初の魔法実技の授業にて
そうして迎えた最初の実技の授業。
はい、使えない魔法の授業です。
もう努力とかそういう問題じゃないんだよ私は。
体の作りで無理だって言われてるのをどうしろってのさ。
あ、ちなみに実技は選択科目なのもあって、1年2組との共同授業です。はい。
「はぁ~い。それではぁ~、今日は最初の授業ですのでぇ~。
まずは皆さんの魔力量とぉ~、得意属性を調べましょうねぇ~」
学園の敷地内にある魔法用の鍛錬場に集合した1組と2組の生徒達を前に、例のごとくのんびりしまくった口調でナターニャ先生が呼び掛ける。
学園生活が始まって数日が過ぎ、毎日そんな先生の語り口調を聞いている1組のクラスメイト達もだいぶそれに慣れて来ているので、今更口調に反応する子はいない。
ただ、初体験の2組の生徒達は露骨に戸惑ってるけど。
そうそう、授業を通じて少しずつではあるけど、エフィーリア様もクラスメイト達と話せてるんだよね。
最初はみんなやっぱり恐縮しまくってたんだけど、エフィーリア様が案外と気さくな性格をしていることもあり、徐々に慣れて来ているみたい。
ちなみに、私には誰も話しかけて来ない。なんでだ。
そんなことを考えている間にも順番は進んで私の番。
ナターニャ先生の横にある台の上に置かれた石版を触れば良いらしい。
「はぁ~い、ではぁ、サキさんどうぞぉ~」
先生に促されて石版に触れる。
すると、石版に彫り込まれている魔法陣みたいなものが仄かに輝き始め、その光は徐々に強くなっていく。
その光に、クラスメイト達がざわつき始める。
あれ?みんなの時はこんなに光ってたっけ?
「ありがとうございますぅ~。
やっぱりサキさんは魔力量はかなり多いですねぇ~。
残念ながら得意属性はないみたいですがぁ~」
「まぁ、魔法は使えないらしいのはわかっていたので……」
本当に残念だと思ってるのか、いつも通りのにこやかな笑顔のままで言うナターニャ先生に、私もいつも通りの無表情で答える。
「サキさんは『流れ人』ですからぁ、仕方ありませんよねぇ~。
もし魔法が使えたならぁ~、すごい大魔法使いになれたと思いますよぉ~」
「そうですね、残念です」
一応フォローらしいことを言ってくれる先生に、私も一応適当に返しておく。
まぁ、確かに任務の時とかに多少不便に感じることはあるけどね。
そうして再びクラスメイト達の列に戻ろうとした時だった。
「ふん、魔法も使えない殺人鬼がなんでここにいるんだ」
ぼそっと誰かが呟いた。




