一件落着?
「こらシューっ!こんなところで寝るなーっ!」
「おわあああああああああ!?」
はい?え?何?何ですか?何か凄くご立腹なようで。元気そうで何よりです。
「寝るなっつったでしょ。」
「そ、そうだったようなそうじゃ無かったようなでもそうだったけど違ったようぐぎゃっ。」
「寝 る な っ て 言 い ま し た が ?」
「いだだだだだ。」
拳骨グリグリ止めて。痛いしもう分かったから止めて。
「ったく、目離したらすぐにこれなんだから・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」
解放してくれたのは嬉しいんだけどさ、手加減て言葉、知らないかな。
・・・知るかそんなもんって言われそう。
「で、お前の姉さんは?」
「それがさぁ・・・。」
レイラははぁとため息をついた。
「"ゼロが"のゼの字を言った瞬間、飛び起きて一瞬で着替えて武器持って飛び出してった。」
「は?」
「そのまんまその通りよ。」
ゼロって何かレイラの姉さんに恨まれるようなことしたのか?
「今度こそぶっ潰す!とか言って窓からすっ飛んでったわ。」
「・・・・・。」
シュンッと音がして、いきなり人が現れた。
「わっ?」
「ゼロ!」
「久しぶりだな、レイラ。」
何だろう何かゼロの表情が怖い。
「覚悟はしたの?早く決断してよ。」
「考えてやってもいいが、その前にあんたの姉貴をどうにかしろ。」
「ああ、あれは無理。」
「なら断る。」
何の話してるんだこの2人は。
「ゼエエェェロオオオオォォォォォッ!」
「ほら来た。」
「姉さん!今は夜中よ静かにして!」
「らあああぁぁぁぁ!」
「ちっ・・・。五月蠅いぞ大人しくしていろ。」
・・・・・逃げようかな・・・・・・?
「schweigen≪沈黙≫、zwang≪拘束≫」
「—————ッ」
「少し黙ってろ。」
レイラの姉さんは多分窓のすぐ外、衝突する寸前のところで止まってる。多分。
「で、早く決めてよ。」
「正直言って面倒だ。断る。」
「今人手不足なの!」
「俺には関係ない。」
「関係あるでしょ!シューに!」
オレに関係あること?何だそれは。
「どういうふうに関係あるんだ。」
「教師がいなかったら生徒はどうすんのよ!」
「お前の失態だ。」
「う~~~~。」
教師?
「なぁ、教師がどうかしたのか?」
「あんたの双剣のクラスの先生いるでしょ?あの先生が教師を辞めたいって言ってきたの。」
「はぁ。」
「ベテランでとっても良い教師だったんだけど、歳には勝てないって。」
うん、いい先生だってことはぴったり当てはまる。
「でも、次の教師が見つからなくてさ。あの先生の希望通りにしてあげたいのはやまやまなんだけどね。」
「それで、その教師に劣らない位の教師になれる奴として俺が指名されていると。」
「そういうこと。」
「全部きちんと説明してから頼みに来い。俺はほとんど何も聞かされていなかった。」
「はい・・・。」
おいおいそれは無いだろ。っていうか、いつ頼みに行ったんだレイラは。
「でも、あのクラスにはオレしかいないけど?」
「それも聞いていない。」
「ごめんって。」
二刀の授業終わりかぁ・・・。一刀に戻るのか・・・・。
「考えてやってもいいが。」
「二刀の授業受けたい。」
「考えておこう。」
むぅ。考えるだけかよ。
「それと、俺も片手剣クラスに入る。」
「えっ。」
「全く関係のない奴が学園に居るのは流石に怪しまれるだろう。」
こいつ凄く強いし、模擬戦で当たったら地獄になりそうだな。
「部屋はどうする?」
「空き部屋は。」
「ズバリ!無いよっ!」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
レイラのテンションが跳ね上がった気がする。
「う・・・。」
「ルアザス!起きたの?」
「ぁ・・・。」
「ルアザス?」
「ライ・・・ア・・・は。」
「今確認中よ。ルアザスは大丈夫?」
「だいじょ、ぶ・・・。」
いやどう見ても大丈夫じゃなさそうだけど。
「ルアザス、オレのこと見えてるか?」
「見えてる・・・。シュルースレイラー、だろ・・・。」
無理矢理起き上がろうとするのを、上半身を起こして支えてやると、ルアザスはぐったりもたれかかってきた。
「あー、そういえばルアザスの部屋って本当は3人部屋なんだよね。3人でそこに入ったら?」
「俺の、部屋・・・?」
「とりあえず今は寝る場所が3人分あればいい。」
「ベットはあるよ。」
「なら今日はそこで寝ることにする。場所は。」
「俺が、案内、する・・・。」
案内するって、自分じゃ歩けないだろ。
ゼロはルアザスを担ぎあげた。
「なっ・・・・。」
「行くぞ。」
「あ、あぁ・・・・。」
「おい、この・・・。降ろせ・・・っ。」
絶対この後ルアザスはゼロに猛抗議するだろう。
とりあえず、オレ達は一つの部屋で生活を共にすることになった。