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第27話 素人に尾行は気づき辛い……よね?

第27話を更新です!

ティアと買い物をしている与人であったが、ティアが不審な行動を?

「まあ何はともあれアイナとランの喧嘩が終わって良かったよ」

「見ていない私からすれば少し見て見たかった気もするけどね」


 壮絶な決闘から数日、与人とティアは出立の翌日に控えパラケス最後の買い物をしていた。

 アイナと揉めに揉めたランであったが無事に皆と溶け込むことが出来ているようであった。


「それにしても主くんをお兄ちゃんとはね。私もそう呼んだ方がいいかな?」

「そのからかいは既にリントたちが言ってる。それにティアはキャラ的にどちらかというと姉ポジションじゃ?」

「フフ……褒め言葉として受け取っておくよ」


 その様な事を談笑しながら買い物を済ませていく二人であったが、突如ティアが予定とは別の方向に歩みを進める。


「ティア?」

「主くん、時間もあるし少し寄り道でもしよう」

「ああ、うん。いいけど?」


 突然の事に驚きつつも与人はティアについて行く。

 その後ティアは何度も何度も曲がり角を曲がっていき結局数分の道を十分かけて目的地に着く。


「なあティア。一体どうしたんだ?」

「何がだい? 主くん」


 店に入り商品の物色中に与人は思い切ってティアに真意を聞く。

 とぼけようとしているティアであったが与人は構わず質問する。


「だって今までは意見言う時も相手の対応を見てからだったろう? 今回みたいに無理やり押し通す事、あまり無かったし」

「……良く見てるね主くん」

「それにどこか警戒してるみたいだったし。……知らなくていいならこれ以上聞かないけど」


 与人がそう言うとティアはしばらく考え込んで首を横に振る。


「私だけじゃ判断が付かない。皆と相談してから話すよ、約束する」

「ならいいけど」

「咎めないんだね」


 ティアがそう言うと与人は変わった商品を見ながら言う。


「主従関係だからって一々束縛する気は無いさ。どんな人間でも隠し事の一つや二つあるからな。それが俺の為を思っての隠し事なら責める理由が無い」

「主くん」

「それに……」


 与人は商品から目を離しティアの目をジッと見る。


「信じてるからな。ティアだけじゃなく付いて来てくれた皆の事を」

「……」

「え、何その沈黙? 今のちょっとクサかった?」


 沈黙に発言に問題があったかと慌てる与人であったが、ティアはその様子を見て笑みを零す。


「違うさ。君に付いて来て良かったと思ってただけさ。……まあ少しクサい発言だったかも知れないけどね」


 そのような会話をしながら与人とティアはパラケス最後の買い物を済ませるのであった。



「主、明日に向けて良く寝ておけよ」


 リントにそう言われ与人は早々とベットに横になった。

 その隣の部屋では皆が集まっていた。


「全員いるな」


 リントが見渡しながら確認する。

 護衛に残してきたリルとセラを除けば与人のパーティーが全員ここにいた。


「何かあったの? お兄ちゃんに内緒って言っていたけど?」


 ランが眠そうにしながら退屈そうにしているが、他の皆は大体察しているのか険しい顔であった。


「ランは今日は一日中部屋に居たから気づかなかったんでしょうね」


 アイナが険しい顔をしつつもランをフォローする。

 その様子を見つつリントはティアに視線を送る。


「簡単に言うと主くんが何者かにつけられていた」

「詳しく」


 ティアの言葉を聞くとランは真面目に聞く姿勢になる。

 他のメンバーも想定していたとはいえ与人がつけられていたという事実に動揺を隠せないでいた。


「気づいたのは買い物の途中、複数人が交代しながら私と主くんを尾行していた。途中念のため何度も遠回りしたけど同じ人物が後ろにいたから間違いないね」

「その事は与人さんは?」


 ティアの説明にユニが手を挙げて質問する。

 それに対しティアは緊迫した顔を崩して笑みを浮かべる。


「何かあるとは感づいてはいるけど詳しい事は言っていない」

「それが正しいでしょう。与人様に話しても無駄に緊張を与えるだけでしょうから」


 ストラの発言を受けて今度はカナデが説明をしだす。


「次は私が。皆さんとブラッド・アライアンスの依頼をしている時に私たちを同じ足音が何度も尾行していました。同じく複数です」

「そうなんだ」


 その事を知らないランのみが驚いているが他のメンバーも渋い顔である。


「言われて気づくなんて。気が緩んでいました」


 アイナがそう悔やむように言うがリントは気にしていない様子である。


「そう落ち込むな聖剣。音に敏感な楽器と気配察知が得意なマンティス、そして鼻が鋭いフェンリルぐらいだな気づけたのは」

「そうですね。自分も図書館帰りにリルさんに言われて驚きました」


 リントとストラにそう言われアイナが少しは気が楽になったところを見計らいランが質問する。


「で? カナデ先輩やティア先輩から見て相手の腕はどのくらい?」

「足音から察するに、かなりの訓練を受けた集団でしょう」

「私もそう思う。実力はともかくその手の訓練を受けたプロなのは間違いない」

「となると問題は何故そんな集団が私たちを尾行していたか、ですが……」


 ユニが上げる疑問に皆が黙り込む。

 皆はある程度想像出来てはいるがそれだけに口にしたくは無かった。


「『ソーサラス』ではありませんね。危険視していても尾行するより拘束した方が早いですし、何より魔法を使ってる音は聞こえませんでした」


 まずカナデが感じた事を言うとリントがため息を吐きながら結論を言う。


「ああ。これだけの技術を持った人間を複数用意できて尚且つ私たちを、いや主を尾行する理由があるのは考えられる限りは『グリムガル』しかないだろう」

「まさか他国に侵入してまで我々を狙うとは……」


 アイナの言葉が皆の心情を語っていた。

 万が一を考え警戒は怠らずにいたがまさか本当に国境を越えてまで狙ってくるとは誰も思ってもみなかった。


「だけど向こうも街中で行動を起こす気は無いだろうね。となるとパラケスを抜けた時を狙って襲ってくるだろうね」

「恐らく。街中では逃げられる可能性が高いうえに『ソーサラス』も敵に回します」

「狙うタイミングが分かれば対処も簡単になります。主様にも伝えた方がいいでしょうね」


 ティアの発言を受けてストラが肯定し、アイナが具体的なプランを決め始める。


「だな、となれば明日に主が起きたら伝えておこう。まあ主も感づいているとは思うがな」

「そう決まったら皆も早く寝ない? 夜更かしは美容の大敵なんだって」

「じゃあそうと決まれば」


 リントがこの場を解散させようとした時であった。

 遠くから爆発音が聞こえ始めた。

今回はここまでとなります。

迫る影。

そして謎の爆発。

果たしてそれらに与人たちは。

次回をお楽しみに!


感想をもらえると今後の糧になります。

出来ればお願いします!

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