表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法の木エニシダの香り  作者: 文乃木 れい
慧の目にうつる世界
32/50

いなごとりと棒のぼり 嫌いだよ

 まりちゃんの袋には、もうずいぶんといなごが入っているみたいだ。

ぼくのには2匹だけ。きょうもたんぼにやってきた。

金色に光る田んぼ。いねにはいなごがたくさんいる。飛び回ってるのを手でえいってすばやくとるんだ。いなごをつかまえようとして追いかけるのは好きだけど、捕まえた時、手のひらでがさっと動く時がいやなんだよ。

「みんなあ!あぜでとるんだよー」しま先生が大声を出したけど、稲の穂をふんづけちゃったりする。

たっくんもわざとたんぼに入りながら、じぐざぐにけらけら笑いながら走ったりしている。

とうとう刈ってある稲のたばのところに飛び込んで、しま先生がものすごく怒っていた。

 女の子たちはせっせと袋をいっぱいにしている。せいこの袋も、ようちゃんのももうだいぶ重たそうだ。

「ほれ、けい、がんばってとんなね。ほれそこにとまってるよ。」と先生が指差した。

しょうがないな、袋を落とし、両手でとった。だれか袋開いて!とさけぶとえみちゃんが、

袋を開いてくれた。「けいちゃん、まだこんだけ、がんばんなね」

あ、飛んでる! 思わず片手を出したら握った手にちゃんとはいった。えみちゃんと顔を見合わせて笑っちゃったよ。あー、でも、いなごをつかんだ手が気持ち悪い。

布袋にそのままいてておくと、いなごはふんをするから、それから料理するんだって。

ひなぎくに帰って、こないだから採って干しといたいなごの足と羽をむしる。

さの先生が、「栄養たっぷりなんだよ。岡田さんに美味しく炊いてもらおうね。」

ってせいこたちと話している。

ボールにむしった羽と足がどんどんたまっていく。


 午後は、来週の運動会の練習で、リズムたいそうとかけっこと登り棒をした。

障害物競走は、平均台のところまでかけていって平均台を渡り、大きな網をくぐりぬけ、それから登り棒を登って降りて、あとはゴールまで走り抜ける。

 ぼくは、かけっこは速いのに、登り棒はてっぺんまでなかなか上れない。

手がすべるし、足もすべる。

ようこってどうしてあんなに早く登れるんだ?おさるみたいだ。

もうみんな登って降りて、一周走って戻ってきた。

「けい、手につばつけてのぼってみな。」こないだまでのぼれなくてべそべそ泣いていたこうじが、今日は簡単に登れたので、ぼくにいろいろ言う。

「けい がんばれ! 早くのぼっちゃわないとくたびれちゃうよ、ぶらさがってるうちに。」

だって、手がすべるんだ、片手を離したらおっこっちゃう。

みんながぼくを見ている。

すべって下まで落ちてしまった。またすぐに登ろうとしたけどすべる。

「けい、少し休んだらいいよ。」としま先生が言ったら、涙が出てきた。

先生の手を払った。先生が、ぞうきんを持ってきて足をぬらしてくれた。

てっぺんまでいけた。でも先生が少し足を押したんだ。

先生が「がんばったね。」と笑ったけど、ぼくは黙ってコースを走った。


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ