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検証中 削除予定  作者: その辺の双剣使い
一章 謎多き世界最強の勇者

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第3話 俺の愛銃はチート兵器



 向かった先の部屋には、長兄のレイチェルと父のスコットが待ち構えていた。

 俺が入室するなり、レイチェルはいきなり罵声を浴びせてくる。


「このヴァーニア家の面汚しが! 勇者の称号を剥奪された挙げ句に辺境の地へと転封だと? 我が一族の輝かしい未来が、全てふいになってしまったではないか!」


 いきなりそんな事を言う兄に対し、父のスコットは顔をしかめて叱責する。


「よさぬかレイチェルよ! お前にそのような事を言う資格などあるまい! まだ、正式に当主となったわけではないのだからな! それに、今まで散々、弟のお陰で甘い汁を啜ってきたのではないのか? これまで一族の為に頑張ってきた弟に対し、労いの言葉もかけられぬとは……我が息子ながら情けない……」

「し、しかし、父上……」

「もう良い! お前は下がっておれ!」


 叱責されたレイチェルは、ドアを勢いよく閉め部屋を出ていく。

 二人きりになったところで、ようやく親父殿は穏やかな表情になり話し始めた。


「よく帰ってきたなディール! 此度はあの気まぐれな王に振り回された挙げ句、散々であったな」

「父上、ご期待に添えず申し訳ありません……」

「何を言うのかディールよ! お前はこれまでよくやってきた。それにこれからも、お前程の力があれば、例え辺境の地へと追いやられたとしても、必ず再起できると父は信じておるのだ!」

「ありがとうございます父上! グリーラッドは何も無い地ですが、領地として頂いたからには開発に専念し、かの地を豊かな土地にしてみたいと考えております」

「そうか、その意気だぞディール! ところでお前、聖剣はどうしたのだ?」


 親父殿が言う聖剣とは樹海を探索していた際に、山程もある巨大な大樹の近くに有った洞窟で見つけた剣だ。俺が、王から所有する事を唯一認められていた物でもあった。


「聖剣は王の命で返納させられました……」


 王宮を立ち去ってしばらく行ったところで、近衛兵達が慌てて俺の後を追ってきた。

 その際に連中から王命だと言われ、聖剣を返納するよう促された俺は素直に剣を渡してしまっていた。


「何と強欲な事よ! 散々お前の事をこき使っておきながら、なんたる仕打ちの数々!」

「父上、王に対しての悪口はお控えください。誰に聞かれているとも限りません」

「しかしな! 何とも悔しくて私は堪らんのだ!」


 そんな感じで親父殿だけは、俺が幼い頃から味方をしてくれていた。その事もあり、俺は今まで実家の為と思い、王の我が儘を文句一つ言わずに聞いてきたのだ。


「聖剣など無くとも、俺は無敵です! しかし、何も武器が無いというのも寂しいので、一つお願いがあるのですが……」

「願いとは何だ? ディールよ」

「確か宝物庫にしまっておいてもらったはずですが、そこに俺が幼い頃に作った銃が有るはずです! それを持ち出したいのですが、よろしいでしょうか?」

「ジュウ? 何であるかそれは。まぁ、お前が作って置いてある物だと言うのなら、何も遠慮など要らん。持って行くが良い。当座の資金として、何なら金もいくらか持っていっても構わんぞ?」


 親父殿は、そう言って腰を上げ俺に対し一緒に宝物庫へ向かうよう促した。


 宝物庫に向かう途中、廊下で母のメリッサと出くわす。母は、俺の顔を見るなり複雑そうな表情を向けるだけで、何も言わず一礼だけしてすぐに立ち去ってしまった。


「久しぶりに息子が帰って来たと言うのに、何の言葉もかけてやらんとは……」


 親父殿はそう言ちるも、俺は昔に戻っただけだと思い気にはしていなかった。

 母のメリッサは、異常なまでに体裁を気にする女性だ。

 幼い頃。彼女は実の母でありながら、得たいの知れぬ力を示す俺を気味悪がっていた。

 しかし、俺が王に気に入られたと聞いた途端、手のひらを返すように褒め称えるようになった。

 そんな母に対し、俺は却って気持ちが悪いとさえ感じていたのだが。称号を剥奪されたと聞いてあの態度。むしろ、俺としては予想通りの反応に安心さえしていた。


 宝物庫に到着すると、部屋の中にある棚を親父殿の立ち会いのもと探し始める。


「ありました父上! これがそうです!」


 十数年ぶりに目にした愛銃を前に、俺は思わず叫んだ。

 棚の上に置かれていたのは、漆黒の、銃身が肘から下程の長さがあるオートマチックガン。その横には、もう一挺の同じ形をした銃が置かれている。


「それがジュウなる物か。確かに昔お前に言われて、ここに置きに来た記憶が微かに有るな。それで、そのような物が、聖剣に代わる程の武器となると言うのか?」

「ええ、父上! あんな神剣もどきの剣なんかより、こっちの方がずっと強力な武器ですよ!」

「ほう! まぁ、流石に聖剣より強力だと聞いても俄には信じがたいが。お前が幼き日に作った物であれば、さぞかし強力な武器なのであろう」


 俺は幼い頃から、何故か様々な物を作製する能力を持っていた。

 その理由は俺が持つ、あるスキルによるものだった。


 召喚者でもなければ本来、スキルを表示することなどできない。したがって俺は、一度も他人に自身のステータスを見せたりはしなかった。

 因みに冒険者であれば、登録の際に鑑定魔法を使った測定が行われ、魔力と身体能力のみが表示されるステータスプレートが発行される。

 しかし、そこにスキルや特殊能力までが表示される事はない。


 俺は、その特殊な力によって強力な電流を発生させる事ができる。また、俺の持つあるスキルによって精製された金属は、その仕組みに耐えられる物であった。

 発生させた磁場によって加速する銃。そう、この銃は所謂レールガンというやつだ。


 どのみちこの銃も、俺にとっては玩具みたいな物だが。その辺のナマクラ剣を持って行くよりも、遥かに強力な武器なのは間違いない。

 そう思い、俺はこのレールガンを持ち出す事にしたのだ。


 目的の物を手にした俺は、親父殿に対しすぐに出立する旨を伝える。


「一晩くらい泊まっていけば良かろうに……」

「いえ、父上! 俺が長居しては、兄上達が気分を害されるだけでしょうし、これにて俺は失礼いたします」

「うむ、わかった……では、達者でな! もし、何か困った事でもあれば、いつでも戻ってくるがよい!」


 城門の外まで見送ってくれた父に挨拶を済ませた俺は、辺境の地へと向かうため再び一人歩き出す。


「ディール様、もう旅立たれてしまわれるのですか?」


 領民達は、次々と俺に向かって声をかけてきたが。そんな彼らに対し、俺はただ作り笑いを浮かべながら軽く手を上げて応じるだけだった。



 侯爵家の領地を出た直後の森で、背後に強い殺気を感じる。俺は振り返り様、二挺の銃に手をかけた。


「ケラウノス、アイギス、今日からまた頼むぜ!」


 そう叫んだ俺は、大腿部に装着した専用のホルスターから二挺の銃を抜き構える。

 俺が銃を向けた先には、フードを深く被り顔を隠した怪しげな人物が立っていた。

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