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異世界でもコツコツ強くなっていきます!  作者: 黒陽
七章 四国対戦
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第六十話 二つの別れ道

 第六十話 二つの別れ道


 二階についたサクラと輝は全くと言っていいほど同じ光景を目撃した。

「ここでミッションを受けるの?」

「ちょっと休憩とらない?」

「そうですね」


 二人はログアウトした。


 外はまだ暗くなかったが、夕暮れ時と言ったところで、なかなか長時間プレイできたことに誇りを持った。


 そして自室に戻った輝は食事を食べ、就寝した。


 一年四日目・ジュン十八日


 輝は今日も早朝に起きた。五時半といういつもは起きない時間にでも、朝食をすませるとすぐに教員室に向かった。


「先生、おはようございます」

「今日もまた、早いのね」

「はい、もう楽しみで!」

「じゃあ、早速始めましょうか」


 二人はイアホンを耳に装着、E-gameを開始した。


 ロビーへ着き、ゲートへ向かうこれはもう日常だ。たった数回しているだけなのに、もう何日もプレイしているようにも輝は感じていた。


 そして、二人は第二の町ビギナーズタウン、ギルドニュービーの二階へと戻ってきた。


「サクラそういえばさ、このハートクッキーって繁殖用とか言ってたけど、俺が食べたらどうなるんだ?」

「わからないわね」

「じゃあサクラに食べさせたら?」

「知らないわ、そんなことよりもミッションよ!それでどうする?」

「一緒に稼ぐの?」

「でもバラバラの方が効率は良さそうですわよ」

「結局のところ、どのぐらい必要なの?」

「聞いてみましょ」


 二人はカウンターにいる男性に聞いた。

「ここでは、ミッションを受けられますよ」

「質問をいいですか?」

「はい、なんでしょうか」

「どのくらいのお金でどれほどのものが購入できるのですか?」

「そうですね、ミッションの収益は簡単なものだと二、三コンク、難しくなってくると五、六コンクですね。それで、一階の酒場ではいっぱい二コンクですよ」

「他に武器屋や服、他ギルドの入会費などは……」

「武器は、十コンクから二十コンク程度、服も同じぐらいですね。他のギルドに入るには百コンクで入会テストを受けられると聞いています」

「大変ですね」

「だから、私たちギルドニュービーが一番なんですよ」

「ありがとうございました」

「他に質問はありますか?」

「ミッションはどこで受ければ……?」

「ここで受けられますよ」

「それなら、どのようなものがあるのか教えてください」

「そこの機械で行えるのでそちらでお待ちください」


 そこには小さなタッチパネルのついた機会があった。今はだれかが使っている様子であった。


 だれかが使い終わったため、輝とサクラは覗き込んだ。そこには、ミッション一覧と書かれており、それをタッチすると、ずらりとミッションが出てきた。


 ほとんだが言われた通り、二、三コンクであり、多くても四コンク程度しか見つからなかった。

「全然ないな」

「まぁそんなものでしょうね」

「それで、バラバラに稼いだほうがいいみたいだけど……どうする?」

「そうね、そうしましょ」

「じゃあ……」

「じゃあ、一日あたり十コンク稼ぐとして、十二日つまりジュンの三十日にまた会えばいいのじゃない?」

「そうですね、ジュンの最終日! でも……」

「最終日じゃないわよ、ジュンは三十五日まであるのですもの。後、E-gameは部屋に持って行っていいわ、よく考えてみれば、一緒にいても仕方ないしね」


 そういうと、サクラはミッションを選び始めた。そして輝は一度ログアウトすると、自分の部屋にE-gameを持って行き、再度ログインした。


 サクラはその頃すでに最初のミッションを始めていた。内容はいたって簡単。猫を捕まえろとのこと、それには二コンクが与えられるらしい。しかし、ミッションは誰にでも受けられるものであるため、他にも猫を探している人はもちろんいた。


「何処かしら?」


 そして、突然現れた猫をサクラはいとも簡単捕まえ、ギルドへ持っていった。そう、これでサクラは早速二コンクを手にしたのであった。


 輝もまた、ミッションを探していた。輝は小さなものよりも大きな一度で稼げるものがしたく、ミッションのリストとにらめっこしていた。

「(全然ないな、どうなってんだ?)」

[おそらく皆が既にとってクリアしてしまっているようですね]

「本当にこんなにないものなのか?」

[聞いてみたらいいじゃないですか?]

「そんな、これを見ろってまた言われるだけだろ、どうせモブなんだから」


 輝はそう言いつつも、カウンターの男性に聞いた。

「ここでミッションを受けられますよ」

「(ほら、全く同じこと言うだろ!)あの、質問いいですか?」

「はい、なんでしょうか?」

「何か、たくさんコンクを稼げるミッションはないのですか?ここには全てが四以下じゃないですか!」

「良い仕事は別のギルドに取られてしまうので……」

「そんなの言い訳になりませんよ!」


 輝は少し怒り気味にいった。すると、男性は申し訳なさそうに、輝を拱いた。輝は恐る恐る近づいてみると、小さな声で話された。

「実はですね、百コンクミッションというものがあるのですよ」

「本当ですか!」

「いや、待ってください。ですが、それはそう簡単ではなくて魔女の家からある薬品を盗んでくるというものなのですが、受けてみますか?」

「はい、もちろんです(おぉ、なんかこういうのはゲームポイな)」

「それではこれが地図です」


 その渡された紙には、第二の町ビギナーズタウンと第一の町ニュービータウンの絵が描かれていた。そして、その間の道、イノロクの絵なども描かれている。そして、イノロクがやってきた方角の逆つまり、道の下側のずっと先に魔女の家と書かれていた。

「ここですか?」


 輝は指で魔女の家を指して言った。


「はい、でもそこへ言っても何も見ることはできませんよ」

「えぇ?」

「まぁ、この地図をじっくりみて考えてみてください」

「えぇ……」

「他の人には言ってはいけませんよ」

「はい…あと、どの薬品のことなのですか?」

「紫色に光る、猛毒です」

「なんでそれを……」

「これ以上は契約主との契約上違反になるのでいうことは……」

「……」


 輝は地図をすっと懐に隠して、ギルドを出た。

「(頭を使えったって、俺の知力も精神力もカスだしな)」

[魔法を使うって言ってもカスですしね]

「(トク、お前は誰の味方なんだ!)」


 輝は人目を気にしながら、特にサクラにみられないようにと気をつけながら、第二の町ビギナーズタウンを出て道なりに歩き始めた。

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