第510話 恋の訪問
10月、少し肌寒くなってきた今日この頃。
最近は任務が少なく、平和に過ごしていました。
「そういや最近ちょうどいい気温ですね。」
「分かる。秋真っ盛りっていうか。もうちょっとこの心地いい気温が続いててほしいなあって。」
「暦上は9月から秋だけど、実際のところ暑いんだよなぁ。」
平和が続いているので、こんなにのんびりしています。現在凪繁が近くのチェーン店でちょっと食べてるみたいで、ここには初期勢の3人がいます。
アンダス団の情報が最近全然出てないけど、もし無くなったのならそれはそれでいいかなと。そっちのほうが平和だし。俺的には逃げられたとか、復讐できなかったとか、そういうもどかしい気持ちもあるにはあるけど、やっぱり平和が一番。
「本当お願いあるんだけどいる!?」
のんびりしていると、扉を激しくノックする音と声が聞こえた。確かこの声は……
「川崎さん。お久しぶりですね。」
とりあえず座ってもらって、話したいことがあるらしいので話してもらう。この感じ、なんか嫌な、大事が起きるような、そんな感じがしていた。
「それで、どうかしたんですか?川崎さん?そういえば山井さんはいないんですね。」
「個人的な用だから純様をわざわざ呼びたくなくてね。でそれでお願いがあってみんなに頼みに来たの。他の人達にも頼もうとしたんだけどなんでか時間的に無理やら他にしたいことがあるやらで全員に断られてね。それでまだ頼んでない人誰かなと思ってたらここに来たんだ。」
あれ、なんかさっきの嫌な予感なんか外れそう。他の人にお願いしたってことは魔族関係とは別のことのはず。
「川崎さんとか山井さんとかには結構世話にみんななってるしな。鍛錬のときとか悪夢のときとか。めっちゃ変なやつとかじゃなかったら受けるよみんな。」
「ありがとう。それで頼みたいことなんだけど、近頃……今週の土曜日に私が通ってる光幸高校で文化祭があるの。それで、みんなにカメラ渡すから、2時から始まる純様が入ってる演劇部の演劇『ロミオとジュリエット』をとりあえず全部録画してほしいの。お願い。」
俺達より年上だというのに頭を下げてお願いしている。初対面の時から山井さんLOVEを見せつけてきたけど、俺達の友情とかを超えたもっと密接な関係。尊敬とか相棒とかの関係なんだろうなと感じてしまう。
あと、最初の予想は大外れで全くもって大事じゃなかった。本当に個人的な理由だった。
「私達に頼むってことは、川崎さん自身でやるのは無理ってことですか?」
「本当そうなの。私としても見たいよ生で。ほら、スポーツとかって後で放送されるけど生で楽しみたいじゃん。あれだよあれ。なんだけどね、その時私の新聞部の展示の仕事が入ってるの。変わってもらおうにもみんなクラスの出し物や大会の練習でその時間私しかできなくてね。本当神様呪いたい。」
「ああ、それはまあ、ご愁傷様です。」
いい言葉は全く思いつかなかった。




