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爆弾に吹っ飛ばされた私の着地の仕方  作者: サトウアラレ
1章

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12/57

番外編 高木君の着地場所 1


11話で、完結しました。番外編がもう少し続きます。

ここ何日か、休憩時間の度に携帯をチェックしている。


メッセージ音に反応したりしているから、周りの先輩たちからは「おー、彼女でも出来たか?」「借金返済の催促か?」と、からかわれる。


「違いますよ」と言うが周りのニヤニヤは止まらない。


相変わらず何もメッセージは入ってない。がっかりした空気が出たのか、先輩達もそれ以上は言ってこない。



(やっぱり、嫌われてたのかな。早瀬も俺のせいで武蔵が無視されたり、いたずら電話受けてたって言ってたし。今更だよな)



はあ~~~。っと溜息をついて背伸びをする。



(女々しいよなあ)



そうは思っても、事故の時見た武蔵が目に焼き付いている。


爆発現場でみた武蔵に、色んな意味で心臓が跳ねた。出血量、意識、血圧の低下、高校の時よりも大人になって綺麗になった顔が爆発で汚れていた。顔を見たのは卒業以来だ。でも、すぐに分かった。



(嘘だろ。なんでここにいるんだよ。何してるんだよ。死にそうになってるなよ)



冷静のつもりだったが、手が震えたのが分かった。それでも体は仕事を覚えていて、周りの隊員と一緒に応急処置や、病院の手配をしていく。目を閉じている顔を見たのは初めてだった。声をかけながら処置をしていたが、一回、武蔵の口が動いた。別れを言われた気がして、息が止まった。


救急車に乗せる時、体の軽さに頭が冷えた。何度も何度も傷病者を乗せているのに緊張した。



(死ぬな、死ぬな、死ぬな)



病院に運び、後日意識が戻った事も知った。でも、それ以上は聞けない。連絡先も知らない。事故のあの時、武蔵を見て、自分の感情が一瞬で高校時代に戻った感覚もした。高校卒業してから武蔵には会ってないのに。


お互い別々の大学に進み、携帯の番号が切れたら俺たちの繋がりも切れた。



(こっちにいたんだな。就職先は駅の近所なのかな。爆発の時の格好は仕事帰りのようだ。指輪はしていなかった。彼氏いるのかな)



休憩時間や休みの日は武蔵のことばかり考えた。



(俺、気持ち悪いな)



悶々と携帯をいじり、早瀬との共通の知人を思い出し、そいつに久しぶりに思い切って連絡したのは事故から2週間以上たってからで、早瀬を通じて武蔵から連絡が来たときは本当に嬉しかった。


また連絡を取り合いたいと送ったが、気持ち悪がられたらどうしようとか、早瀬経由で断ってもいいと書いたが、内心は断られたらショックだな、と、怖かった。


高校の時、武蔵と話さなくなる少し前に、仲のいい奴から、


「武蔵が、クラスメートの女子から嫌がらせ受けてるっぽい」と聞き、


「まじか?」と驚いた。


武蔵は嫌われるような子じゃないからだ。そいつも、「どうも一方的に嫌がらせ受けてて、武蔵の友達が守ってる。俺ら男子は、あんま関わらない方がいいのかと様子見してる」と言われた。


俺が武蔵のクラスに行ったときはそんな様子はなかったから知らなかったし、心配だった。


ただ後日、武蔵のクラスの仲のいい奴が慌てて俺のクラスに来て、「おい、今いいか?」と言われ。わざわざ屋上階段まで連れていかれた。


「なに、告白の練習?」とふざけると、


「おい、武蔵の嫌がらせの原因、お前かもしれんぞ」と言われ、「は?」と聞いたら、


「いや、嫌がらせしてる女子から、さっき、お前の事聞かれた。仲いいんでしょう?とか、付き合ってるやついるのかとか、好きな奴知ってるか、とか色々聞いてきてさ、テキトーに答えてた。んで、そしたら、「高木は武蔵の事好きなんじゃないか?」って聞かれたんだよ。知らねーって答えといたぞ。おい、お前、大丈夫か」


俺の顔色は悪かったらしい。「あー、大丈夫。サンキュー。わかったわ。うん。そっか」と、答えた。


「まじか。大丈夫か。顔、白いぞ。ま、武蔵の事は俺らも先生に言って、酷くならないようにはしたから。武蔵可愛いからさ、妬まれるんじゃないか。普段は女友達がそばにいてやってるみたいだから、あんま心配はすんな。お前も気をつけろよ」と言われ、背中を叩かれた。


「ああ。サンキュー」と言ってクラスに戻ったが、その日は勉強が手に付かなかった。


暫くして、その嫌がらせ相手から俺が告白されて、ああ、やっぱり、俺のせいで嫌がらせ受けたんだな、と思った。「試しでいいから付き合って」って言われた時は本当に腹が立った。


武蔵の事を探ってる感じもしたから、「好きなのは君の知らない子」と答えた。むかつくという感情は久しぶりだった。


武蔵と距離を取った方がいいだろう。進路のこともあるし。


そんな事を考えてのんびりしていたら、武蔵が一個下の後輩といい感じらしい、なんて聞いた。噂を言ってきた奴に、「ふーん」と返したが、自分でも驚く程ショックを受けていた。


距離も置きたくなかったが、武蔵が俺のせいで嫌がらせ受けるのも嫌だった。武蔵が話しかけてきたら話そうとも思ってたが、なんとなく武蔵からも避けられてる気がして、会話は減った。


あー、嫌われたのかな、と思った。


武蔵のクラスメートの仲のいい奴は俺が落ち込んでるのを知って、俺のクラスに来るようになった。


だから、武蔵とは本当にたまにしか合わなくなった。








番外編は3話です。



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