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魔法の木エニシダの香り  作者: 文乃木 れい
慧の目にうつる世界
15/50

畑作り

「 今日は野菜植えっからね!」

しま先生が先頭で 物置に道具を取りに行く。

「耕すからね。まんのうを全部はこんでね。」

物置からリヤカーを運び出して、まんのうを運んで乗せる。

「先生、スコップは?」

「みんなのぶんのまんのうはないから、スコップやすきも持っていこね」

と しま先生は言って、

「気をつけてはこぶんだよ。おともだちにあたらないようにね。」

大きな声でつけたした。

 たっくんがリヤカーをひこうとしたら、こうじもやりたいってけんかになりそうだったけど結局ふたりでひくことになった。

そしたら、かっちゃんが「じゃ、僕は乗るから」ってちゃっかりリヤカーに乗りこんで、先生に怒られた。


「せんせー、何を植えるの?」

まりちゃんがバケツを持って物置からでてきて聞いたら、

先生は

「まりちゃん、今日はバケツいいわ。野菜植えるの、は明日にしようね。

今日は耕してから、咲いた屋さんに野菜の苗を買いにいこうね。」

そして「バケツしまってきたら物置しめてきて」と言った。


 隣のやまださんのとこの畑は、もうきれいにうねができて土の色がチョコレートみたいだ。

 ぼくらのひなぎく園のとこは土が固い。 

「まんのうをだれかが使ってるときはそばにいかないように。」って言いながら、さの先生はまんのうをふりあげた。

「こんなふうに大きくふりあげたらだめだよ。去年もやったの見てたでしょ。おおきらいおんさんたちがじょうずに使ってたでしょ。」

そうそう。小さいらいおん組の時、まんのうをやらせてもらえなかった。

やりたかったんだ。

 「けい、やってみるか」「うん。」わくわくした。

でも面白そうってはじめ思ったけど、やってみたら、まんのうは重くて 思ったようにはいかない。手が痛くなってすぐにいやになっちゃった

「けい!手にばっか力はいってるよ。おなかに力入れて!」そんなこと言われたってそう簡単にはいかない。

 「こうたいこうたい」とぼくはまんのうをたっくんに渡した。

たっくんは じょうずに使ってる。


「やったことあんの?たく?」って先生に聞かれて

「うん、トマトうえたんだ、おかあちゃんと」ってたっくん。

それからはたっくんとこうじがずっと耕してくれた。


 ぼくはかっちゃんとふかふかの土の上でおすもうをした。

この間ひなぎく園におすもうさんが来た。おもいっきりぶつかってもいいっていうので、ダンプカーみたいな力で飛んでいったのに気がついたら、しりもちついていた。おすもうさんはでっかかったなあ。それに、ぼよんぼよんかなあと思ってたおすもうさんのおなかははかちんかちんに固かった。 


「そろそろうねをつくるよー。」しま先生が来て、「こらこら遊んでばかりで仕事しない子はこうだ!」といって僕のことを抱きかかえるようにして足蹴りをいれたので、ぼくはゆっくりと土の上にあおむけになった。    

 柔らかい土は、ひんやりふわっときっもち良かった。

空が広がり先生の顔がにゅっとあらわれて、

「さ、起きてやってしまお」とぼくの手をひっぱった。

 

 野菜の苗を買いに行った。

ひなぎくの横の旧道を数分歩くと、中央通りにぶつかる。みぎに曲がるとたけちゃんのうちのお肉やさん。曲がらないで、信号を渡って少し左にいくと「咲いた屋」さんだ。

 

 入り口の前に苗がいっぱい並んでおいてあった。

「みんなが育てたい野菜は何かな?」しま先生が聞いた。

「とまとにすいか!」たっくんがすぐにこたえた。

「すいかはむずかしいから、抜きね。えーと トマト、トマトは大きいのとミニトマトと両方にしようねえ。」

「ここにからの箱があるから 苗をここに入れてください。じゃ、まず、トマトをひとりひとつずつ持ってきて。かっちゃんも、ほらっ!」

 かっちゃんは、お店の外でぼーっとしてる。

 かっちゃんは、時々はんこうするんだ。


 ぼくは ラディシュを見つけた。

「せんせー、ラディッシュは?」  せいこが顔をしかめて

「けい、それ、からいよ、ものすごく。」と言った。「知ってる。」

けど、かあさんがサラダにかざったらきれいだったぞ。

「ラディッシュもじゃあ、ひとつずつ入れてください。」

「あと、なすびとピーマンと‥」と先生の言葉にみんな

「えーっ、なすいらないよねえ。」

ぼくはおなすの焼いたの大好きだよ。

「先生も大好物。ピーマンもおいしいよ。みんな焼きそばに入ってるの食べてるよ、たくさん。」

「ピーマンにがくてやだよなー。」たっくんとえみちゃんが言って、ぼくもうなずいた。

「おいら、ピーマン食べられるぞ。」

いつのまにかかっちゃんがピーマンの苗を箱に入れていた。

「ぶっというのが元気いいんだぞ。」

そうそうかっちゃんよく知ってるねえ。

まりちゃんが「きゅうりは?」と言ってせんせいが

「そうそう、かんじんのきゅうり、みんな入れたら 箱はみんなあそこのレジのところに運んでください」

あとで、「咲いたやさん」が車で届けてくれるんだって。

帰り道は 三角公園で色鬼して遊んでから帰ろうね。


         * * * * *


 ぼくは昨日の苗が気になって、小屋に行ったら、しま先生が小屋の中から、ホースを持って出てきた。

「けい、おはよー。畑に植えにいこう。今日はスコップと、それからバケツも持って。らいおんさん集合って声かけてきてくれる。」

ぼくは、テラスに戻って、「畑いくぞー!」って怒鳴った。


小屋にもどると、先生が一輪車に苗のダンボールが乗せていた。


「けい、このホース、まっすぐにしながら、畑までひっぱっていって。」

ホースはプールの水道につながってた。まいてあるさきっぽを持ってずるずるひっぱって歩き始めたらすぐに動かなくなった。


 道具を積んでいた先生が見てて

「ほらーけい!ひっぱったらだめだよ。まっすぐにしながらって言ったでしょ。」ホースがからまったとこまでもどって、ホースをもちあげたらものすごく重かった。まりっぺが一緒に手伝ってくれてほぐしながら地面においた。

 せいこが「けい、ホースひっぱって歩いて。わたしがあとからほどきながら行ってあげるから。まりちゃん、私のスコップ持ってって。」とちょっとえらそうに言った。ひとりでやれるのに。。。

 大きいらいおん組と小さいりおん組は手に小さいスコップを持って畑に向かった。


 「けい!またごくろうさまだけど、」としま先生が僕に向かって「ホースがからまってるとこがないか見ながら水道に戻って、それから水を出してきて。」と言った。

ぼくはホースをたどっていき、水道の栓をひねった。

 また畑にもどりながら、「せんせー水出るー」って大きな声で叫んだら、しま先生がホースを手にとって上に向かって水を出すのが見えた。

 

 自分たちの苗を植えた。先生が白いちいさな札に名前を書いてくれて、じぶんのマークのシールをはってくれたので、じぶんの苗のとこにさした。

 ぼくのマークはてんとう虫だ。

せんせいが、本当のてんとう虫が苗につかないようにしょっちゅう見にこなくちゃね。って言った。

 みんなじょうろを持って、先生にホースから水を入れてもらった。

 土のもりあがったとこをふまないように気を付けながら、僕は5回ぐらいじょうろで水をかけた。

 明日から毎日水をあげにこなくちゃならないんだ。

 「さあ、後片付けは、帰りにするから、このままあっちの土手まで行って、よもぎをとってこよう。」と

さの先生は籠を背中にしょった。

「明日よもぎだんご作るからね。がんばってたくさんつんでね。こないだ、遊んでばっかでちゃんととらなかった男の子達は今日とらなかったらだんごなしだよー。」

  「ひぇー。」とたっくんは後ろにのけぞって「おいらこれくらいとんぞー」と両手をひろげた。


よもぎをつむのは、苦手だ。これよもぎかなあどうかなあと思ってる間に誰かがつんじゃうんで、なかなか僕の袋はいっぱいにならない。かっちゃんははじめからやりたくないってやらないんだ。ぼくは、一生懸命に探してるのになかなか探せないんだ。

 先生たちはすぐに、「けいちゃん!、ちゃんと摘んでるぅー!」ってさけぶ。

こないだ、よもぎ摘みの途中でかっちゃんといっしょに勝手に先に帰ってきてしまったのはやっぱりまずかった。 

  あれから かあさんも先生たちもうるさくなった。

「けい、やらなくちゃならないことをさぼったら なんにもできない子になっちゃうよ」

わかったよ、よもぎ、よもぎ、よもぎってしゃがんでたら たっくんが 「じぐもとりしよーぜ」って寄ってきた。

「だめだよ、10とらないとだめなんだよ。今度はぜったいにものすごく怒られるから」とぼくがまたよもぎよもぎって探し始めたら、「おいらのあげっから」てよもぎを自分の袋からだして ぼくにくれた。

 それで ぼくはよもぎのふくろを先生に渡して、やなことを終わりにした。





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