くと、


「うん」と高木君は答えた。



来々軒までは歩いて15分程で時間もまだ早いし、店は混んではないだろうと思いながら歩いた。


高木君が元気ないのは気になるけど、無理に聞くのも嫌だし、悩みを言いたくない時もあるし、私は何を食べるか考えることにした。


来々軒に着くと、この間と同じ席に座った。



「前もここだったねー」と言うと、高木君も「おう。」と言って笑った。



少し元気になったのかな。お腹すいてたのかな。


私は担々麺にして高木君はチャーハンと麻婆豆腐と肉とキャベツの味噌炒めを頼んだ。



「武蔵も食べていいよ」とやっぱり私に勧めた。



高木君はきっと、私の事を食いしん坊と思っているんじゃなくて、シンプルに美味しい物を分けたいんだろうな。



私が「有難う」と言うと、


高木君はにっこり笑って「おう」と言った。


なんだか少しずつ高木君の事知ってるな、と思ってると、「ん」と言って高木君がお冷をくれた。


「有難う」と言って受け取ると、また「おう」と言われた。



そういえば、と高木君にどうでもいい話をしてみることにした。



「ねえ、高木くん。もし私が動物だったなら何に似てると思う?」


「え」


「なんでもいいよー」


「・・・」



あれ、高木君が困ってしまっている。なんか難しい質問だったのかな?


私がふむ。と考えていると料理が来て二人で食べた。私に高木君は料理を分けてくれたけど、私は担々麺だったので、先に少し食べる?と聞いたら、いい。と言われたので、一人で全部食べた。


私は高木君はジャーマンシェパードに似てると思ったから、高木君は私を何に似てると思うんだろうと思っただけなんだけど、ダメな質問だったのかな。難しいな。


志麻ちゃんや、かおるこさんだったら色々言ってくれたり話せたりするんだけどな。



「ねえ、高木君。何か言いたいことあるの?それか聞きたいこと」


「え」


「私、聞きたいことや言いたいことあるんだけど、いい?」


「え。えっと、ちょっとまって。お落ち着いて話そう。飯食ってからとか」


「あ、そうだね。ご飯食べてからにしよ。のびちゃうし」



私は、担々麺を美味しく頂き、高木君もチャーハンを食べていた。


ご飯を食べお店を出て、高木君を見るともじもじしていた。



「ねえ、高木君、何処で話そうか?ちょっと遠いけどうちくる?それか、どこかカフェ入る?」


「武蔵の部屋がいい」



高木君から答えられ、じゃあ、行こうか、何か飲み物買う?と話ながら私の部屋に行った。


部屋に着くと、「お邪魔します」と高木君が部屋に入り、


あ、高木君、部屋の中は入るの初めてだったな。と思った。



「散らかってるけど、気にしないで。コーヒー飲む?高木君ドリップする?私上手くないから」と言うと、



「武蔵がいれたの飲みたい」と言われたので。



「いいよー。座ってて」と言うと、いつも志麻ちゃんが座る所に高木君がいて、変な感じがした。



コーヒーを淹れ、私も座り、高木君とコーヒーを飲んだ。



「うーん。まあまあ?お店と同じ豆なんだけどね。挽いてもらって買うから香りが飛ぶのかな」


「普通に美味いよ」



高木君はそういってくれたけど、私は首を傾げて飲んでいた。



「ねえ、高木君。私聞きたいことも言いたいこともあるの」



高木君がごくっとのどを鳴らした。



「あ、でも、高木君今日何か用事か話したい事があったんじゃない?それから聞きたい」


「あ・・・。うん・・・」


「うん、どうしたの?」


「えっとさ、俺やっぱりちゃんと武蔵に謝りたいんだ。あと、別れたくない」


「うん?」



私は首を傾げて何ですと?と思ったが、若干下を向いている高木君には私の様子は分からないかもしれない。



「遅くなったけど、武蔵の誕生日祝いたいし。誕生日祝えなかったこと謝りたい。あと別れたくない」


「うん。わかった」



高木君はこっちを見たけど、ジャーマンシェパードではない位小さく見えた。



「えっとね。まず、誕生日はもういい。だって今から祝って貰うってまた先になるよね?気持ちだけ受け取る。有難う」



高木君は顔色悪い。ジャーマンシェパードよりもチワワに見える。



「あと、なんで別れる話になるか分からないけど、私、別れるって言ったかな?」


「言ってない。言わないで欲しい。ごめん」



高木君は謝るけど、私はちょっと困っていた。







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