私が着る……!
「う〜~~ん…うぅぅぅ~~ん……。」
僕は、今物凄く困っている。なぜなのか簡単に説明すると…僕の仕事はイラストレーターで今は、バニーガールの衣装を着たキャラクターのイラストを描くという仕事に取り組んでいるんだけど、僕は実際に自分の目で見ないと上手く描けないタイプのイラストレーターなので、困っているのだ。
「?……どうしたの?輝希君。」
僕が仕事机に置いてある液タブとにらめっこしていると後ろから僕の奥さんが話しかけてきた。
「あのね、里菜さん。今、仕事でバニーガールの衣装を着たキャラを描かなきゃ行けないんだけど……」
「だけど?」
「僕、バニーガールの衣装を着た人なんて実際に見た事なくてさぁ……。」
僕は、困っている事を思いっきり主張した。
「そりゃ、見たことあったりしたら。」
しかし、里菜さんは別の意味で受け取ってしまったらしい。
「見たことあったりしたら、みっちりお説教だからね。」
「い、いやぁ、そうじゃなくて…僕、ある程度実際に見たものじゃないと、うまく書けないんですよ。だから、どうしようか悩んでて……最悪…そういうお店に行くしか。」
「ダメダメ。そんなの、絶対許しません。」
里菜さんは首を横に振った後、頬を膨らませた。
「う〜ん。でも……」
「じゃ…じゃあ、私が……」
すると、里菜さんが俯いて小声を出した。
「私が?」
「………私が着る…!」
「え、えぇぇぇっぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」