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必滅の魔女  作者: 坂井 ユキ
第二部 魔女と学園
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クラス担任ナターニャ先生

「はぁ~い、みんなぁ~席についてくださいねぇ~」


エフィーリア様と話をしつつ、クラスメイト達の様子も観察しつつしていると、いつの間にか教壇に一人の女性が立っていた。

いつ入って来た?全然気付かなかった。


「今日からぁ、この1年1組の担任になるぅ~、ナターニャと申しますぅ~。

よろしくお願いしますねぇ~」


そこにいたのは20代半ばくらいの女性で、どうやら担任の先生らしい。

うん、なんて言うんだろう。

長い茶色の髪を後ろで一つに束ね、眼鏡をかけたその容姿だけを見るなら知的な美人といった感じなんだけど……。


喋り方にものっすごい特徴がある人だな。

よく言えばほんわかしている。

悪く言えばどん臭そう。

大丈夫かな、あの先生。


「それではぁ、お一人ずつ順番に自己紹介からしていきましょうかぁ~。

窓際の一番前の方からぁ~、あら、エフィーリアさんですねぇ~。

お願い出来ますかぁ~?」


ナターニャ先生が窓際に座るエフィーリア様に気が付いてにこっと笑う。

やはりと言うか当然と言うか、エフィーリア様のことは知っていたらしい。

ちなみに、学園生活では全員平等という観点から、学園内では敬称なしで呼ぶのが許されている。


そうは言っても、王族相手だとそうもいかなくなる人の方が圧倒的に多いんだけど、ナターニャ先生はその辺は気にしないタイプみたいだ。

それが教師だからなのか、この先生の性格によるものなのかはわからないけど。


指名されたエフィーリア様が静かにすっと立ち上がると、にこやかな微笑みを携えたままゆっくりとクラスを見渡す。

そこら中で頬を赤く染めている子がいるのは、もうお約束だねこれは。


「皆様、初めまして。

エフィーリア・ミールス・イシュレアと申します。

どうか、一年間よろしくお願い致しますね」


そう言ってまたまたにっこり。

あぁ、これは男女関係なく何人も胸を撃ち抜かれてるな。

うっとりするような溜め息がそこかしこから聞こえる。


「はぁい、ありがとうございますぅ~。

それではぁ、次の方ぁ~」


おぉ、ナターニャ先生はエフィーリア様に耐性があるのかな。

平然と自己紹介を進めてる。

まぁ、単純に鈍いだけなのかもしれないって気もするけど。


ともあれ、そうして自己紹介は進み、それが終わると今後のカリキュラムの説明をナターニャ先生があの口調でのんびりとして学園初日は終わりとなった。


ただ、私が自己紹介した時だけクラスメイト達から目を逸らされた気がするのだけが納得出来ない。

別にお姉さん怖くないよ?

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