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異世界でもコツコツ強くなっていきます!  作者: 黒陽
一章 異世界特訓
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第十四話 やる気の出どころ

 第十四話 やる気の出どころ


 ベルトは食事の準備を始めた。

「もう今日はゆっくりしとけ、豚も狩ってきたし」

「腹減ったな」

「そういえば、お前にプレゼントが来たぞ」

「誰からだ?」

「イークスからだ」

「バーナスか!? なんだ?」

「自分で確認しろ」


 ベルトは大きな袋を輝には足した。輝が袋を開くと、中からどこかで見たことのある虫とあの万能薬草が入っていた。輝は虫を口いっぱいに頬張り食べ始めた。

「バーナス、ありがとな」

「お前……よくわかったよ」

「ベルトも欲しいのか? やんねーよ」

「そんなのいるか!」

「じゃあ、ベルトはなにを食べてたっていうんだよ」

「適当に、豚、鳥、狐たぬきとか?」

「で、でも……人間だろ」

「そんなの昔のことだろ、そんなこと気にしてられるか」


 輝とベルトは焼き豚を食べた時には、すでに真っ暗であった。

「ベルト、どうやったら魔法って使えるんだ?」

「どういうことだ?」

「なんか条件をクリアしないと発動できないんだろ?」

「お前の場合はな」

「ベルトはどうなんだよ」

「そんなのあるわけないだろ。私のは自己可動系魔法いつでも使えるんだ」

「じゃあ、俺のは?」

「条件可動系だ」

「なるほど、いいな」

「条件可動系の方が威力は強いけどな」

「それでも、条件かとか使い勝手が悪すぎる…」

「まぁ気にすんな、いつかはできるようになるかもしれんしな。寝るぞ」

「おっす」


 三十七日


 輝は目をさますと、ベルトは起きている。そして、輝が起きたのを見計らうと、ベルトは歩き始めた。

「行くぞ」


 輝は急いで追いかけていった。すると、すぐに海岸についた。

「帰るんじゃないのか?」

「そうだぞ」

「どうやって? 船はどこに?」

「船? なんの話をしている。歩いて行くんだよ」

「でも……どうやって……」

「まぁ見てろ」


 ベルトは海に向かって歩いてゆき、何事もないのかのように、水面を歩いた。

「行くぞ」

「そんなの無理だ、あの扉の店みたいのは?」

「あれは一方通行だ、店主の行ったことのある場所には行けるが帰るには、一緒にいる必要があるんだ」

「……(まじかよ)」

「絶対に無理ってわけではないけどな」

「そうなのか!?」

「多額の金を持っているならな」

「いくらだ?」

「お前一マジクもないだろ」

「……」


 ベルトは浜に戻ってきた。

「まぁ、水面に浮くのも簡単だけどな」

「簡単って」

「風を水面に押し付けて浮かぶんだよ」

「俺、風邪なんて使えねーよ」

「考えろ」

「考えたって」

「熱だぞ!」

[輝、水蒸気です]

「水蒸気?」

「そうだ、熱を水面に押し付ければ、水が気化する、それを用いて歩くんだ」

「そ、そうだよな(ありがとな、トク)」

[礼には及びません]


 輝は海の方へと歩き始めた。

「(トク)」

[マジう]

「(もういい)」

[体温が]

「(黙ってろ)」


 輝が海水に擦れた時、湯気のようなものが発生した。しかし、輝は海にズボズボ沈んでいった。

「できねーじゃねーか!」

「頭を使え!」

「なんだよまた」

「集中だ」

「集中してるよ」

「魔法のな」

「魔法の集中?」

「そうだ、俺だって、体全体から魔法を使っていたら弱い。体の一部分に集中することが必要なんだ」


 すると、ベルトの周りから、台風のようなものすごい風を感じた。

「これが集中か?」

「これが全身からだ」

「(これで弱いかよ)」


 ベルトは指を輝に向けた。その瞬間、輝の持っていた薬草の入った袋は、穴が空き、吹き飛んでいった。

「す、すごい」

「人も容易く殺せるほどにもなるんだ」


「じゃあ、俺は先に行くわ、一週間もあればいけるだろう」

「一週間も魔法続かないし……」

「気合だ! 俺なら三時間ぐらいかな? 師匠は二時間だったけどな」


 というと、ベルトは海の方へと消えた。輝は向かい風に押し倒されてしまった。

「(これが本当の実力なのか……)」


 そして、輝の集中特訓が始まった。しかし、魔法を使うことさえもできず、実質特訓を始めることさえもできなかった。今までの過去の恥を見ても、体力は上昇しなくなってしまった。そのため、筋トレのみを続けていた。


 四十一日


 筋トレを続けて五日がたった。筋トレの過程では筋肉の一部分のみを使う、片手指先立て伏せや、つま先スクワットなどを行なっていた。


「(あー、もう無理だ! ここで暮らそうかな?)」


 だが、食事には困っていなかった。意外にも少し歩いて行くと、沼地があり、ワニやカエルといった動物が多くいた。もちろん元々は犯罪者たちであった。


 すでに、熱で焼くこともせず、生で食べるようになった。



 四十三日


 何も怒ることもなく、ベルトが去ってから、七日間すぎて行った。そんなところにバーナスがやってきた。

「テル、ゲンキ?」

「おぉ、元気だぞ!虫と薬草ありがとな」

「マダイタンダネ」

「行きたかったんだけど、無理そうなんだ」

「ソウダッタンダ」

「そういえば、お前は人間だったんだな」

「ナンデソレヲ!」

「ベルトが教えてくれたんだ」

「アノヒトカ…」


 輝はバーナスとの会話もかなり慣れてきて、通常の言語ほどに理解できるほどになっていた。


「人間に戻りたいか?」

「無理だよ、もうこんな姿だし」

「戻りたいんだな」

「……うん」

「わかった。俺がいつか戻してやるよ」

「ほんと!?」

「そういえば今いくつ?」

「レディーにそれ聞く?」

「いや、言いたくないなら」

「十五歳」

「年下か……って何歳で人殺したんだよ」

「覚えてないけど、十歳にもなってなかったかな。輝は?」

「十七歳だ」


 その後もテルとバーナスは何気無い会話をして一日過ごした。しかし、それも無駄ではなあった。バーナスのことを輝はよく知ることもできたのだ。


 バーナス、十五歳女性。フルネームはバーナス・サーミーだ。サーミ一族は伝統のある、魔道士一族だそうだ。


 魔道士一族とは、そのまま、魔道士のみの家系ということであり、両親と両親の両親つまり祖父母も魔道士の場合は、生まれてくる子供も魔道士だそうだ。サーミ一族を苦しめた病気はマッドサリノ病は不死の力を得るものであった。しかし、その行きている時間は常に悲鳴を伴うほどの痛みと苦痛が襲いかかるのだ。また、幻覚や幻聴も聞こえ、バーナスが輝にあげていた薬草でしか治すことができないそうだ。


 ちなみに、あの薬草はヒールマイと呼ばれ、ダスラン島のある場所にのみ育つらしい。その薬草は、治癒力を高めるだけでなく、ほとんどの病気に有効らしいが、世の中で最もレアな薬草らしい。

 また、輝が集めていたマジミニアムもこの島のみの万能長金属らしい。

「(ベルトめ、人に集めさせておいて……)」


 輝は話を聞くほどに、バーナスを可哀想に思い、人間に戻すことを約束してしまった。

「バーナス、絶対に人間に戻すよ」

「ありがと」

「その時は」

「待って」

「俺と」

「ほんとに待ってよ」

 輝とバーナスの頬は赤くなっていた。


「……旅をしてくれるか?」

「あ…… うん」


 そして、島を出ることに諦めていた輝は再びやる気を出した。

「(この島をとっとと出て行ってやる!)」

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