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必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第二部 魔女と学園
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学園の抱える問題

「さてと、エミリーちゃんも落ち着いたみたいだし、そろそろ何があったか聞いてもいいかな?」


「エミリーちゃんだなんてそんな……」


何故か顔を赤くしてもじもじしているエミリーちゃん。

どうしたんだと首を傾げつつ見ていると、ハッとしたように居住まいを正して慌てたように口を開く。


「あの、いえ、わざわざサキさんのお手を煩わせるようなことでは……」


「いやいや、私なんて別にそんな大したもんじゃないから。

それにさ、一応エフィーリア様の護衛を仰せつかってる近衛として、学園で起きた出来事として把握しておきたいんだよね」


まぁ、実際には生徒同士の諍いなんて近衛騎士が出るようなことじゃない。

ラシール姉妹の言ってたことからしても何があったかも予想ついてると言うか、確信はある。

そもそも、放っておいてもエフィーリア様の護衛という観点では全く問題はないんだけど。

ただ単に私が何となく気になるだけだ。


「……私が悪いんです。平民なのに1組にいるから……」


エフィーリア様の名前をチラつかせたのが効いたのか、エミリーちゃんが言いにくそうに口を開く。


「平民が1組にいるのが生意気だとか言われた?」


続けた私の言葉に、エミリーちゃんがこくりと頷く。

やっぱりそうだよねぇ。


各学年の中でも、1組は侯爵家以上の貴族と平民の中でも特に成績の良い生徒で構成されている。

もちろん、高位貴族だけでなく、爵位の低い貴族でも成績さえ良ければ1組になることはある。

今年の1年1組にも、確か子爵家とか男爵家の子がいたはずだし。


言い方を変えると、各学年の中でも選ばれた生徒だけが所属出来る特別クラスのような存在だ。

だから、1組への所属はそれだけで一種のステータスとも言える。

何せ、普段はまずお近付きになれない高位貴族と親しくなれる絶好のチャンスだもん。

今年はエフィーリア様もいるから余計にね。


それはそれで良いと思うんだけど、成績のパッとしない伯爵家以下の貴族からしたら面白くないんだろうね。

無駄にプライドだけは高かったりすると、自分が所属出来なかった1組にいる平民が許せなかったりするんだろう。

私から言わせたら、そんなんだから1組に所属出来ないんだろとしか思わないけど。


ちなみに、この辺の事情はソフィアとレイシアの侍女コンビから聞いた。

ソフィアは実力で当然のように1組だったし、レイシアは負けず嫌いな性格だから、自分より爵位の低い貴族に負けたくなくて勉強は真面目にしてたらしい。


まぁ、それはともかく、こうなるとエミリーちゃん以外の生徒も同じような目に合ってるかのうもあるなぁ。

少し対策とか考えないといけないかもしれない。

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